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「アニュアルレポート」書いてみた | ソーシャルムーブメント立ち上げの中の人

BAUMです。Mend It Mineというソーシャルムーブメント立ち上げの中の人。

普段、noteではエッセイを中心に書いているけれど、今回はお世話になっている市川瑛子さんに刺激され、自分の「アニュアルレポート」を書くことにしてみた。

では早速自己紹介から。

プロフィール | BAUM

BAUM
東大修士卒。生態学専攻。現在は経営コンサルティングファームに新卒として勤務。
サステナブルな社会を創ることにパッションを持ち、#MendItMine というソーシャルムーブメントを2020年7月に開始。一言で言うと、「服を直すこと(=メンディング)により、モノとの付き合い方を考え直そう!」というムーブメント。スタートから半年余りで、日経新聞や産経新聞等、様々なメディアに掲載される。
村上春樹が好きで、全ての長編を読了。ダンスが好きで、音楽がかかっているといつも踊っている。

1.今年の総評

ひとことで言うと:関心の羽を伸ばした一年

2020年4月からの一年を振り返ると、ちょうどずっとコロナと共にあった期間だ。いつも色々なところに行って忙しくすごしていたそれまでの生活から、大きく変わった。

その中で発見したのが、「自分はなんて好奇心の強い生きものなんだ!」ということ。自分をスケジュールに縛らず放っておくと、どんどん新しいことをかぎつけてくる。ファッション、栄養学、食品添加物、化粧品の科学、紅茶、カフェ、フランス…

それまでは「サステナビリティ」という社会的に大きなものばかり考えていたけれど、この一年で初めて「生活」という身近なものに目を向け、さらに「自分の幸せ」というものを考え始めた。以前の人生のテーマは「いかに社会に大きなインパクトを残せるか?」だったけれど、「まずはいかに自分が心豊かに生き、その上で社会にも貢献できるか?」という問いに変わった。

細かいところで言うと、本は45冊くらい読んで、イラレを勉強してデザインを作ってみたり、プログラミング(Python)を勉強したり、PodCastに挑戦したり(続きはしなかったが…)、色々と取り組んだな。

一年間のハイライトTOP3

① #MendItMine の立ち上げ
② 10kg 痩せた
③ 夢のようなアルバイト(野生動物について調べてお金をもらえる!)

① Mend It Mineの立ち上げ

就職先を決めたのが、2020年の4月ごろ。コンサルティングという特殊な業界に行くことにした。でも、本当は何かを生み出すのが好きな人なので、自らものを作らないコンサルティング業界でキャリアを始めることに、うしろめたさというか、少し焦りを感じていた。だから、大学生活が終わる前に何かをゼロから始める経験をしなければ、と考えていた。

そんな中、偶然にもETIC.というNPO法人が、ソーシャルムーブメントを始めようとしている若者のサポートをするプログラムを打ち上げたのを知った。募集締切まで1週間ほどしかなかったのに、「メンディング」を打ち出す #MendItMine という団体のコンセプトを考え、知り合いのつてで立ち上げメンバーを集め、10ページくらいの企画書を書いて提出した。あまりにも急な動きだしだったのでダメ元の応募だったけれど、これが本当にありがたいことに採択。おかげで、2020年7月、#MendItMineの活動を始められた。

#MendItMine のInstagramはこちら
#MendItMine のHPはこちら
#MendItMine のnoteはこちら

#MendItMine について書こうとするとあまりにたくさんあるので、簡単にだけ。初めは新しいアイデアを次から次へと思いついて、いろんな企画を行った。でも、なかなか思ったようにいかなくて、少しずつ疲れてきた。そして、秋ごろにはチームマネジメントもうまくいかず、自分がタスクを抱えすぎて、精神的に追い詰められる。そこからは活動をゆるめ始めた。でも12月くらいから、急にたくさんのメディアから声掛けがあった。例えば1月には3つの大手新聞社の紙面に載った(日経新聞・日経MJ・産経新聞)。それが嬉しかったのと、ずっと活動に関わり続けてくれるメンバーにも励まされて3月まで継続できた。そして、無事に次の代表に引き継いだ。

② 10kg痩せた

ダイエットを決心した理由はとても変。内定者の同期女子に、痩せている人が多かったから。中身で勝負すれば良いと思っていたけれど、なんだか焦って、ダイエットを開始した。

今までダイエットを成功させたことは一度もなかったのに、このときの決意は固く、一年で10kg近く痩せた。勝因は二つ。前半の期間は、メルカリでかわいいワンピースを買ったがややきつかったので、それを着るという具体的な目標を持てたこと(試着できないのがプラスに働いた珍しい場合だ)。後半の期間は、食事管理。あすけんというアプリで毎日食事の記録をするようにしたら、よく言う「食事制限ではなく食事管理」ができて、健康的に痩せられた。また、この経験が栄養学に興味を持つきっかけとなった。

③ 夢のようなアルバイト(野生動物について調べてお金をもらえる!)

