14 よばれた理由
✴︎お母さん
確かに、月子ちゃんは昔から大人びていて
本当は私より一歳年下なのにお姉さんみたいだった。
大人に叱られている姿など見たことがなく、
逆にうちの母なんかはよく注意を受けていた。
だからうちの母と私の間で、
月子ちゃんをこっそりロッテンマイヤーと呼んでいたぐらいだ。
でも、その理由が…
「月子ちゃんって、スピリチュアルな人だったのか。」
「あ、私そのスピリチュアルって言い方、好きじゃないの。
使い方間違えているよ、日本は。
前世とかブームみたいになっちゃってて、
テレビとかでやたら説法してるのもどうかと思ってる。
いくら見えてもね、軽々しく言っちゃダメなんだよ。
その人の人生なんだから、答えは自分で導き出さないと。」
「でも、でもさ、今、月子ちゃんが私に言ってくれようとしているのは
いい答えなんじゃないの?少なくとも私には。」
「そう?今、私に見えているものを伝えることが
結ちゃんにとっていい答えなのかはわからないよ。」
「そうなの?神のお告げ的な意味で視えるんじゃないの?」
「そうでもないよ。他の人がどうかはわかんないけど、
視えているものが何を意味しているのか、正直わからない。
視えているものごとを伝えたことで
疎遠になった人間関係がごまんとあるし。」
「私は好きだけどな。不思議な話。」
「うん、結ちゃんがこの手の話ができる人だとは思ってなかった。
ここ2,3日結ちゃんを見ていてわかったの。
今の結ちゃんにこれを伝えるために、
私、ここに呼ばれたんだなって。」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?