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ガラガラと音を立てて、価値観が変わり、何かが動き出した瞬間

こんばんは。
スピカデザイン 大下バルサラです。

私の、エンジンがかかった瞬間 という事で
ガラガラと音を立てて何かが動き出した感覚になった体験談をしたので、それを少し。

まだ始まっていない

私は現在、独立起業してボードゲームデザイナーをやったり、ホームページ作ったり、チラシなどのグラフィックデザイン、写真を撮ったりしていますが実は、色々な職業を経験してきています。

ざっと
高校を卒業してからすぐ、大学に通いながらテニスのインストラクター
スポーツ用品店の販売員
通信機の部品メーカーの資材課
同会社の技術開発課

という感じです。

僕は、子供の頃からぼーっと空想にふける事が好きで
授業中でも他の事を考えている事が多かったもので
スポーツ用品店で販売員を始めたころまで、そのぼーっとした感触を
含んだままでした。(いや、今でもそうかも)

でも、比較的小器用だったので
なんでもやってみると出来たり
笑顔で乗り切ったりしていました。
(これも今でも変わらないw)

スポーツ用品店でもインストラクターでも
テニス経験者でしたし、接客も好きだったので
そこそこの良い成績だったと思います。

でも、自分の中にはある感覚があったんです。
それは

「まだ何も始まっていない」

というものでした。

思い返してみれば、高校生の頃もそう思っていました。
「まだ何も始まっていない」

テニスのコーチを経て
販売で部門を任されてもそういう思いだったんです。

もちろん当時は言葉にはなっていないので
漠然と今になって思うとそういう言葉なんですが

これは、どういう感覚かというと
・まだ子供だし、まだ何も始まってないでしょ
・日々、それなりに苦労もあるけど楽しいからいいでしょ
・誰かがやってくれるよ

うーん。いつまで経っても上手く言えませんが
こんな感じでしょうか。

そんな中、
そんなある日、ガラガラ音が聞こえる日が訪れたのです。

ガラガラ

スポーツ用品店で、そこそこ頑張っている時に
店舗のバイヤーさんからお声がかかりました。

いつも、我々がお昼ご飯を食べたり
お昼寝をしている控室にスーツを着た人たちがゾロゾロ。

なにやら緊張した雰囲気です。

そこから、強面のバイヤーさんが足早にテニスコーナーに来て
「おい、バルサラ」と一言いい
手招きするんです。

僕は言われるがまま控室に入ると
先ほど入っていったスーツの人達は
カタログを広げて何やら真剣なお話しをしているではないですか。

私は席に付き
向かえにバイヤーも着席し
すぐにこう言いだします
「どれが良い?」

すると、スーツの人達が続けます
「冬物はこういうのが今人気なんです。こちらなんかどうでしょう。」

季節は冬か、これからようやく春になる頃だったかと思います。

スポーツウェアなどの冬物の注文はまとめて早い段階で注文するんです。

バイヤーも続けます
「こういうの今回売れたよな。このあたりなんてどうかな。」
「バルサラが良いと思ったものを選んでいいからさ。」

今思うとなんと嬉しい言葉なんだと思います。
信じて任せてくれてるんですから。

でも、その時
ぼくはこう言ってしまったんです。

「いやー、僕わかんないです」

すると、言い切るかどうかというタイミングで

「お前がやらないで誰がやるんだよ!」
「お前がやるんだよ!」

バイヤーに岩の様な顔で怒鳴られました。

でも、その岩の様な顔の眼差しは真剣で
僕の心の何かを動かしたんです。

いままでの何かが崩れて、壊れて
ガラガラと動き出した

そんな気がしました。


言葉に出来ないものが感情となって涙となり
あふれ出しそうになりました。

でもそれは、決してネガティブなものではなく
目の前が開けるというか、モヤが晴れるような感覚でした。

あふれ出しそうになる涙をこらえながら
自分の心の中で聞こえる
「あ。やっていいんだ。」
に耳を傾けていました。

「そっか。」

「自分がやっていいんだ。」
「いや、やるんだな。」
「もう、とっくに始まってたんだ。自分。」

「お前がやらないで誰がやるんだよ!って優しい言葉だな。」

時間にすると、ほんの一瞬だったんだと思います。

僕は、すぐには顔を上げられず
カタログを見ながら
「この辺は、うちで人気でしたねー。」
「あっ。これとか良いですね。」
と少し話しながら、そっと顔を上げると
岩の様な怖い顔は、岩の様な優しい顔に見えました。

「お前さー。そんなに仕入れて売れるのか?」
「ちょっと計算してみようか。(電卓パチパチ)」
「これだと例年の売上から考えると多すぎるから、アイテム減らそうよ」
「で、サイズは?どの辺がいけるの?」

とバイヤーは続けます。


今思うと、僕がそう言ってしまうのも
バイヤーはお見通しで、教えてくれてたのかなとも思います。

一緒にいた、スーツ姿のメーカーの人達は驚いたでしょうね(笑


この時の経験は、いまでも仕事をしながら思い出す事があります。
感謝ですね。

わたしの
エンジンがかかった瞬間でした。


#エンジンがかかった瞬間


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