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世界幸福度ランキング47位の国で60年生きて思うこと

 世界幸福度ランキングは、「国民一人あたりのG D P」・「社会支援」・「健康寿命」・「人生の選択の自由」・「寛容さ」・「汚職や腐敗について」、各国の国民が自国をどのように評価するかで順位づけを行うランキング調査です。

 世界137国でおこなわれた結果、日本の2023年順位は47位でした。この順位は前年の2022年の54位から7つ順位を上げているとはいえ、先進国に於いて決して高い順位ではありません。

 その背後には、日本独特の文化や価値観が影響しているのだろうと思う。特に、日本人の内向的な性格や、謙虚さを美徳とする文化が、幸福度の自己評価の低さにつながっている可能性が考えられます。

 この国に生まれ、育ち、生活をしてきて間も無く還暦、旅行はすれど、この国しか知りません。果たして日本は幸せと思える国なのかを考えてみました。

「国民一人あたりのG D P」について思うこと

 アメリカ、中国に次ぐ世界3位のG D Pであることは広く知られていますが、国民一人当たりに換算すれば2023年では27位です。

 日本の所得格差は近年拡大していますが、特に若者や、単身者、非正規雇用者の増加において不平等が顕著と言われて久しいですね。

 経済成長だけでは格差は是正されにくく、政策的な取り組みが求められる。先進国と比較しても、日本の所得再分配の機能が弱いとの指摘もある。社会保障制度の充実や教育機会の平等化が必要とされています。

 加えて、昨今の円安傾向が進めば、円の力が弱まり、国際的な購買力も弱まる。エネルギーコストの上昇など、不安要素は強まる傾向にあるのはたしか・・・・

 年齢に関わらず、投資や収入源の複数化など賢く生きる術を磨いておきたいものです。

「社会的支援」について考察してみた

 日本人はしばしば内向的、控えめ、そして他者に迷惑をかけないようにする性質を持つとされます。一見これが日本人らしさや美徳とも捉えられがちですが、他人との緊密な関係を築くのが難しい一因となっているように思います。

 裏を返せば、社会的無関心につながっているのではないでしょうか?

 この傾向は若い世代よりもむしろ、高度成長期に育ち社会を支えた高齢者や、バブル期を経験した我々大人世代にこそ顕著な気がします。

 日本の社会は、家族や地域とのつながりが伝統的に重視されてきました。しかし、核家族化や都市化が進む中でその絆が希薄になり、都心部では近隣とのつながりもほとんど持たないといった人も多いですよね。

 60代の独身率は男性で13.5?%.女性で6.2%,50代だと男性28.3%,女性で17.8%と単身者も多い。この世代は、社会とのつながりが仕事を通じてのみという人が多いのも特徴です。

 この部門での世界的順位は27位と上位項目なのではあるが、個人主義の尊重が、社会的コミュニケーションを希薄にし、困った時に頼りになる人がいないといった状態となる人の数は今後増加しないかが懸念材料であります。

健康寿命」世界一長寿国のわな



 日本は世界一の長寿国、平均年齢は84歳です。一方で、健康寿命は72歳ですので、難音寿命まで12年間もあります。

 老後2,000万円問題など、長生きすればするほど不安になる、そういった状況は避けたいものです。個人的にはピンピンコロリが一番幸せだと思っています。

 元気な人が、死ぬまで元気である社会、例えば雇用だとか、社会のつながりなど。

生かされて生きるのではなく、積極的に生きることのできる国。この国から老後などという言葉が無くなれば良いなと思います。

「寛容性」については、順位づけできないほど低い国である


 幸福度調査では、『寛容性』については過去1ヶ月間にどれだけ寄付を行ったかをベースに算出されるが、我が国の順位は極めて悪い。

 この項目は、単に寄付の有無が問題ではなく、温かな人間関係を築くうえで必要となるのが、自分と意見が違う人たち、立場が異なる人たちの意見を聞き、どれだけ理解を示すことができるかという意味での「寛容さ」と捉えられます。

