ビザの受領から入国まで

ビザの受け取りビザ発給認可通知が届いてから1ヶ月。出発の前日にビザを受け取ってきました。スペインのワーホリビザは、長期学生ビザなどと同様、大使館に本人が出頭してビザを申請・受領しなければなりません。大使館の受付時間は午前のみなので、遠方の人にとってはやはり面倒です。 


上の画像は受領したビザ。パスポートに添付する形で発給されます。他の国のワーホリビザでは、滞在日数を自分で指定して発給してもらったり、現地でビザの延長をしたりするタイプのものがありますが、スペインの場合は特に現地での手続きなども必要なく、ビザが有効になる日から丸々365日間有効なビザが発給されます。このビザの発効日は、前回の記事にも書きましたが、ビザの申請用紙に記入する入国予定日に通常は設定されるようです。

 さて、ビザの申請時にはNIE (外国人識別番号、Número de Identidad de Extranjero) も申請しました。画像で確認できるように、NIEはビザに記載する形で発行されました。このNIEとは、スペインにおいて身元を証明するために使用されるもので、様々な場面で提出が求められる番号です。身分証明書としては、パスポートも公的な効力を持ちうる文書ですが、NIEを所持している場合には、こちらの番号を提出しなければなりません。ちなみに、スペイン国籍を持つ人にはDNIという身分証明書が発行されるため、会話の中などでは「DNIを出して」と言われることがよくありますが、外国人に対して発行されるNIEはこのDNIに相当する文書ですから、そのような場合にはNIEを提出することになります。

また就労に関してですが、ワーホリビザは一時的な「就労許可」も兼ねています。そのため、現地で就労許可などを申請することなく就労できるということになります。 要約すると、この「ワーホリビザ」には 

(1) 入国資格を証明し、これを可能にする機能 

(2) 滞在資格を証明し、これを可能にする機能 

(3) 外国人としての身分を証明する機能 

(4) 就労資格を証明し、これを可能にする機能

の4つの機能が伴うと考えることができるでしょう。 

入国に関して

基本的なことからまず確認しておきましょう。ビザを提示して入国するのは、最初に降り立つシェンゲン圏の国となり、必ずしもスペインで入国審査を受けることになるとは限りません。例えば、日本→フランス→スペインのルートで入国する場合にはフランスで入国審査を受け、フランスからスペインまでの飛行機は実質的には国内線と同じ扱いとなります。

入国審査が厳しいのかどうかは、国ごとによって様々ですので、ここでは省略しますが、片道切符でスペインに行く人の場合は、帰国便のチケットを持っていないことが問題視される可能性がなくはないので、念のため、大使館や外務省のワーホリ制度のページやビザ申請について解説されたページを印刷していき、十分な経済能力があれば、片道切符でも入国できる制度になっていることを入国審査官に説明できるようにしておくと安心です。 

また、ワーホリビザは「マルチ」という分類のビザとなり、有効期限内であれば、シェンゲン圏を何度でも出入りできます。学生ビザの場合には、現地でタルヘタと呼ばれる一時滞在許可を申請し、申請中に出国する場合には再入国許可を取得する必要があり、非常に面倒ですが、ワーホリビザの場合はこのような制限がないため、入国直後にスペインを拠点にしながら、他の国に旅行するといったことも可能になります。極端な例としては、サンティアゴ巡礼のあらゆるルートを制覇したいといった人には、スペイン到着後すぐにフランスの道を歩き、その後ポルトガルの道を楽しみ、といったことも可能となるでしょう。(ただし、スペインのビザを取得して他のシェンゲン域内の国に住んだり、他の国々を長期間旅行するといった使い方はできません。スペインのビザを持っていても、他のシェンゲン圏の国に滞在できるのは観光ビザと同様に「あらゆる180日間のうちの90日間」となります)。 


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