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『Sparkle vol.45』ができるまで(舞台「トゥーランドット~廃墟に眠る少年の夢~」に寄せて)

6月30日発売の舞台俳優インタビュー&グラビアマガジン『Sparkle vol.45』。
今回の表紙は有澤樟太郎さん、
裏表紙に松田 凌さん、
そして演出家インタビュー連載には毛利亘宏さんにご登場いただきました。

このキャスティングは決してたまたまではなく、実は意図がありました。
きっかけは、少年社中第36回公演「トゥーランドット~廃墟に眠る少年の夢~」です。

毛利さん主宰の劇団「少年社中」。
その20周年記念公演のファイナルとして2019年1月より上演された当作品。
松田さんが主演を、そして敵対する役を有澤さんが務めました。
Blu-ray・DVDがリリースされているのですが、今観ても、いや今だからこそ観るべき作品だと思います。
「演劇」が禁じられた世界。
本番を迎えることなくひたすら稽古を繰り返す役者たち。
優れた芸術にはしばしば現実を予見するようなことが起こり得ますが、まさに演劇にとって受難の時となってしまったこの現在にリンクするような物語の中、それでも力強く響く「演劇で世界を変える。世界は変わる。」のメッセージ。

この作品を創った人たちが、今何を思うか聞いてみたい。
そこが今号『Sparkle vol.45』のスタートだったと思います。

本作品が久々の、二度目の共演となった松田さんと有澤さんですが、
実は初めての共演作、また有澤さんにとっては舞台デビューとなる作品も、松田さんが主演を務めたものでした。
舞台『K』第二章 -AROUSAL OF KING- です。

そして、有澤さんの記念すべき舞台初主演作、TXT vol.1「SLANG」。

その第二弾、TXT vol.2「ID」に、今度は松田さんが出演されます。

また、有澤さんが長年大事にされてきた『刀剣乱舞』というコンテンツに(ミュージカル版・舞台版の違いはあれど)、今度は松田さんが、有澤さん演じる刀と比較的近い関係の刀剣男士として参加。

調べれば調べるほど、それぞれ別々の道を歩みながらも、要所要所で交わるようなお二人の軌跡。
有澤さんをデビューから見守り続けてきた松田さんの視点、
松田さんをデビューから追い続けてきた有澤さんの視点、
その双方からぜひお話を伺いたく、今号では貴重な対談記事を実現させていただきました。おそらく雑誌では初めての企画だと思います。

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主演という立場で、初舞台を踏む有澤さんをその背中で鼓舞し続けてきた松田さん。
その松田さんのデビュー作(初出演にして初主演作)、ミュージカル『薄桜鬼』斎藤 一 篇 を手掛けていたのが、他ならぬ毛利さんでした。

舞台俳優・松田 凌の〝始まり〟のお話も、松田さん・毛利さん双方からぜひ伺いたい。
そして、時を経た「トゥーランドット」で、毛利さんが松田さんに求めたもの、託したものは何だったのか。

松田さん、有澤さん、そして毛利さんの単独インタビュー、
さらに松田さん×有澤さんの対談インタビューを通して、
それぞれの視点から俳優「松田 凌」「有澤樟太郎」が浮かび上がる。

前号『Sparkle vol.44』でも
演出家・松崎史也さんの視点を入れることにより、
俳優「水江建太」「岡宮来夢」に多角的に迫ろうと試みましたが、

今号ではさらにそれを押し進め、
一冊を通して〝深い〟記事をお届けできたのではないかと考えています。

付け加えて、おこがましいことを申し上げますと
「トゥーランドット~廃墟に眠る少年の夢~」という〝傑作〟を、そして演劇という〝夢〟を未来に繋ぎたい。そんなささやかな希望も添えて。

2.5次元で、ストレートプレイで、ミュージカルで……
舞台というフィールドでさらに高く飛翔してゆかんとする二人の俳優への万雷の拍手。
『Sparkle vol.45』は、そんな一冊にしたいと思って作りました。

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