ウインド・リバー

ジェレミー・レナーって、カッコいいよね。
強さと優しさを併せ持つ男の中の男だね。
「オラもこんな男になりてぇ!!」ってナチョスをバリバリと口の中にぶち込みながら心の中で叫んでたよね。

内容は重かったけど、出来は最高だった。
クソ野郎がいっぱい出て来たけど、カタルシスを感じる結末もちゃんと用意されていて、〝胸くそ〟は無事、浄化されました…。

ハンターの端くれ(の端くれ)としては興味深いシーンが結構あった。
ハンターは痕跡を見て、その時の獲物の状況を想像するのだけど、ジェレミーレナー扮するハンターは足跡の深さを見て、「つま先が深いから走っていた」とか推理する。共に犯人を追うFBIの捜査官ではそれが分からないので、ハンターの導きを頼りに犯人(獲物)に迫っていく様を見て、
「かぁ〜、オラもこんなハンターになりてぇ!!」ってナチョスをバリバリと口の中にぶち込みながら心の中で叫んだね。

一つ気になったのはハンターが移動時に銃を抱えて歩いていた様子。
赤子を抱くように銃を抱えて深い雪の中を進むのだけど、肩に担いで銃身を枝に引っかけないためなのかな?確かに担いで歩いているとたまに枝に引っかかっておっとっととなる。特に雪が深いと枝が近くなるから引っかかりやすくはなるよね。ただ両手が塞がるのは不安だ。

あとハンターの息子が「BB gun」(おもちゃの鉄砲)を無造作に抱えていると「おい、銃口はどっちに向いてる?弾はいつも装填されていると思え」と注意する。きちんと小さい頃から銃の扱いを教えるのは良いことだね。危ないものは遠ざけるんじゃなくて、道具の扱い方としてちゃんと教育する。日本も昔は小学生でも刃物を筆箱に入れていたのに、大人たちはいつの間にか子どもから刃物を遠ざけてしまった。日本は伝統的に刃物を使って物作りをして来たのに残念なことである。

そう言えば雑誌でこの映画を紹介していたのだが、その中で「玄人好みの30-30口径」なんて書いてあった(服部文祥氏による)。映画の中でハンターが手詰めしているシーンがあったのでよく見ていると、詰めているのは30-30ではなく45-70だった。まあ、どうでも良いことなんだけどね。ちなみに映画に登場した銃はマーリンのModel 1895SBLという45-70ガバメント弾専用の銃で、クマとか大型獣の捕獲に使われている。日本では弾が大きすぎて許可されない。

まあとにかく重い内容の社会派サスペンス映画だけど、一部の方々が評するように現代版西部劇でもあり、アクションシーンは特に素晴らしいので、ぜひ劇場で観てもらいたい。



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