見出し画像

第2回 演劇無料塾#26 -それぞれの人生へ-

2022/7/16。  第二回 演劇無料塾は最終回を迎えた。



終わりではなく通過点。


最後の記録と感謝を。


舞台上で自由に動いている様子を見て、今までのワークが生かされているのがわかる。

たっきーが出てきた瞬間に涙が。(早すぎ!!!)


自分を殺した過去、いい子でいなきゃいけない思い込み、辛くないふり、家族、憧れ、10年前に翳した狂気、叶わなかった夢、怒り。

8つの作品に人生が重なる。魂が震える。嬉しさと寂しさで、何が何だかわからない。撮る使命がなければ危なかった。

舞台裏。さりげなく撮ってくれてた。
photo byきゅー📸


久しぶりに続いた雨。いつもなら気圧で少しテンション低い雰囲気もあったけど、それどころではないくらいの楽しさで溢れていた。



アップがストレッチではなく、皆と交流を持つ形になってたのは良かったなぁ。
この期間中に学んだこと。自然とできるようになってる。



演劇無料塾 集大成 -モノローグ集「穴」より 作:渋谷悠-

たっきー 「久保さんの人生が変わった日」

文字で読んでも泣ける。
過去に似た言葉を聞いたから。

あなたは、負けるために生まれてきたわけじゃない。


「あなたは、我慢するために生まれてきたわけじゃない」

耳で聞こえた言葉と頭で理解した言葉は違った。


他人にここまでできる人は、どれくらいいるだろう。
自分のことのように喜べる人は、一人くらいいる。


なんて思ってたら、この10人は言いたいことを言えるチームでした。(対話だいじ!)





みかし「作り話

最後の一言の直後、余韻にグッと引き込まれる。謎が残る。


怒りを腹の中で抱えながら外には出さないのがチャレンジだった。ガッツリ出せるから、淡々とやってみる。

クラウンの時から、堂々と立ててる姿が印象的だった。
強い雰囲気を持ちながら、実は人見知りなんだとか。
チャーミングな一面が出始めてからガラッと変わった。




きゅー「勧誘」


比べるとね、きついからね。でも比べちゃうし難しいよね。
みんな、どこかしら比べてたかもね。
私も。

気づけてよかったね。


けんしん「逸郎さん


明転。ゆっくり目を開ける。逸郎さんを、家族として認めた瞬間なのかもしれない。

お客さんを一人一人見る動きは、じっくりと今を味わっていた。あれ、ゲネでやってたっけ?

本番で初めて観た気がする。

身体の癖、うまく使えてた!

からやん「ホストの説教


もっと反応をとらえられるなぁ、と言いつつも満足げだったので良い。
反省ばかりにならないだけで、もう充分。


これ、すごく嬉しいよ!
ほとんどモノローグみたいな最終回だけど、大丈夫かい?笑


うとちゃん「メリーゴーラウンド


Tシャツ、よく見ると遊び心。

「よっぽどなことがない限り、手首なんか切ったりしないからね」

読んだ時から、これを俳優が演じているのを見たら過去を思い出す予感がしてたら予想通り。照明もいい効果。反則。(褒めてる)

あと10年後くらいが楽しみだね。



よっしー「好き


この言葉には昔から弱い。3月で自覚、聞くと思い出す。

普通に言われると「ありがとう」と言えるようになったけど、作品や舞台上にいると途端に理性が吹っ飛んで身体が反応する。

愛されてよかったね。「指、咥えるといいね」本番で念願のシーンが見れてよかった!


みーちゃん「強制朗読事件



穴を開けないかヒヤヒヤした...(メンバーしか知らない事情)