アニメ会社の社長率いるチームで、アニメに登場させる動物についてのリサーチを行うアルバイトをした。動物が好きな人にとって、動物について調べてお金がもらえる、というのは本当に素晴らしい機会だ。生態学を専攻していて、バックグラウンド知識がかなりあって論文なども読める上、アメリカ留学で培った英語力もバリバリ活かせた(調べものをするだけでなく、海外の教授に連絡を取ったりもした)。

野生動物についての活動でお金をもらう機会なんてないや、と諦めていたけれど、アニメ会社という意外なところで私の力を求めている人がいた。これはものすごい発見だった。バイトはとても楽しくて充実していて、これからも貪欲に野生動物のキャリアを探せばいいんだって気が付いた。何か良いお話がある方はぜひ教えていただきたい。

\\アピール//
野生動物・環境分野関連の経験

・東大で生態学を専攻(学士・修士)
… 生態学の論文が読めます。R(データ分析プログラミング言語)が使えます。生態学会のポスター賞受賞。
・米ワシントン大学で保全生態学を学ぶ(一年間の留学)
… 英語が使え、教授ともコミュニケーションが取れます。
・国際自然保護NGO(Conservation International)でのインターン
・国内自然保護NGO(日本自然保護協会)でのアルバイト
・上野動物園でのインターン
・気候変動国際会議への出席(COP23 at Bonn)
・その他、環境関連団体の立ち上げ(#MendItMine と SUS+ UTokyo)及び複数の環境団体での活動(Climate Youth Japan、生物多様性わかものネットワークなど)

2. わたしの頭の中

行動指針:多様性のある方向に

ストレングス・ファインダーによると、自分の強みは「収集心」や「着想」。確かに、アイデア出しとなるとグループの中で一番たくさんのポストイットを書いてしまうタイプなのだけど、それがなぜなのか?と考えると、自分のアナロジー思考の強さによると分析した。そして、アナロジー思考を可能にするのは、多様な経験や知識。

ナンバーワンになろうとすると、上には上がいてどんどん苦しくなってしまうし、目指す道もほぼ決まっている。一方、オンリーワンならなんでもアリで、自分の楽しいことが選べる。だから、できるだけ多様な経験を積み、多様な人に会って、できるだけユニークな人になりながら自分の強みを磨いていくって決めた。

ビジョン:野生動物が守られる世界に

昔から動物が大好き。中学生のときには、野生動物の保全を職業とすることが夢だった。大学では生きものが自然の中でどう暮らしているかを研究できる生態学を専攻。アメリカ留学にも行き、アメリカの広大な国立公園にこもって野生動物の観察をしたりもした。

大学に入って色々調べると、野生動物の保全を職業にするのは難しいなと感じて、実は一旦諦めてもいたけれど、今年になって、やっぱり一番純粋に想いがあるのが野生動物だと気が付いた。だから、「野生動物が守られる世界をつくる」をビジョンに掲げる。

ミッション:楽しいことベースで突き進む

ビジョンに対してミッションが食い違っているように見えるかもしれないけれど、自分の中では野生動物に関する活動=楽しい!なので、楽しいと思えることに素直になり、道を見失わないというのがミッション。この数年間は、野生動物に関わることを半分諦めていたけれど、それは自分の「楽しい」に誠実でなかったんだなと気が付いた。

そして、私は新しい発想を打ち出すときもとてもワクワクするし、それをつかんでくるのも多分得意。例えば、#MendItMIne 開始の前には「メンディング」という発想が日本ではあまり普及していなくて、それを(ほぼ)初めて大きく打ち出したからこそ、メディアで多く取り上げていただけているのだと思う。世の中に新しいビジョンを打出そうと考えをめぐらせるときは本当に楽しいので、これからも色んなことを仕掛けていきたいな。

結論、これからも貪欲に自分の「楽しい」を追い続ける!

3.今後の活動

ひとまずは会社でスキルを伸ばす。実は少し前まで、会社での評価なんて一つの軸でしかないのだから、頑張りすぎなくても良いかなぁと思っていた。だけど、評価が良いと海外オフィスに行ったりできるらしく、「多様性のある方向へ」という行動指針に基づいて、私はぜひ海外での経験を積んでみたいので、良い評価をもらうことも重要そうだ…。無理はしすぎず、でもひとまず素直に頑張ってみようと思う。

それと同時に、会社外での活動も何か続けていきたい。団体に所属するわけでなくても、里山に行くとか、農業体験するとか、とにかく会社での経験とは違う方向性を開拓し続けていきたい。そのために、好奇心を満たし続けるだけの時間的・精神的余裕を持つワークライフバランスを探っていく。

あとは、デザインが好きなので、デザインスキルを上げる機会も見つけていきたい。特に、この一年間みっちり学んだ i.school でのイノベーション発想を自分のものとするために、実践する機会を探している(会社でもワークショップなどを開いてみたい)。

おまけ

今年は、村上春樹好きのコミュニティにも初めて触れた年だった。オンライン上でしか知らない相手だったのに、村上春樹に関する本をつくる企画に参加させてもらった!趣味でつながるってこういうことか~とようやくわかったし、自分が好きな村上春樹の企画となると、こんなにも素直にワクワク楽しめるんだっていうのにも気が付いた。

あとは、濱口秀司さん(USBの開発など、数々のインパクトを出すイノベーター)のお話を一日聞いたのも、相当にキャリア観に影響した。自分の強みをしっかり持って、自分にしかできない価値を生み出すあり方は憧れる。

アニュアルレポートはこんなところ。では次からはまたエッセイでお会いしましょう。


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自己紹介

海外生活経験や、自然に関する研究等を通して培ってきた私なりの視点で、ほっと一息つけるような楽しいエッセイを書いていきたいと思っています。支援いただけましたら、ぜひ活動の幅を広げるために最大限使わせていただきます。