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28企業が出展、3400名が参加! シェアサミット責任者が語る オンラインカンファレンスの課題と可能性とは?

「3密」が今年の流行語大賞を受賞しましたが、「3密回避」のために大規模なイベントの開催は難しくなっている今、ビジネスカンファレンスや展示会もオンライン化が急速に進んでいます。

シェアリングエコノミーに関する日本最大のビジネスカンファレンス「シェアサミット」は、今年が第5回で、初のオンライン開催。

「シェアサミット2020」統括ディレクターの積田さんは、「ビジネスカンファレンスでは、参加者とスポンサーの両方に満足して頂く必要がある。オンライン化してそれが実現できるのか、が一番の挑戦だった」と語ります。

今回は、2020年11月に開催された「シェアサミット2020」開催の裏側を焦点に当てながら「ビジネスカンファレンスのオンライン化への挑戦」について、シェアリングエコノミー協会事務局の積田さんにお話を伺いました。

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(上:シェアリングエコノミー協会事務局 積田さん、左:スペースマーケット 堀田、右:スペースマーケット 石井)


社会状況とシェアリングエコノミーとの接点としての「シェアサミット」

----積田さんは、普段シェアリングエコノミー協会でどのような仕事をされていますか?

シェアリングエコノミー協会は、シェアリングエコノミー業界における各シェアサービスの普及、業界の健全な発展を目的とした業界団体です。

僕自身、シェアリングエコノミー協会事務局には、2016年の設立当初からお手伝いをしています。具体的には、政府の成長戦略にも掲げられている自治体の課題をシェアリングエコノミーで解決する「シェアリングシティ」の責任者をしています。

「シェアリングシティ」は自治体が抱える課題をシェアリングエコノミーで解決する、公助を共助で補完する取り組みです。自治体とシェアリング事業者の橋渡し役、と言ってもいいかもしれません。

「シェアリングエコノミーと社会との接点づくり」の活動の一環として、シェアリングエコノミー協会が年1回開催する官民あげてのシェアリングエコノミーの国内最大のカンファレンスである「シェアサミット2020」の責任者もやらせていただいています。

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(シェアサミット2020 平井卓也 大臣 登壇の様子)

----「シェアサミット」は今回で5回目なんですね。「シェアサミット」はそもそもどういった目的で開催されているんですか?

「シェアサミット」は、シェアリングエコノミーに関する日本最大のビジネスカンファレンスです。社会状況とシェアリングエコノミーの接点として、時流や社会状況に合わせてビジョンを語る場として2016年から始まりました。

もともとは日本ではシェアリングエコノミーという考え方自体が新しい概念だったので、「そもそもシェアリングエコノミーとは」を伝えていくことが目的でした。この数年で流れも大きく変わり、最近ではより深く「シェアリングエコノミーを活用していかに課題解決するか」を議論する場としての役割になってきています。

昨年は虎ノ門ヒルズで開催し、1300名以上の方々に来場いただきました。

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(昨年のシェアサミット2019の様子)

----今回の「シェアサミット2020」の概要を教えてください。

第5回となる今回のテーマは、「Co-Society 〜分断を乗り越えて、共生による持続可能な社会を創る〜」です。

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(シェアサミット2020の開催コンセプト)

2019年は「Co-Economy(経済)」がテーマでしたが、今年はそこからさらに継続的な発展として「Co-Society(社会)」をテーマとさせていただきました。

「シェアサミット」は社会状況とシェアエコの現状をとらまえて一歩先のビジョンを考える場です。これから2020年以降の10年は、確実にSDGsが大原則として重要なのは間違いありません。

コロナウイルスのパンデミックと言う世界的危機が始まり、改めてサミットを開催すべきか、開催するとしたらテーマはどうあるべきか迷いがあった中で、「世界中で国と国、人と人の分断が顕在化している今こそ、分断を乗り越えるためにシェアリングエコノミーにできることを世に問いかけたい」という想いから、テーマに “分断を乗り越えて、共生による持続可能な社会を創る” というメッセージを添え、ポストコロナの社会でシェアリングエコノミーが果たすべき役割を議論する場としようと決めました。


「オンライン」だからこそ発揮できた価値

----今回は、初のオンライン開催だったんですね?実際にやってみて、いかがでしたか?