セリフぶっ飛んだゲネプロ、セリフ忘れるといいね〜、と話してたらまさかの現実になって爆笑。

自然だったから、セリフ忘れたなんて初見の人は思わなかったかもね。




お客さんからのQ&A、それぞれの振り返りタイム。


一番後ろで、皆の勇姿を目に刻んだ。


-呟き-

最高の100時間だった。しっかり立てていて、遊べていた。
成長を見てきたからわかる。
10人は間違いなく変わっている。

ここはあくまでも通過点。新たな始まり。
それぞれに想いを抱えて集まり、演劇に救われた。
忍翔さんも。

みんなが空気を作って、いつも笑いがある稽古場。
後半は稽古前に常にふざけてて、ストレッチよりいいアップになってた。


嬉しさは早くも3回目を迎える頃に楽しさより上回った。


そうか、保護者目線だったのかもしれない。今もそうだし、これからも変わらない気がする。


イマココ、を生き続けた100時間。

最高の自分になろう、と顔合わせで忍翔さんが言っていた。


本当は
自分はもうすでに最高だと気づいていく時間
だったんじゃないか。

100時間を終え、ふと想う。



必要なものはある。もう充分。
ないとしたら、出せていないだけ。



最後の振り返り。最初と変わらず、忍翔さんは一人一人聞いてくれた。


-無料塾で意識していたこと-



①視点

せっかくいただいた場所。ただ撮るだけではもったいない。

何かを持って帰りたい。「私だったら何と言うだろう?」と脳内で遊んでみよう。ひょっとしたら、100時間が終わる頃には一致する部分があるかもしれない。

想像はタダだし気づかれない。

なんて思って過ごしてみたら、方法はわからないけど「この個性生かすには...」の見方ができたのはよかった。
これからも役に立つし、できる前提で人を見れる。

できると教えてもらったし、見せてもらったから。

忍翔さんが意識してきたこと、この動画にまとめられているのでぜひ。


②撮る、書く、考える


毎回70枚程度撮れた。選定、悩んだなぁ。



私が撮ったものが誰かに観られる。最初は「ちゃんとやらなきゃ」と思ってた。(ちゃんとって何?)
でも撮るのが当たり前になって、だんだん「今から忍翔さんが私の撮りたいことを言うだろうな...」と予想し撮れるようになった。

皆の感想とかメモしたけど最初らへん撮れてない気がする...
不安になってきたけど手放す!




①忍翔さんのスマホで動画
②自分のスマホで写真
③記事用にメモ
④自分だったらどう言う?の想像。
⑤忍翔さんの脳内分析

多分、やってほしいと言われたら辛かった。私に課せられたのは①だけ。あとは好きでやってきたこと。
全部やったことがなくて、でも楽しくて。情熱大陸とセブンルールが好きなおかげ。色んなメイキングやNG集、中学生から観ててよかった。


手書きメモたちの一部。
ノート1.5冊ぶんのメモたちが、この100時間を物語る。
この記事も誰かに見られる...と意識していたけど、一番最初の読者は自分だからと私が一番楽しめるものを書いてきた。
(今回の分量は予想外)

何が不安だったのか。どんなことに気づいたのか。
懐かしい。




【編集後記】


温かさが溢れている。

ありがとう。


頭の中の声が温かい。こんなに幸せでいいんだろうか。

幸せでいい。

どれだけの言葉を尽くしても足りない感謝。
それでも、書かずにはいられない。




演劇との関わりが観客以外にもあるはず、とモヤモヤしながら俳優になりたいと言い続けた。
踏み出せずに10年経った。
2020年、迷うのに疲れてボロボロになった。
もう追いかけるのはやめよう。疲れた。
わからない。辛い。



それでも大好きな俳優だけを追いかけ続け、彼がたった一人で本多劇場に立った日。


彼の作品を、私の身体を通じてあの詩に投影したら
この主催者はどう思うんだろう?


ふとそんなワクワクが芽生えた。どうせ落ちる。やるだけタダ。そんな不純な動機だった。


偶然出会った私たち。
いや、必然だったのかも。今年でなければいけなかった。
2022年だから出会えた。


6月。忍翔さんが精神的に辛い期間になっていることを話してくれた。

ちょうど私も不安でたまらなくて、でも頼りすぎな自覚があったから自分と向き合った。

私も一人になる必要があった。




「もうできるから、今は一人で動いてきていいよ」



そう言われたような気がした。

今まで書いてきた記事を見返す。
出会いを作ってくれた人と、友人と話す。
そして、演技未経験の人とインプロをやる。



瞳が輝き出す。これが見たい!!



思えば、皆がクラウンで輝き出した時も同じだった。


そうか、私は演劇を使って人が輝いていく
瞬間が見たいんだ!



唐突に理解する。

とりあえず、ここで得たことをシェアする会を開いてます。(参加者絶賛募集中!)
そして、俳優としてもたぶん生きていく。

俳優たちと一緒に作品を楽しむ感覚を知ったから。


-2022年、上半期の出会い-


・素敵、を教えてくれたともちゃん

・2月、忍翔さんを教えてくれたもりじゅん

・応募してみたら?と言ってくれたミントさん。

・応募への決定打、「鶴かもしれない2022」 小沢道成さん。

・クラファン達成。協力してくれた方々。

・主宰の忍翔さん


全て必要な出来事。 
まだ信じられない。夢だったんじゃないか。
この記録が、記憶が、現実だと証明している。


始まりがあれば終わりがある。何度も繰り返してきたのに、未だに慣れない。
これからもそう。

引き裂かれそうな寂しさと、先へ進める嬉しさを抱えて歩んでいく。



関わってくれた全ての方々へ。感謝をこめて。


逆サプライズ。ありがとう!


