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90年代シティポップ 個人的ベスト20

今夏に公開された「lightmellowbu presents 90年代シティポップ 名曲ランキング best50」は、各人がベスト20を持ち寄り、それを集計して決められました。というわけでここでは私が選んだベスト20を特に前置きも無しに発表したいと思います。いつかやろうと思っていたらこんなタイミングになってしまいました。陳謝!

 20位 稲垣潤一「LÁBIOS」(1997) (作詞:康珍化 作曲:山口未央子 編曲:ゴンザレス鈴木・トシ松本)

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稲垣潤一の90年代最高傑作は『-V.O.Z.-』であると前々から言っていますが、今でもそう思っています。「LÁBIOS」はとりわけメロウなミディアムで彼のウェットボイスも映える一曲。完全に余談ですが、稲垣潤一のオリジナルの楽曲のうち康珍化が作詞をしたのはこの曲だけのはずです。

 19位 高野寛&田島貴男「Winter’s Tale〜冬物語〜」(1992) (作詞:高野寛 作曲:田島貴男 編曲:田島貴男&高野寛)

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田島貴男&高野寛という夢のようなコンビ。二人の天才が組んだらそりゃ名曲が出来るよね、ということです。元はビール「サッポロ 冬物語」のCMソングですが、このCMソングがまた名曲揃いでもあります。シングルB面の「Affair」も危険な香りがするボサノバでオススメです。お茶目なジャケも含めて◎。

 18位 山本達彦「貿易風」(1994) (作詞:吉元由美 作曲:岸正之 編曲:椎名和夫)

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「シティポップ =リゾート」という単純な考えでこの曲を選びました。だって、90年代に入るとこの手のリゾート感覚にあふれた曲もめっきり減ってしまうんですもの。しかも歌っているのはあの山本達彦。こりゃ聴けば一発でやられますね、ええ。この曲が収録されている『Trade Wind』は発売されてすぐに廃盤になったとかいう曰く付きの一枚でもあります。

17位 SECRET CRUISE「Bitter Sweet」(1994) (作詞・作曲:高橋一路 編曲:鳥山雄司)

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ザ・シャムロックの高橋一路のソロユニットがこのSECRET CRUISEです。ザ・シャムロックの後期もAORに傾倒した内容でしたが、ソロになってからはさらにそれを推し進めた形になり、90年代シティポップの名盤というに相応しいアルバムを作り上げました。夜の高速道路をひとり当てもなく彷徨うようなメロウ・グルーヴは鳥山雄司の仕業。

 16位 安部恭弘「Fall In Love」(1995) (作詞:松井五郎 作曲:安部恭弘 編曲:安部恭弘・CLAUDE GAUDETTE)

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いつでも「Mr.City Pop」(by 杉真理)な安部恭弘が95年に発表した名バラード。彼自身にとっても会心の出来だったらしく、実際にアルバム一曲目に持ってきていることからも自信のほどが伺えます。この曲と「トパーズ色の月」は安部恭弘の傑作バラードの二大巨塔だと勝手に思っとります。あとはここら辺のアルバムの再発を是非とも!

 15位 池田聡「いつか」(1992) (作詞・作曲:池田聡 編曲:小西康陽)

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アルバム『至上の愛』は小西康陽プロデュースで、田島貴男や米川英之、そしてあのムッシュまでもが参加した傑作です。その中でも「いつか」は、イントロでまず心を掴み、どこかアンニュイなグルーヴがこちらの手を取りグイグイ引っ張っていくキラーチューン。野宮真貴のコーラスも楽曲に華を添えます。

 14位 小川博史「ハイウェイ ドライバー」(1992) (作詞:川村真澄 作曲:小川博史 編曲:中村哲)

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90年代の日本の音楽シーンに颯爽と現れた和製クリストファー・クロス(声質的な意味で)による最高のドライブソング。物静かなメロから一気に盛り上がるサビへの流れがいつ聴いても痺れます。歌詞自体は別離を示唆する悲しげなものだったり。小川博史はこの後織川ヒロタカに改名し、アルバムも一枚出しています。

 13位 frasco「風に乗って〜breeze〜」(1996) (作詞:政野早希子 作曲:鳴海寛 編曲:多田牧男・鳴海寛)

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鳴海寛、多田牧男、政野早希子の3人からなるユニット・frascoが薫風にのせてこちらへと届けてくれたブリージンな一曲。哀愁たっぷりのメロディがこれまたたまりません。鳴海寛のギタープレイにも要注目です。政野早希子にはソロアルバムも存在します。

 12位 川村康一「Funny」(1990) (作詞・作曲:川村康一 編曲:岩崎文紀)

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90年代のシティポップ を話題にする時、個人的にこの人は外せません。角松敏生、オメガトライブの系譜に連なるシンガーソングライターの2ndアルバムからとびきりダンサブルな一曲になります。想像上の南の島で踊りまくりましょう。

