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『UMC VOCAL INSTRUCTORS CLUB BAND 』 まとめ

・『UMC VOCAL INSTRUCTORS CLUB BAND』ってそもそも何?

その名の通り、ボーカルスクールとして一世を風靡(多分)した「UMCボーカルアカデミー」のインストラクターたちが歌うアルバムのことである。親会社のUMCプロモーションはアルバム制作にかなり力を入れていたようで、ボーカル教室の生徒が歌うアルバム(生徒たちの卒業制作みたいな意味合いもあるのだろう)を結構な枚数出していたりもしている。その中にはメジャーデビュー前の村田彰子が歌っている貴重なやつも。

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それがコレ。『勝って兜の緒を締めよ』(なんだそのタイトル)というアルバムに収録されている。話を戻そう。『UMC VOCAL INSTRUCTORS CLUB BAND』シリーズ(全4枚)を一枚ずつ紹介していきたいと思う。


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記念すべき一枚目。シリーズを通して、UMCボーカルアカデミーのドン・氏家孝一がエグゼクティブプロデューサーを務める。アレンジャーを確認すると、曽根一訓・古畑丈治・民部郁夫・高橋一之・庄子謙志の五人が担当。UMC関連のアルバムでしか彼らを見かけないので、ほとんど専属のアレンジャーだと思われる。面白おかしいジャケットだが侮るなかれ、シティポップ的においしい曲がいくつかある。ニュージャックなスイングの宮城朝裕「君と僕とのDestiny」、野暮ったい村田和人と言うべき内藤光貴「Lost Time」、「これぞ!」なシティポップの金坂秀樹「Sapphire」等々。音はやっぱりチープだが、慣れれば問題なし。作曲に関しては、歌っている本人がしていたり、全く知らない人がしていたりとマチマチ。

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二枚目である。ジャケットは完全にビートルズのアレ。この先の三枚目も四枚目もビートルズのパロである。アレンジャー陣も全く変化無し。というわけでサウンド面もやっぱりチープ。聴き進めていっても、あれ、そんなに良くない…。うーん、次だ次。…おや?彼は確か…。そうだ!一枚目でど直球なシティポップ をやっていた金坂秀樹じゃないか!ここでも聴かせてくれるじゃないのアーバンなやつを!というわけで金坂秀樹「Feel You」をリコメンド。

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ザ・三枚目。何故か急に略して「V.I.C.B.」と名乗り始めた。これが「VOCAL INSTRUCTORS CLUB BAND」の略だと気づくのにどれほど時間がかかったことか…。このアルバムだけ『TOKYO ROSE VOL.1』とセットになっている。「Tokyo Rose」の方は恐らく生徒の卒業制作だろう。本題である「V.I.C.B.」は、はっきり言ってシリーズ最高傑作である。UMCのシティポッパー・金坂秀樹の名前が見えないが、シティポップ 的にイケてる曲が満載だ。「EMS#1」、「BLUE」、「Cool the Night」、「step step step」あたりは是非とも聴くべき。とりあえずオススメできる一枚。ところで作曲で参加している藤井美智代ってあのジェットラグの?

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ラストアルバム。これだけ副題(「ただひとすじ」)がついている。ここにきてアレンジャーにニューフェイスが!その名は長池秀明。ボサノバ カサノバのアルバムにも参加していた人である。今までのヌルい感じの音はどこへやら、ゴリゴリの激しいロックに方針転換。これはこれで面白いが…。それらしく聴けるのは、間奏のラテンチックなピアノプレイがステキな「Love Councel」くらいだろうか。

これにて紹介はおしまいである。5枚目の存在について知っている人がいたら教えてください。

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