-10年前の自分へ-


中学生。後輩に最初に言った言葉。


「私の言うことは絶対じゃない。
一旦やってみて、合わなかったら捨てていいからね。」


10年後、全く同じ言葉を聞く。

全然思い出さなかった言葉。
そこからは長い。苦しい。全く思い通りになんかならない。多くの人とすれ違う。


その期間は全部必要。とにかく書けばいい。
怒り、虚しさ、嬉しさ。全て言葉にし続ければいい。


26歳になる直前に一つ夢が叶って、新しい夢も広がる。


その時、導く人は人生を変えてくれる。たくさんの場所に連れて行ってくれて、自由に泳がせてくれる。

私にはすでに価値があって、星の数だけ可能性があると教えてくれる。
だから今、許せない自分がいてもいい。完璧には癒えないけど、周りにいる人は変わる。望んでた道に出る。



全てが伏線。いつか見た言葉も。ただ、忘れていただけ。

8年前から自分の中に眠ってた。ふと遡ったときに見つける。出会うべき言葉だった。




偶然、無料塾に応募した日付と同じだった。これもまた、何かの運命なのかもしれない。


言葉が、演劇が、人生を変える。



心だけは追いかけていていい。

今は新しい怖さもあるけど、同時に希望でもある。
本当の自分が望む人生の入り口が見つかる。

少し先で待ってるから。また会おう。



-第二回  演劇無料塾を支えてくれた皆様へ-

クラウドファンディングにご協力いただいた皆様、ベーシックインカムシネマズ様(編集など引き続きよろしくお願いします!)、記事を読んでくれた皆様。


本当に多くの方に支えられて、この企画は終えることができました。ありがとうございます!!

皆様のご支援がなければ、ドキュメンタリーとして成立しなければ、私たちは出会うことはありませんでした。

私の人生が変わり始める時期はもっと遅かったはずです。

忍翔さんが支援者の皆様を紹介していたツイートを時々読み、悩める日々の癒しになっていました。


心の中で応援している方々などを合わせると数字以上の支援。
どんな言葉でも言い尽くせない感謝でいっぱいです。


無料塾がなければ誰かについて書く喜びに気づくことはありませんでした。
8名のメンバーと、忍翔さんの過程を追いかけることができて本当に幸せでした。

忍翔さんはとても素敵な方なのだと知りました。


#演劇無料塾 で感想をいただけると嬉しいです。読みに行きます!!!

クラウドファンディングのリターンで選んでいただいた皆様には、ドキュメンタリーが後日届けられます。
私が撮っているので不安ですが、編集していただけるので温かい目で観ていただけると嬉しいです。
(メンバーが撮ったシーンも使われるといいなぁ...)

動画でしか伝わらない時間がたくさんあります。余韻をお楽しみください!!



-カラヤン、けんしん、タッキー、うとちゃん、みーちゃん、キューちゃん、みかし、よっしーへ-

とても眩しい存在だった。だんだん自分を出せるようになっていくにつれ、私もすごく嬉しかった。

私の人生が変わっていて、忍翔さんのアシスタントになれたのは真剣に楽しくこの時間を過ごせていたから。

たくさん気づいてトライして、恐れを何度も手放して、輝く姿が見れたから。

私も影響を受け続けた。進んでいける。
お互いに素敵な人生になりますように。

本当にありがとうー!! ✈️GOOD LUCK!!✈️


-忍翔さんへ-


改めて、第二回の開催と指導をありがとうございました!

応募した頃にはお会いしたこともなかったので、すごく不思議な感覚です。
ここまで連れてきていただいて感謝です。誰にも見られていなかった言葉たちが多くの方々に読まれ、新しい出会いを連れてきています。

使う言葉も人生も変わっていて幸せです。



   「自由に書いて、撮っていいよ」



誰かの過程を書く嬉しさも知りました。新たな気づきでした。本当はずっと昔から持っていたけれど、求められたことはありませんでした。
noteを読み、アシスタントとして呼んでいただいてありがとうございます!

忍翔さんが素晴らしい方々と出会い、使う言葉はどれも素敵なものばかりです。
私も影響されています。
忍翔さんの周りには魅力的な方々がいて、私も繋がれたことが嬉しいです!
そして、アシスタントの提案を受け入れてくれてありがとうございます!



演劇に観客としてしか関われない、と嘆き諦めていた10年が報われています。

何も持っていない、と思っていましたが私もすでに持っていたんですね。


これからも身体を先に、能動的に動き続けます。

100時間、ありがとうございました!!!


-終わりに-


長い文章、ここまで読んでいたただいてありがとうございます。
人生の途中で出会った10人の記録です。
同時に、演劇を一度諦めた人間が呼び戻されていく記録でもあります。
ずっと関わりたかった世界に戻ってきました。

このメンバーにどこかで会ったら声をかけてくれると嬉しいです。励みになるはずです。


改めて、この企画に関わり応援していただいた全ての皆様へ。
ありがとうございました!!!


第二回   演劇無料塾 アシスタント&記録担当
中島 早紀


最終回、入りきれなかった写真はこちら!!




書くことしかできなかった。

書き続けた言葉たちは誰も見ない。
見ている人なんかいない。
10年前からずっとそうだった。


書くことできる。 

今は、そう思う。

サポートしていただたら光栄です。いただいたサポートは、これからの記事探しの費用として使わせていただきます! 一緒に、文字の旅へ出かけませんか?