そうですね、最終的にオンライン開催を決めたのは開催3ヶ月前くらいでしたね。オンラインイベントプラットフォームには「イベントハブ」を活用しました。トークセッションや企業紹介、勉強会、サービス体験会などさまざまなオンラインブースを展開しました。シェアリングエコノミー事業者を始め、金融、保険、証券、通信、メーカーなど28の企業・団体が出展していただきました。

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(イベントハブでのオンライン配信の様子)

改めて振り返って考えてみると今の協会のフェーズとしてオンライン開催は非常にフィットしていたな、と感じています。

今年は、協会の関西支部と九州支部を立ち上げたんです。なので、地方の方々でも参加できる、という点ではオンラインの強さを発揮できたと思います。実際に参加者の分布を見ていても、例年に比べて地方からの参加が非常に多かったです。

これまでは東京でのリアル開催のみだったので、来たくても来られない人が多かったことを考えると、オンライン化は革新的だったなと。

なので、来年以降、リアル開催のみに戻るかというと、それはない気がしています。リアルとオンラインのハイブリッド開催の可能性も模索していきたいですね。


オンラインイベントにおけるスポンサーシップのあり方


----逆に、オンライン開催で難しかった点はありますか?

「スポンサーの方々の満足度をどう上げるか」が一番の悩みどころでした。

これまで開催してきて、多くのスポンサー企業に協賛していただいたのですが、スポンサー企業に提供できる価値として一番大きいのは「来場者とのマッチング・接点づくり」だったんですよね。

リアルイベントだとセレンディピティのある出会いを生むことができるのですが、オンラインだとそれがどうしても難しい。

イベントハブの交流機能を活用した部分ももちろんありますが、リアルと比較するとやはり劣る部分もあるので、来年以降さらに工夫したいところですね。

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(シェアサミット2020スポンサー企業一覧)

ただ、逆に「オンラインだからこそスポンサーに提供できた価値」もありました。目が集まりやすい画面上へのロゴの掲出はもちろん、スポンサードセッションの視聴データが提供できたことはオンラインならではの強みだったと思います。

オンライン配信だと、最大同時接続数や配信時間内の視聴者数の推移など、リアルイベントだとわからない数値を取得することができます。スポンサードセッションを見た人のうち、どれくらいが興味をもってどれくらいが離脱したか、といったデータを提供できたのはオンラインならではの付加価値ですよね。

このあたりの知見は、過去にカンファレンスやビジネスイベントを多く手がけているスペースマーケットのイベントプロデュースチームと一緒にできてすごく良かったなと感じる部分でした。


----ありがとうございます!参加者の方々からの反応はいかがでしたか?

ありがたいことに良い反響を多数頂いています。「オンラインだったので地方からでも参加できた」「こんなに豪華登壇陣のセッションを無料で見られるのてすごくよかった」などたくさんの声をいただきました。

実は、今回「あと値決め」という新しい取り組みを行っているんです。「オンラインライブ配信への参加は基本無料で、満足度に応じて後から投げ銭のようなイメージでご自身で値段を決めてもしよければお支払いください」という。

この「あと値決め」で想定以上にお支払いいただいて、事務局一同驚いています。すごくありがたいですね。


リアルとオンラインの「いいとこ取り」ハイブリッド型イベントの未来

----初めてのオンライン化に対して、いろいろな新しいチャレンジをされていたんですね!「シェアサミット」の今後の展望を教えてください。

今回の「シェアサミット」を通じて、今まで以上に “持続可能な社会を作らなければならない。” というような根源的な課題意識と共に、つながりや共助の仕組みでもある『シェアリングエコノミーだからこそ出来ることがある』と改めて感じました。

これからもシェアリングエコノミーを通じて一歩先の社会について語り合う機会を提供していきたい。その意味で、「新しいイベントのあり方」にも挑戦していきたいなと思います。

セレンディピティを生むリアルの良さと、地域や時間の制約をクリアできるオンラインの良さをうまく融合したハイブリッド型のイベントも検討していきたいです。

ハイブリッド型の場合、リアルの会場に加えて配信設備が必要になるので、単純にコストがその分かかってしまいます。オペレーションも複雑化します。新しいスポンサーシップのメニュー開発なども含めて、そのあたりの課題をクリアしていく必要がありますね。


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カンファレンスや展示会をオンライン化、さらにはリアルとのハイブリッド化するために、イベント開催や運営だけでなく、そのためのコンテンツ企画やスポンサー商品企画など、さまざまな観点で新しい取り組みをされている事例をご紹介しました。

スペースマーケットでは、今回シェアリングエコノミー協会さんと実施したような「番組型ウェビナー」「オンラインカンファレンス」の開催支援サービスを提供しております。これまでスペースマーケットで実施してきた数十のオンラインイベントのナレッジを活用して、成果に繋がるオンラインイベントを実現します。

2020年内限定の特別プランもご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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他の会社さんがどのように進められているかなどご興味がある方もいらっしゃると思います。(大人の事情でここには載せることの出来ない)サポート事例も多々ございますので、お気軽にお問い合わせください。

ピンチをチャンスに。オンラインイベント・ライブ配信にチャレンジしたいと考えている方を全力でサポートします。ご相談お待ちしております。