 11位 Selfish「自由になって」(1993) (作詞・作曲:大坪直樹 編曲:大坪直樹・船山基紀)

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ドラム・ボーカル・トランペットという変わった編成のバンド・Selfishのデビューソング。イントロ最高!歌声最高!サビ最高!同アルバムに収められている「PEAK」もライトメロウ的に美味しいのですが、個人的な思い入れでこちらになりました。この後Selfishはファンク色が強まります。

 10位 Platinum900「眩しいフォトグラフ」( 1999) (作詞:坂田直子 作曲:西村一彦 編曲:飯星裕史)

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あまりにも眩しすぎる彼らのあまりにも眩しすぎる一曲。彼らの楽曲の中でもAOR指数高めで、サビでは遊び心も忘れません。トゥルトゥルルトゥットゥットゥー。シングルも網羅したコンプリート仕様での再発をいつまでも待ち続けます。

 9位 崎谷健次郎「Melody」(1990) (作詞:松井五郎 作曲:崎谷健次郎 編曲:武部聡志・崎谷健次郎)

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最近は和ブギーの方面でも再評価著しい崎谷健次郎ですが、そんな彼のメロウサイドを代表するのがこの「Melody」なのではないかと思います。イントロから「おわっ、マーヴィン・ゲイ!」と驚くこと必至です。この曲をアルバムの一曲目に持ってくるなんて…ずるい。

 8位 有賀啓雄「RAIN DOLPHIN」(1992) (作詞・作曲・編曲:有賀啓雄)

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山下達郎の後押しもあってソロデビューした才人による出色のレインソング。フィラデルフィアサウンドの中を泳ぐイルカたちのなんと優美なことでしょうか。青山純のドラミングにもついつい耳が傾いてしまいます。稲垣潤一に負けず劣らずのウェットボイスも聴きどころです。

 7位 赤松英弘「Merry you」(1995) (作詞:赤松英弘・滝本順市 作曲:赤松英弘 編曲:遠山無門)

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このアルバムを聴くたびに「95年にこんなにシティポップ全開のアルバムをよく作れたなあ」と感嘆せずにはいられません。「Merry you」はLightmellowシリーズのコンピレーションアルバムにも収録されたことのあるAOR色の強いクリスマスソング。何回聴いても素晴らしいです。

 6位 具島直子「Candy」(1996) (作詞・作曲:具島直子 編曲:桐ヶ谷”Bobby”俊博)

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※ブログ上でレビューしたので割愛します

 5位 小田育宏「save up your love」(1992) (作詞:羽真部・小田育宏 作曲:小田育宏 編曲:佐藤準)

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J-AORとして見ても完成度がずば抜けて高いアルバム。どの曲も良いんですが、「一曲選べ」と言われたら迷いなく「save up your love」を挙げます。メロディとアレンジが穏やかな海を演出し、小田育宏のリラックスした歌声も心地よい名曲。デビューした時には30近かったらしく、本当に遅れてやって来た印象の強い人でもあります。

 4位 村井博「夏の隠れ家〜Weekend Resort〜」(1990) (作詞:森浩美 作曲:羽場仁志 編曲:GREG MATHIESON)

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ランキングで1位に輝いた曲ですが、それも納得の極上リゾート・ミディアム。イントロのトランペットに絡むエイブラハム・ラボリエルのベースでもう堪らん気持ちになります。『NATURAL』は村井博にとって最後のアルバムになりましたが、この後シングル『あなたは変わるかもしれない』(筒美京平作曲)を出しており、そのB面「アニヴァーサリー」(鈴木康博作編曲)も良バラードでオススメです。他にも児島未散の作品で彼女とデュエットをしています。

 3位 浜本沙良「What is Love」(1995) (作詞:庄司明弘 作曲:羽場仁志 編曲:有賀啓雄)

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初めて聴いた時「なんて良い曲なんだ!」と感動して、今でもことあるごとに喜んで聴いている曲です。羽場仁志のメロディ(特にサビ)も勿論、有賀啓雄が演出するメロウ・グルーヴがとにかく洒脱。というかこのアルバムは冒頭の三曲が強すぎますね。それはそうとウィキペディアの彼女の項目にある未発表曲とは一体なんのことなのか、気になります。

 2位 吉野千代乃「Driving In The Rain」(1992) (作詞:田辺智沙 作曲:林哲司 編曲:林哲司・中村圭三)

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※ブログ上でレビューしたので割愛します
 

 1位 SING LIKE TALKING「風に抱かれて」(1994) (作詞:藤田千章 作曲:佐藤竹善 編曲:Sing Like Talking)

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ランキングの際どういう基準で曲を選ぼうか考えた時、私の場合は「好きで何回も聴きまくった曲にしよう」となりました。というわけで1位はこの曲です。この曲は本当に何回も聴きましたし、今でも聴くたびに喜びを覚えます。90年代という括りなしで、J-AORの一つの到達点だと本気で思っています。

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