見出し画像

♧7 突然の幸福

浅「秘密基地の設計図描いたことあります?スゲー楽しいでしょ あれ」

水「トラップとかたくさん設置した覚えがあるわ」

浅「私の考えた最強の世界。それを描くために私は描いているので設定が命なんです」
映像研には手を出すな! 1巻

好きなことを好きって言えるのも幸福なことであるけど、やりたいことを楽しんでやる事も最大の幸福でしょう。私、現在その状態になっています。
漫画好きな人が漫画家やアニメーターに憧れたり、画面に映るキラキラした世界に行きたくてアイドルになった自分を思い浮かべたり…って事は誰しも1度は妄想したでしょう。それを実行したとして、大人になっても継続する人は何割だろうって思った。たとえ趣味止まりでも仕事や日常生活の空き時間をそれに捧げられる人は1割もいないんじゃないか。
冒頭に書いたセリフは、私が好きな漫画の一つである映像研には手を出すな!という作品のワンシーン。タイトルの通り映像研に所属(設立メンバーでもある)する3人の女子高生が中心となりアニメーションを作る話なのだが、その3人が邂逅する瞬間である。
ほぼ初対面にも関わらず好きな事について語り合っている。
ただやりたいことをひたすらやる。それだけの漫画。本気で向き合ってるから口調も荒くなる。女子だからとか世間体とかそんなの関係なしに全身全霊でぶつかってる。

ここで唐突のキャラクター紹介↓
設定が命!の浅草氏。(画像中央)人物、キャラの動き(アニメーション)が命!な水崎氏(右側)。効率的な利益を重視する金森氏。(左奥)

映像研には手を出すな!1巻/大童澄瞳 小学館

好きな事って自然とやってるもんなんですよね。自然というか、無意識だ。私だと、本を読むことはもちろん、文を書くし、物語も書くよーっていうと驚かれる。自分にとっては日常の一部でもちょっと外から見ると非日常なんです。
それを彷彿とさせるやり取りもあるのが映像研。

水「百目鬼さんはなんで音が好きなの?」

百「特に『なんで』と言うことはないっすが」

水「きっかけとかもないの?」

百「きっかけは理由じゃないっすよ。それに好きってほどじゃねえっすよ」

浅「この執着は異常だ!」

水「浅草さんもね」

金「おたくら全員ですよ」
映像研には手を出すな! 5巻

さらに6巻では1学年下の桜田氏を声優ポジションで勧誘する場面があるのだが、桜田氏は風呂上がりでも製作中のアニメの話をする浅草氏たちの姿に唖然とする。(銭湯に連行されたので風呂上がり)
その中で浅草氏の「(四六時中アニメに向き合うことは)大したことないさ」という発言に苦言を示す。

桜「現実的じゃねぇな、何の意味があんだよ!」

浅「そんなことは知らん!想像は抱えてるだけじゃ、邪魔でしょうがないぞ」
映像研には手を出すな! 6巻

うわかっこいい。自然とこの言葉でるのいいな。
私もこの領域に行ってその景色を見てみたい。それは詩なのか小説なのか思いも寄らぬものなのか。でも言葉に執着したいね。楽しみだ。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?