short story series『と、私も前々から考えていた』コインランドリー case04

作・渡邉大

今日は雨が降っている。せっかくの土曜日で仕事もないのに。

休日ぐらい快晴で気分良く居たいのになぁ。

部屋干しは和樹さんが好きじゃないから洗濯物も干せないしコインランドリーに来た。

一週間分あるから洗濯物の量もなかなかのものになってる。

全部入れたらスイッチを押す。

ぐるぐると回り始めた。しばらくかかるかな。

私の他には誰もいない。最近は私みたいな兼業主婦のお客さんとか増えたってどっかで聞いたんだけどなあ。

一人でぼーっとしてる。この待ち時間ってホント暇だなぁ。

部屋の中で、私が使ってる洗濯機だけが動いている。

…何というか残業してる人を見てる気分。

そう見てるとコインランドリーが会社みたいに見えてきちゃった。あの大きめな洗濯機が部長とかそんな感じで。

そうなったらこの残業してるのがわたしかな…。

毎日、毎日、ぐるぐる同じ仕事して、しまいには残業か…。

あぁ、ちょっと落ち込んじゃった。

なんか最近仕事ばっかでいい事ないな…。

ん〜!

いや、今の私に役に立ってるみたいに、残業で誰かの役に立ってるならいいかな!うん、何というか、

頑張れ私!

2018年11月29日

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