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追悼 和製アン・バンクロフト

 奈良岡朋子さんが亡くなられたそうです。なんというか、カッコいいおばさまでしたね。子供のころ、近所の映画好きのお兄さんが、彼女のことを「和製アン・バンクロフト」といっていました。ともに舞台出身。くしくも、バンコロフトの当たり役であった『奇跡の人』のサリバン先生を奈良岡さんも演じておられたのですね。

奈良岡さんといえば、石井ふく子ドラマの気のいいおばさん役しかしらなかった僕にとって、ミセス・ロビンソンの声の演技は新鮮だった。


 その後、日曜洋画劇場で『卒業』がかかったとき、奈良岡さんがアン・バンクロフト演じるミセス・ロビンソンの声をあてておられ、あまりのハマりぶりにびっくり。ミセス・ロビンソンの、あのどこか虚無的な雰囲気がよく出てました。「ベンジャミン!」と、相手の言葉におっかぶせるタカビーなセリフ回しもよかった。

アン・バンクロフト。ベンジャミンとロビンソン夫人のセリフのやり取りは、アメリカでは俳優のカメラテストでよく用いられるようで、トム・クルーズなど、いろんな俳優のバージョンが過去YouTube上にUPされていた。本家ダスティン・ホフマンは、テストでセリフをトチりまくり。しかし、おどおどした感じがこの役にぴったりと、監督のマイク・ニコルズの一言で主演が決まった。むろん、当時の俳優の格ではアンバン・クロフトの方がずっと上、タイトルロールでもトップの扱い。
舞台ではジェリー・ホール(いうまでもなくミック・ジャガーの元嫁)がミセス・ロビンソンを当たり役にしている。こっちも見てみたい。

▲ジョー・ディマジオ追悼のため、スタジアムで『ミセス・ロビンソン』を歌うポール・サイモン。今日は、このクリップを奈良岡朋子さんに捧げましょう。当のディマジオは、「”ジョー・デイマジオはどこいった”だって?コーヒーのCMに出ているぞ」とこの曲に憤慨していたらしい。新婚旅行で日本に立ち寄った際も、どこへ行っても”モンローの亭主”扱いにブータレていたというのは有名な話。

▲おまけ。そういえば、もう4月ですね。

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