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【映画】ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 (字幕版)

日本国の通貨「円」の価値は下がり続け、本年4月26日には、危機的ともいえる$=156円となり、今後、その価値が再度高まることへの目途が全く立たない状況となった。

円安という状況は、日本国通貨の評価が外国通貨に対し相対的に低下していることを表す。
一般に相手国との金利差により為替レートは変動すると報道される。これは正確ではない。なぜなら、アベノミクスによってマイナス金利を保った約10年近く、為替レートは$=108円程度で推移していたのは記憶に新しい。
単なる金利差は為替レートを変えない。

では、どうすれば円安傾向から円高傾向になるのか?
過去の事例でいうと、政府・日銀が、市場介入という手段で為替市場に介入し「$=110円台となるよう調整する」と公式発言し、実際に(円安の場合は)円高を維持するように円を買い支えることである。
過去何度もあった異常な円高でも円安でも、実際にこの方策で為替レートは調整できている。

つまるところ、政府による通貨価値を守る活動が実効的であって、介入行動をしない現政府の責任は甚だ大きく、物価高の責任は政府にあると極言していい。

さて、太平洋戦争後、戦争によってほとんど全てを破壊された日本国は崩壊の淵にあった。細かい事情は省くが、戦後しばらくの間、$=360円の時代が長く続いた。
それを実務的に立て直したのは、戦争に生き残り国家再構築に奮闘した世代各位の弛まざる努力であった。
円は徐々にその価値を上げ、昭和元禄時代には$=100円前後まで高くなった。円は世界貿易の基軸通貨として各国の信頼を得、それと共に、日本のパスポートは世界有数の信頼を築き上げ、日本国はほぼ世界の隅々から尊敬と信頼を集めた。

 今、その努力が水泡に帰そうとしている。これは「国難」に等しい。

原油をはじめとする資源や基盤となる食料をほぼ全く輸入に頼る国であるが故に、輸入価格が高騰する製品・原料の高騰は、特に民間の中小企業・個人経営事業に、そして個人に、甚大な損害を与える。

新しい価値を内包する新技術・新製品の開発の前に、日々の経費が高騰するため、資金に乏しい企業・事業は苦戦する。

実際、予断を許さない領域に足を踏み入れている「国難」に際し、現政府はほぼ無策に等しい。
また、為替の統括担当区である日銀は「円安による物価高騰、という状況は無いと認識している」と言い放ち、あたかも、現在の円安による物価高騰は日銀のせいではないかのような発言をして憚らない。

施政者が、起こっている現実を理解しようとせず、又は理解できず、無策又は他人任せに右往左往している際、国難を打開する唯一の方策は、国家の生存戦略立案と有事の処方を下す代議士諸氏を選び直すことに尽きる。

代議士という職業は、選挙区の信任投票により、国論や基調たる方針・戦略・政策を立案し国益を死守し、国力を再構築し、国民を幸福に導く「義務」を負う。

その代議士諸氏が非見識となり、日本国を疲弊させ、国力と信頼を失墜させつつある状況下、日本人は、国民の総意として、その本分を発揮しうる新しい代議士を選出するという手段をとるしかない。

チャーチルが、ヒットラーの侵略から英国を死守できたのは「自身の本分は国民の意見を聴くことであり、ヒットラーには決して降伏しないという国民の期待を実行する」ことによって、可能であったことに注目する時である。

この映画は、それを実に良く語ってくれる。

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