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ボイル海老をどれだけ知ってる?

文・撮影/長尾謙一 

・有頭ボイル海老
・有頭ボイル中むき海老
・カクテルシュリンプリング
・スチームボイル尾付むきえび
・スチームボイルむきえび
・ブラックタイガー寿司えび
・踊り〆頭肉付き寿司えび(バナメイ海老)
・巻き芯用ボイルえび
(素材のちから第39号より)

シュリンプレポート②

サラダやオードブルなどに海老を使う時、生の海老を加熱して仕込むのもいいが、なかなか手間がかかる。そのため解凍してすぐにメニューに組み込むことができる〝ボイル海老〟はとても便利だ。ところで〝ボイル海老〟は吟味して選んでいるだろうか? そして、私たちは〝ボイル海老〟をどれだけ知っているだろうか?

使いたい〝ボイル海老〟はこれだ!
ひとくちに〝ボイル海老〟といってもメニューに合わせてたくさんの種類があるのはご存じだろうか。海老をまるごとボイルした殻付きのものから、凍ったまま寿司に巻くだけの状態になったものまである。上手く使えば手間が省け、メニューが広がる。

仕込みの手間を一気に解消する〝ボイル海老〟のバリエーション

〝ボイル海老〟のクオリティ

ボイル海老の加工形態のバリエーションのお話の前に、ボイル海老の品質についてお話したい。さて、海老をボイルする工程だが、海老の殻をむいてからボイルするのと、殻付きのままボイルして殻をむくのとでは、どちらに海老の風味や色が残るだろうか。

これは殻付きボイルの方が断然おいしい。海老の旨みは殻と身の間に溜まっているため、むいてからボイルしたのではせっかくの海老のおいしさを全部水に流しているようなものだ。しかし、加工はむいたものをボイルする方が簡単だ。

さらに、むいた海老を保水してボイルするものもある。食感を調整するのと合わせて、むいた海老がボイルして縮む度合いを抑えて重量当たりのコストを下げるためだ。

〝ボイル海老〟を選ぶ場合、当然価格も優先されることになるだろうが、実際に試食してその赤い色と海老らしい旨みを確かめたい。すべてが同じ工程でつくられているとは限らないからだ。

用途に応じて揃うボイル海老のバリエーション

それではボイル海老のバリエーションを見てみよう。さまざまな用途に応じて解凍してそのまますぐに使えるように加工形態が工夫されていて、海老の仕込みの手間を一気に解消してくれる。

〝有頭ボイル〟は頭付きのままボイルしたもので、いかにも海老らしく存在感がある。〝有頭中むき〟はこれを食べやすくするために頭と尾を残して殻をむいたものだ。どちらも見栄えよく高級な弁当やクリスマスなどのオードブル、おせち料理、ギフトにも使われる。

〝尾付むき〟〝グルむき〟は、基本的にはサラダなどに幅広く使われる。しかし人手不足の折、経験のないスタッフが調理する場合、未加熱の生むき海老を使うことによるリスクを避けて加熱済の〝尾付むき〟〝グルむき〟を調理して使うケースも多い。

さらに〝寿司えび〟だ。名前の通り寿司に使われるが、寿司ネタに使われる品質の海老はもっと他のメニューにも使ってみたい。中でも〝頭肉付き〟は生きている海老を加工しないとつくれない品質なのだ。

さらに寿司の巻き芯まで用意されている。凍ったまま巻き込めばいいのだ。酢飯の温度で自然に解凍される。

ボイル海老のバリエーションをお分かりいただけただろうか。さらにサイズにもバリエーションがある。ボイル海老商品をご紹介したので、使いたいものをぜひ見つけていただきたい。