 日本は長い歴史を通じて比較的均質な文化を持ち続けてきました。そのため、異文化やマイノリティへの理解や受容が十分でないとの指摘がなされることもあります。

 先の国会でも墳丘を見たLGBTへの対応などが良い例でしょう。

 少し前の話になりますが。長野県の住宅に住む高齢者が、自宅となりの公園で遊ぶ子供の声がうるさいと市にクレームをつけ、それを受けて市が公園を閉鎖したといったことはまさに寛容性のない国の象徴のような出来事のように思います。

日本は「選択の自由」があるのか?


 日本は伝統と現代性を組み合わせた国のように感じますが、これが選択の自由にどのように影響しているのかについて考察してみましよう。

職業選択:日本の終身雇用制や「新卒一括採用」などの雇用慣行は、少しづつ崩れてきているように感じますが、外国から見るとキャリア選択には、まだまだ制約があると捉えられるのではないでしょうか。

社会的圧力:日本の社会は、一般的にコンセンサスを重視すると認識されており、個人の選択が社会的な期待や圧力に影響を受けやすいというイメージですね。

長年の社会生活の中で、突き抜ける人はいれども、ほとんどの人は自らブレーキを踏みながら生きている、そういった閉塞感を感じています。

女性の役割:先の内閣改造でも、女性閣僚の数が目玉になるといった風潮が全てを物語っていると思います。

教育選択:何をしてきた人か以前に、どの大学を出ているかということが問題になるこの国はやはり特殊と言えるでしょう。もっとも、何を売りにしているのかわからない大学、何を学びたいのかわからない学生が多くあることも問題ですよね。

 こうして考えてみると、社会的圧力で自身の方向を判断し、行動している人の多い国という感じがします。それを選択しているの自分に気づいていないことが問題かなとも思うのです。

汚職のない国、という観点では世界的に日本はどのように捉えられているのか

 汚職や腐敗に関する認識は、その国の政治、経済、歴史的背景に大きく影響されます。

 日本について、世界的な認識をいくつか点検すると、多くの国際的なランキングや報告書(例:トランスペアレンシー・インターナショナルの腐敗認識指数)で、日本は比較的透明性が高く、腐敗が少ない国として位置づけられています。

 日本の法制度は、汚職や不正行為を取り締まるものとして、外国からは高く評価されています。また、日本の社会文化やビジネスの慣行は、一般的に公正さや誠実さを重視すると認識されており、これが汚職の少なさに寄与しているとの意見もあるようです。

 一方で、日本の政治やビジネスのシーンでも、時折スキャンダルや不正事件が報道されることがあり、その都度、国内外の関心を集めることがありますよね。

 個人的には、時折明らかになる検察の暴挙とも言える事件の創作や、偏重甚だしいマスコミの対応です。大丈夫か、この国は・・・と思わなくはないです!

 総じて、日本は世界的に見て汚職の少ない国としての評価を受けていますが、しっかりと自分達の目で見て、考える必要があります。

日本人として、少なくとも選挙には行きましょう

幸福度調査の結果への私感



 幸福度ランキングに回答するのは、各国の国民です。日本の幸福度ランキングの順位は、単純に生活の質や経済状況にだけに起因するものではありません。

 日本の教育や文化の中で、「謙虚さ」や「平均志向」が重視されるため、自分の生活や状況を他国の人々と比較して低く評価する傾向があるのだと思います。

 故に、もう少し幸せを感じても良いのではないでしょうか

日本人が幸福を感じるためのこれからの課題

 今後の課題として、多様性の受容や個人の選択の尊重を更に進めることが求められます。

 また、コミュニティの形成や人々の繋がりを強化する取り組みも重要です。

 真の意味での幸福を追求するためには、物的な豊かさだけでなく、精神的・心理的な満足感を高める方向での取り組みが必要となるでしょう。

そんな活動の輪の一翼を担いたいものです。


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