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民法コラムのまとめ一覧

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CLAYが執筆した民法コラムを、まとめて一覧にしたものです。 テーマごとに知識を整理しているため、初学者の方は、気になる項目があればとりあえず読んでみることをお勧め致します。疑問… もっと読む
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記事一覧

〔民法コラム32〕不当利得返還請求における損失不発生の主張と信義則

1 問題の所在 債務者が表見受領権者に対して善意無過失で弁済をした場合、かかる弁済は有…

〔民法コラム31〕共同相続に係る不動産から生じた賃料債権の帰属と遺産分割

1 問題の所在 民法は、共同相続に関し、相続財産は共同相続人の共有に属するとする(898条)…

〔民法コラム30〕敷地賃借権付建物の売買における敷地の欠陥

 敷地建物付建物の売買において、賃借権の対象である建物の敷地に欠陥があった場合、売主より…

〔民法コラム29〕集合物譲渡担保権に基づく物上代位の可否

1 譲渡担保権に基づく物上代位の可否 譲渡担保権に基づく物上代位権の行使が認められるの…

〔民法コラム28〕動産先取特権に基づく物上代位と一般債権者による差押えの優劣

 動産先取特権者が差押えをする前に一般債権者が代金債権につき仮差押えをしている場合、動産…

〔民法コラム27〕動産譲渡担保権と動産売買先取特権の優劣

1 総説 動産先取特権者が動産先取特権の行使により債権の満足を得るためには、動産先取特…

〔民法コラム26〕集合物譲渡担保の効力

1 総説 集合物譲渡担保とは、工場内の機械・器具又は倉庫内の商品・半製品・原材料など構成部分の変動する集合動産で、その種類・所在場所及び量的範囲を指定する等の方法により目的物の範囲が特定されるものを、一個の集合物として譲渡担保に供するものをいう。  このような集合物譲渡担保は、不動産等他に適当な担保を有しない中小企業や、金融資産以外に有力な担保をもたないリース、クレジット会社等が融資を受けるための手段として、その需要が高まる傾向にある。 2 集合物譲渡担保と一物一権主義 

〔民法コラム25〕使用者責任(715条)

1 総説⑴ 意義  他人に使用されている者(被用者)が、その使用者の事業の執行につき、他…

〔民法コラム24〕和解

1 和解⑴ 総論  和解とは、当事者が互いに譲歩してその間に存する争いをやめることを約…

〔民法コラム23〕工作物責任

1 総論 工作物責任(717条1項)とは、土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があり、これにより…

〔民法コラム22〕製作物の所有権の帰属と元請契約における特約の下請人に対する効力

1 総説 請負契約とは、当事者の一方(請負人)がある仕事を完成させ、相手方(注文者)がその…

〔民法コラム21〕付合の有無

1 添付一般 242条~248条に、添付と総称される所有権取得原因に関する規定が置かれている…

〔民法コラム20〕占有者の費用償還請求権と留置権

1 占有者の費用償還請求権⑴ 意義  196条は、占有者が占有物につき費用を支出した場合に…

〔民法コラム19〕不動産賃借権の時効取得

1 取得時効 一定期間の経過により権利を取得できる制度を、取得時効(162条以下)という。これによる権利取得の性質は、即時取得(192条)、添付(242条以下)等と同様の原始取得であり、前主から権利を承継するわけではないことから、目的物に第三者の権利の負担や瑕疵が付着していたとしても、それらが取得者に当然に承継されるとは限らないことに注意を要する。 2 取得時効の対象となる権利 いかなる権利でも取得時効の対象となるわけではなく、民法上の限定が存在する。具体的には、所有権(