【適海老適所】 幅広い加工形態とサイズの中から使いやすい〝ボイル海老〟を選びたい。

●有頭ボイル海老
殻付きの存在感

海老を生きた状態で工場に持ち込み、ボイル後に素早く冷却して箱詰めして凍結。ライブ原料の鮮度感を大切にしている。このため色目は鮮やかな赤に発色して見栄えがいい。一尾のせるだけで海老の存在感がアピールできるのは殻付きならではだ。殻付き海老の旨みが味わえ、オードブルやおせち、高級弁当、懐石料理などの彩りには欠かせない。解凍後にそのまま使えるのでとても便利だ。

●有頭ボイル中むき海老
殻むき不要で手を汚さない

ボイル後に中むき加工をしてあり、食べる際に殻をむかなくてもいいため手を汚すことなく、そのまま美味しく食べられる。味噌は残して加工しており、リーズナブルな価格でコクのある海老の醍醐味が楽しめる。オードブルやおせち、高級弁当、懐石料理などの彩りに使われる。他にも、パスタ、海老チリ、パエリアなど、多様なメニューのトッピングとしても使用できる。

●カクテルシュリンプリング
ケータリングやパーティーに

新鮮な海老を殻付きのままスチームボイルして、素早く尾付むき処理することで旨み成分の流出を防止している。中身が見える洒落た円形トレイに綺麗に並べてパッキングされているので、解凍してトレイのまま提供でき、盛り付ける手間も省ける。カクテルソースやレモンなどを添えれば見映えもよく豪華な前菜として提供できる。手間いらずでパーティーには即戦力として強力なアイテムだ。

●スチームボイル尾付むきえび
食べやすさと海老の存在感をアピール

鮮度のいい原料を水漬けせずに工場に運び、殻付きのままスチームボイルして尾付むき処理をしている。このため海老の旨みが流出せず、発色も濃く紅色が鮮やかだ。バラ凍結のため、必要な量だけ解凍してすぐに使用できて使いやすい。塩のみの味付けで、海老本来の旨みや甘みが楽しめる。

●スチームボイルむきえび
食べやすく使いやすいオールラウンダー

鮮度のいい原料を水漬けせずに工場に運び、殻付きのままスチームボイルしてグルむき処理をしている。このため海老の旨みが流出せず、海老本来の味わいが楽しめる。発色も濃く紅色が鮮やかだ。バラ凍結のため、必要な量だけ解凍してそのままサラダなどのトッピング、オードブルやおつまみにすぐに使用できる。便利なオールラウンダーだ。

●ブラックタイガー寿司えび
本当においしい寿司えび

粗放養殖したブラックタイガー海老を原料に使用することで、集約養殖のものより比較的色が濃い(赤い)のが特長だ。またブラックタイガー海老特有のしっかりとした食感と身の厚みにより食べごたえのある寿司えびになっている上に、塩以外の調味料は使用していないので海老本来の味が味わえる。用途に合わせてサイズも豊富だ。

●踊り〆頭肉付き寿司えび(バナメイ海老)
生きた海老を加工した寿司えび

高級寿司店が自家でつくる寿司えびと同じように「頭肉」を付けたまま残している。生きた原料を使わなければ頭肉付き寿司えびはつくれないため、頭肉付きは鮮度がいい証でもある。塩以外の調味料は使用していないので海老本来の味が味わえる。高級寿司店の寿司えびに勝るとも劣らない品質で、サイズも5ミリ単位で取り揃えられている。

●巻き芯用ボイルえび
冷凍のまま巻くだけ

巻き寿司用に特化した形状の寿司えび。えびの尾を取り除き、巻き寿司の幅に合う長さに一列に並べて成形してある。シートで区切られているので、一本ずつ凍ったまま取り出して使える。太巻きをつくる時には一度に複数の具材を巻くため、シャリの上に具材を並べるのにも手間がかかるが「巻き芯用ボイルえび」は凍ったまま巻けるため使い勝手がいい。


協力/お問い合わせ:株式会社ノースイ

(2020年11月30日発行「素材のちから」第39号掲載記事)

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