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有明までたどり着く前に、文フリについて振り返っておきたいこと

文学フリマ、略して文フリ。noteの記事を読む人は、よく聞く名前かもしれないが、キー局TVのニュースで「今日のニュース」で取り上げられないし、わたしの家族は誰も、存在すら知らないはずだ。それほど小さな文化圏で画期的なことが起きようとしている。

公式サイトを引用すると[作り手が「自らが〈文学〉と信じるもの」を自らの手で作品を販売する、文学作品展示即売会]で、現在は日本国内8箇所の会場で開催。東京は春と秋の2回行われるのが定着していて、先週土曜日、11/11(土)に東京流通センターで開催された。

来年から東京は入場料が必要になり、買うだけの人も1,000円支払うことになる。入場料を取るということは、ひとつのエポックメイキングには違いないが、来秋の会場が東京ビッグサイトになるということも、ただならぬことだ。西3・4のみとはいえ、ビッグサイトですよ、ビッグサイト

意味もなく繰り返してしまったけれど、入場料の件と合わせて、どうしてもコミティアと比べたくなる。

それはある意味宿命的なものとも言える。文フリの起源は大塚英志「不良債権としての文学」であり、そこで示唆されているのはコミティアに他ならない。文章中で「コミックマーケット」とは言っているけれど、それは概念のようなもので、おそらく想定していたのはコミティアだ。そう考えれば、入場料を取るようになるのは自然な帰結のように見える。

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