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メタバース:ゲームに参加することが急務である

【以下は仏「リベラシオン」紙の記事に基づく翻訳です。元記事のURL: https://www.liberation.fr/idees-et-debats/editorial/metaverse-il-est-urgent-de-rentrer-dans-le-game-20210813_X3YVW45AAZAL3K7HHI3GKZA3HY/?utm_source=pocket_mylist

現実がフィクションに追いついた。サイバースペースで行われ、またシリコンバレーの巨大企業が夢中になっていることについて、真剣に話し合うときが来た

1992年、作家のニール・スティーヴンスンは、彼の小説『スノウ・クラッシュ』の中で「メタバース」の概念を考案した。コネクテッドグラスでアクセス可能な集合的デジタル空間である。2011年、作家のErnest Clineが著した『Ready Player One』は、世界的なベストセラーになった。エネルギー危機および気候変動に揺れる地球はあまりに混沌としているため、住民はスリルがあり、中毒的で破滅的なビデオゲームである「オアシス」に退避する。2020年、Covid-19のパンデミックにより、デジタル技術は私たちの生活に欠かせないものとなっている。学習、仕事、近親者とのコミュニケーション、さらには飲酒やコンサートを楽しむことにも。2021年には、ハイテク業界の最大手企業がメタバースの開発に数十億ドルを投じ、現実世界と仮想世界がついに融合するまで、物理世界の限界を押し広げようと躍起になっている。マーク・ザッカーバーグは、Facebookがこの新しいエルドラドを先取りするために、急いでことを運ぶことを発表する。それ以降、860億ドルの売上を上げた企業の中で、1万人がバーチャルリアリティとオーグメンテッドリアリティに取り組んでいる。

30年前には純粋なSFだったものの中で、これほどまでに身近になったものはない。メタバースはすでにここにある。超人気のFortnite(同時に1,500万人のプレイヤーが集まるシューティング&サバイバルゲーム)だけでなく、あまり知られていない無数のゲームやプレイヤーがこぞってこの大きな利益を生み出す可能性のある世界で甘い汁を吸おうとしている。そのため、ベゾス、マスク、およびブランソンが宇宙を征服する様子を見守るよりも、VRヘッドセットを装着して、サイバースペースで何が作られているかを見ることが急務になっている。そこで行われるゲームが非常に重要である。これを単なるオタクの気晴らしと考えることにより、シリコンバレーの巨大企業に、彼らのイメージで、彼らの関心に基づいて、おそらく現実の世界と融合するであろう世界を創造させることになる。そのとき、メタバースのピクセルの一つひとつが収益性の高い、マネタイズ可能なものとして構想されるのである。公的な仮想空間を弁護すべきなのか? 肉体的な存在の延長線上にあるこの問題について、集団で考える時間はまだ残っているだろうか? ゲームに参加することは急を要する。さもないとゲームオーバーになるだろう。

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