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#63 春の訪れと共に③

#62の続き。

小学生の先生と中学校の先生達にOKを頂いたし、本番は原稿を見ながら話すとは言え
失敗するのはやはり嫌なので、
練習に練習を重ね式前日を終えた。

朝、いよいよこの日が来た!という思いで
跳ね起きた。少し先に起きている母と妹の
「誕生日おめでとう!」の声を聞き、
今日は良い日にするぞと心に決める。

(ん?外が暗いぞ)
いつもなら天気はそこまで気にしないのだが
その日は別だった。何故なら言葉の冒頭部分が
「暖かな春の訪れと共に、ここ〇〇中学校に入学出来たことを嬉しく思います。」だからだ。

前々から晴れてくれ〜晴れてくれ〜
毎日祈っていたのだが、
外の様子を見ると


まさかの雪⛄️



もう悲しいを通り越して笑いが止まらなかった。以前、4月8日はお花祭りの日であると
話をしたがまさかその日にとは。


家を出るタイミングになっても物凄く雪が降っていたので、傘を差しながら中学校に歩いて向かった。


ここで頭の中に
(冒頭部分はこのままで良いのか?)
というモヤモヤが生まれる。

「何組かな?」「誰と同じクラスかな?」
周りを歩いている同じ中学生達がそのようなことを考えている中で自分は冒頭部分の心配をしているのだ。


中学校に着き、急いで自分の名前を下駄箱で探していると6人の友人の1人が
「同じクラスだね〜」と教えてくれた。

「おお!やったね!」と言葉にしたが本当は
(早くクラスに行って先生に相談したい!)
という思いしか頭の中にはなかった。

2人で教室に向かうと自分達以外
クラスメイトは来ていなかったが、
教卓の前に担任の先生が立っていた。

これは好都合だと思い、
「おはようございます!」物凄い勢いで
挨拶をし、その勢いのまま
「代表の言葉を言うのですが、ここの冒頭部分は変えた方が良いでしょうか?今日大雪なので、「あいにくの雪ではありますが、ここ〇〇中学校に入学〜」に変えましょうか?」

初めて担任の先生と話す内容として
あまりにもおかしいとは分かっていたが
それだけ焦っていたのだ。

担任の先生に原稿を渡し、確認をしてもらった。すると僅か数秒で

「このままで良いよ」

(はっっっっっっっや!!!!!)


かなり驚いたのだが、
担任の先生が言うなら間違いないので
「了解しました!ありがとうございます!」

すぐにその場から去った。



クラスメイトになる人達が徐々に教室に入ってきて、ワイワイ盛り上がっている。



担任の先生が教室で簡単な挨拶を済ませ
体育館に向かって列を成して歩いていく。


もうすぐ入学式が始まる。


続く。
(思ったよりも長くなってしまいましたね。あと1回で終わらせたい…!)

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