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私と政治学

最近になって再び「政治」に関心を持ち始めたという人も居るのではなかろうか・・・

たまには競馬に縛られない話もしてみよう!

政治とは、

「個人や集団間の対立を調整し、社会的秩序を形成・維持していく人間の諸活動」

のことを言う。

もっと簡単に言えば、

対立を調整し、秩序を形成・維持していく活動

となる。

だから、平和、戦争、外交、条約、議会、選挙、投票などの言葉は政治と深く関係する。

それでは一体「誰が」対立を調整し、秩序を形成・維持していくのだろうか、

という疑問が起こる。

そこで権力主権の問題が生じる。

権力とは、

「他者をその意思に反して行動させる力・作用」

のことを言う。

では、政治と権力を合体させてみよう。

政治権力とは、

「政治的権威、身体的強制力および全ての住民に対する意思決定伝達能力を備え、一定の地域社会の成員全てが従うべきものとして成立する権力」
(制度化された政治権力を「国家権力」という)

のことを言う。

ここで権威という新しい言葉が登場して来た。

権威とは、

「他者からの通信を、その内容を自分で検討せずに、進んで受容する現象」

のことを言う。

つまり、権威とは権力の上位互換を意味する。

権力を権威へと昇華させるためには有名な2つの手段がある。

1つはミランダというものだ。

ミランダは、

「権力を権威へと昇華させるために象徴を用いて人々の情緒に訴えかけて、権力を心理面から補強する手段」

のことを言う。

もう1つはクレデンダがある。

クレデンダは、

「権力を権威へと昇華させるために合理化のもとに人々の知性に訴えかけて、権力を心理面から補強する手段」

のことを言う。

これらは支配と服従の問題を多く含んでいる。

支配の正当(統)性とは、

「政治権力への服従を社会倫理的に正しいとする一般的了解」を意味し、

「正統性の獲得は政治権力に権威を与え、支配を安定させる」

この分野では伝統的支配、カリスマ的支配、合法的支配の3類型が非常に有名だ。

気になった人は調べて欲しい。

いずれにしても支配にはリーダーシップが重要な要素となる。

政治的リーダーシップとは、

「一定の政治的目標達成のために、集団を統合し方向づけていく作用・指導」

のことを言う。

このリーダーシップにも有名な4類型がある。

伝統的、代表的(制度的)、創造的、投機的リーダーシップ

これも気になった人は調べて欲しい。

なぜ「政治」が重要となるのか。

昔から偉大な思想家たちはこの問題について真剣に向かい合って来た。

法学、社会学、政治学、経済学、宗教学など。

かつてはソクラテス、プラトン、アリストテレス、孔子、孟子、荀子・・・

古代哲学者たちの関心は専ら政治的問題を含んでいた。

さまざまな時代にさまざまな人間が議論してきた。

しかしながら、政治的紛争は未だに終らない。

政治的紛争とは、

「富、名誉、威信、勢力など社会的諸価値の獲得・維持・増大をめぐる争い」

のことを言う。

戦争とは人々の争い、である。

平和の反対は戦争ではない。

戦争の反対は人々が争わないということ、である。

そこで同盟や条約という手段が出来た。

交渉(外交)を戦争の反対と主張する者が居る由来だ。

今、北朝鮮と韓国は休戦状態にある。

これをはたして平和と言ってよいものか。

先の「政治」の定義の問題に戻れば、平和とは秩序を乱さない(乱れない)ことをいう。

北朝鮮は現在ミサイル外交を行っている。

私は思う。

真の平和とは心の平穏(状態)にあるのではなかろうか。

だが、この秩序を乱さないという行為はそう簡単なことではない。

なかには、「権力追求という私的動機を、公的目標に転化し、公共利益の名のもとに私的動機を合理化する煽動家、行政家、理論家タイプの政治家」

つまり、政治的人間もいる。

世界地図の現状に皆が満足していれば、紛争や戦争などは決して起こるはずもない。

しかし、人類は未だに世界地図で遊ぶ幼子のようだ。

時に、社会問題が政治的な問題になったり、人間が物事を全て政治を通じて解決しようとする

政治化が進む。

最近のニュースを観る度にかつて私が毎日暗唱し、かれこれ15年以上覚えて言える政治学の基礎概念を思い出す。

私の知る限り、政治学の先生方の講義は非常に分かりづらかった(笑)

だから当時、独学「も」したのである。

ある学生が政治学を学んだら就職に役に立つのですか?

と、言った。

それを決めるのは自分自身なのであるが・・・

少なくとも私は政治と遊んでから世界が変わった。

そもそも学ぶという感触はなく遊びだった。

今も変わらないと思う。


参考文献:
現代政治学小辞典(有斐閣)、1999年
政治学辞典(弘文堂)、2000年
イミダス2001(集英社)
現代用語の基礎知識2002(自由国民社)
加茂利男 他著『現代政治学』、有斐閣、2000年
などをまとめた政治学定義集より

追伸)
どの学問分野にも「300」くらい重要な定義があり、これを一度暗唱することが出来るくらいまで覚え込んでしまえば、一生モノの財産になります。
昔、南北線の電車内で「政治学辞典」(デカくて重い)を読んでいたら周囲から変な目でみられました。おかげで腕に筋力が付きました(笑)


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