プラントベースなブリュレ!
生クリームや卵を使わずにクレームブリュレをつくってみる。野菜を使ったブリュレは、すっきりと軽やかなデザートに仕上がった。
文・撮影/長尾謙一
料理/横田渉
ル・カンテンウルトラ
(素材のちから第45号より)
デザートメニューの中にプラントベースなデザートを加えたい
生クリームやバター、卵を使ったデザートの濃厚なコクと深い甘みは、たまらなくおいしい。しかし、植物性でしか味わえないすっきりと軽やかなデザートもある。日頃、カフェやレストランで食べるデザートメニューにも選択肢として加えたい。
「ル・カンテンウルトラ」のなめらかさが、軽やかなブリュレを生む。
プラントベースな野菜のブリュレはいかが?
SDGsへの関心も高まり〝プラントベースフード〟は世界的に注目されるようになり日本でも関心が高まった。大豆ミートを使った料理を提供する外食店が現れ、レトルト食品などが販売されるようになり〝プラントベースフード〟はすでに身近なものになろうとしている。食品メーカーの食品開発も進み、植物性の食材や体にやさしい素材にこだわった食事やデザート、ドリンクなどが次々に発売されている。
こうした積極的に植物性の食品を食べようとする動きは、今後、外食店でも大いに展開されるだろう。今回はそれを先取りしようと、植物性の素材を使った〝プラントベース〟な野菜のブリュレに挑戦してみた。
「ル・カンテンウルトラ」がプラントベースなデザートの鍵を握る
まず、野菜のブリュレづくりの軸になる植物性の素材をご紹介しよう。
寒天の「ル・カンテンウルトラ」だ。「ル・カンテンウルトラ」には従来の寒天が持つサクッとした崩壊感はなく、しっとりとなめらかな食感を持つ。このやわらかな食感であらゆるメニューを固めるのだ。この寒天がなければ〝プラントベース〟なブリュレはできない。
それから、生クリーム、牛乳の代わりには豆乳、アーモンドミルク、オーツミルクを使う。
豆乳は〝ソイラテ〟など牛乳の代わりに使われているが、アーモンドミルク、オーツミルクも第三のミルクとして注目されている。
野菜はかぼちゃ、ひよこ豆、枝豆など、火を通しミキサーにかけて裏漉ししペーストにして使う。
植物性のブリュレのおいしさは軽やかさにある
それでは1つ目のブリュレをご紹介しよう。〝かぼちゃのブリュレ〟である。
かぼちゃのペースト50g、アーモンドミルク150ml、ココナッツミルク10g、砂糖10g、はちみつ4g、「ル・カンテンウルトラ」2g(全体量の約1%を目安にして食感を調整する)、バニラエッセンスを少々加えよく混ぜ80℃以上に加熱させ、これを器に流してサワーチェリーを置いて冷やし固めた。食べる直前にカソナードをふりバーナーで焦がす。
動物性のような濃厚感はないが、焼けたカソナードとかぼちゃのやさしい味わいがとても素直に感じられる。植物性のブリュレのおいしさはこの軽やかさにあると思う。
野菜そのものが楽しめるプラントベースなブリュレができた
次は、〝ひよこ豆のブリュレ〟である。
ひよこ豆のペースト60g、調整豆乳140ml、ココナッツミルク5g、砂糖15g、メープルシロップ5g、「ル・カンテンウルトラ」2g(全体量の約1%を目安にして食感を調整する)、バニラエッセンス少々を混ぜ合わせ、これを80℃以上に加熱させてリンゴのプレザーブと一緒に器に流して冷やし固めた。
砂糖を加えるとひよこ豆のペーストはまるで栗と間違えるような味になり、甘酸っぱいリンゴとの相性がいい。豆乳は余計な甘さを持たないため、さっぱりとした組み合わせを楽しめる。
〝とうもろこしのブリュレ〟は、焼きとうもろこしの粒を〝焦がした=ブリュレ〟の要素として取り入れた。
クリームコーン100g、オーツミルク150ml、ココナッツミルク10g、砂糖10g、「ル・カンテンウルトラ」4g(全体量の約1.5%を目安にして食感を調整する)、バニラエッセンス少々を加えて混ぜ合わせ80℃以上に加熱し、これを器に流して冷やし固め、ホールコーンを醤油とみりんで炒め焦がし上に敷き詰めた。
ほんのりとした甘みとコクを持つオーツミルクがクリームコーンの旨みを持ち上げる感じがして、焦がしたとうもろこしは食感もおもしろい。まるでとうもろこしをまるごとブリュレにしたようだ。
今度はさつまいもをブリュレにしてみた。
濃いめの紅茶200ml、アーモンドミルク150ml、ココナッツミルク12g、砂糖20g、「ル・カンテンウルトラ」6g(全体量の約1.5%を目安に食感を調整する)を加えて混ぜ合わせ80℃以上に加熱し、これを紅茶と砂糖で煮ておいたさつまいもと一緒に冷やし固めた。
アーモンドミルクにはアーモンドの香ばしい風味があり、クセのないすっきりとした口あたりが紅茶で煮たさつまいもととても合う。
最後は〝枝豆のブリュレ〟だ。
枝豆のペースト100g、オーツミルク150ml、砂糖10g、「ル・カンテンウルトラ」2g(全体量の約0.8%を目安に食感を調整する)を混ぜ合わせ80℃以上に加熱させ、これを器に流し冷やし固めた。
カソナードでキャラメリゼして茹でた枝豆を飾りでのせた〝ずんだブリュレ〟だ。ずんだ餡とは違うみずみずしい甘さが味わえる。
野菜そのものが楽しめるブリュレができたと思う。濃厚な生クリームたっぷりのブリュレはもちろんおいしいが、〝プラントベースフード〟の流れにのったメニューもいいと思うのだが、いかがだろうか。
(2022年6月30日発行「素材のちから」第45号掲載記事)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?