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戦隊シリーズ出演→BL主演までのスパンが短期化している件

 私がラブコメディを好きなのは、人と人の思いが通うプロセスに癒されるからである。
 
国内ドラマも海外ドラマも、男女の恋愛ドラマも、同じ性別の恋愛ドラマも、ドラマのみならず小説、アニメ、漫画となんでも試してきた。

他人の笑顔1つで感情の乱高下を引き起こすラブの物語にボーダーはない。
 
といいつつも、今回は、自称「ラブコメ・リベラル派」の私が戸惑っていることをつづる。
 
昨今、日本のドラマ市場でBLドラマの製作本数が増加傾向にある。
 
BLドラマの規制がある中華圏では日本のBLをこっそり視聴している視聴者が多いし、東南アジアでもJBL(Japanese BL)ファンは多く、市場は拡大している。

そして、キャストには、戦隊ドラマの努めを終えて間もない俳優が抜擢されるケースが目立っている。
 
以前は、戦隊シリーズの俳優がBL(ボーイズラブ)作品に出演するまで、3年以上の期間を置くケースが多かった。しかし、最近はスパンが短期化しており、戦隊ドラマの視聴者でもある私は気持ちの切り替えがついていけないことがある。
 
「戦隊放送後のファン熱が冷めないうちに、特定層からの熱量が高いBLドラマで、俳優のイメージを刷新する」という事務所や制作サイドの計算も勘ぐってしまう。
 
例えば、昨年放送され、マカオでファンミーティングが開催されるほど人気を集めた「体感予報」。
 
『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021-2022)のヒーローと『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022-2023)のヒーローが恋人を演じていた。
 
私は、ゼンカイジャーを1年間視聴してシアターGロッソに足を運んだほど応援していたし、ドンブラザーズは子どもの理解度を無視した謎展開を見守りつつ玩具も購入していた。

戦隊ドラマは賛否両論あれど、子どもと毎週見ていると、出演者の存在が我が子を毎週楽しませてくれる「遠い遠い親戚」みたいなありがた~い存在になっていく。(乳幼児期のEテレのワンワンやうたのお姉さんお兄さんの存在に少し似ている)
 
そんなふうに、私が誠に勝手に「遠い遠い親戚」みたいに感じていた2人が共演した「体感予報」。
 
世界平和のために全力全開で闘っていたヒーローが、雨が降ったら「する・しない」と平和じゃない悩みと闘っていた。
 
なかなか思考の切り替えが追いつない。

そして先週4月18日深夜にスタートした『25時、赤坂で』(テレ東系)

ゼンカイジャーとドンブラザーズに立て続けに出演したメイン俳優が、BLドラマの主演を演じている。1話を試し見てみたが、前の役のイメージが頭に色濃く残っており、まだ没入できていない。
 
「これ、ヒーローを応援していたキッズたちはどう思うのだろうか」なんて思いもよぎる。
 
がしかし、そんな私の思いを数日寝かせてみて、思った。「自分、全然ラブコメ・リベラル派じゃないな」と。
 
外では「ボーダレス」などときれいごとを言いながら、家庭では正論を振りかざして家族を伝統的役割に閉じ込める「外面リベラル・実は保守派」みたいなことを言っているではないか、自分。
 
というわけで、私は「ラブコメ・保守派」と名乗るべきなのかもしれない。
 
なんだかんだ言いながら、今週も戦隊ファンだった家族が寝た後に『25時、赤坂』の2話をスマートフォンのTverで視聴するだろう。
 
ちなみに、英語クチコミサイト『Mydramalist』では滑り出しの評価が好評なので、うまくいけばアジア圏の人気拡大が予想される。
 


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