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【映画】鑑定士と顔のない依頼人 - ザ・ベスト・オファー

「ニュー・シネマ・パラダイス」・「海の上のピアニスト」などの名作で有名な、イタリアの名匠 ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、2013年に公開
した話題作です。

日本ではさほどの人気は得られなかったと記憶していますが、なかなかの
秀作だと思います。

「この映画の結末は、非常にポジティブなものだと思っています」
「愛を信じる人たちには理解可能でしょう。ですが、愛を信じない人には、
 暗いエンディングに思えることでしょう」という、
トルナトーレ監督の言葉を、頭の隅っこに置きつつご覧になってください。

天才的に見える鑑定眼を持ち、世界中の美術品オークションを仕切る一流
オークショニア(競売人)、ヴァージル・オルドマンが嵌められていく
ミステリー。ヒッチコックを彷彿とさせるような、サスペンス・ロマンス。

一度見るだけでは良く判らず、何度か見ていくうちに、巧妙に仕掛けられた罠にお気づきになるでしょう。私スピンは、3日間で 5回も見てしまいました (o^―^o)ニコ!!

シャーロック・ホームズでも、アガサ・クリスティでも、必ずミステリーでは、その「種明かし」をしてくれますが、このミステリーにはその場面がないので、犯人はだれだ?という推理をせまられます。

ご覧になった方々それぞれに、
・主人公に仕掛けられた犯罪と、
・何故、どのように、主人公は嵌められていったのか、
・最後のシーンで、主人公は何を考え、何を待っているのか、
考えて貰いたいと忍びよってくる映画です。

お薦めの一本。

ヒントは、以下のとおりです。

*Amazon Prime Video の案内文より、

  物語の始まりは、ヴァージルにかかって来たある鑑定依頼。
  それは、資産家の両親が亡くなり、屋敷に遺された絵画や家具を
  査定して欲しいという若い女性からの、ありふれた依頼の筈だった。
  ところが -- 依頼人は、嘘の口実を重ねて姿を現わそうとしない。
  ヴァージルは不審を抱きながらも、断ることが出来ない。
  なぜならその屋敷の床に、もしそれが本物なら歴史的発見となる、
  ある美術品の"一部"が転がっていたから ----

*主要な登場人物は、以下の8人。

  *ヴァージル(ジェフリー・ラッシュ):美術鑑定士・競売人
  *ビリー(ドナルド・サザーランド):ヴァージルの友人の元画家
  *クレア(シルヴィア・フークス):遺産の鑑定を依頼してきた女性
  *ロバート(ジム・スタージェス):機械職人
  *フレッド( フィリップ・ジャクソン):クレアの使用人
  *サラ(リヤ・ケベデ):ロバートの恋人
  *ランバート(ダーモット・クロウリー):ヴァージルの秘書
  *バーにいる女性客(キルナ・スタメル):問題の屋敷の本当の持ち主

*「無垢な心を持つうら若き依頼人の美女と、老鑑定人の生涯一度きりの
  ロマンス」という、大掛かりな一世一代の「贋作」にまんまと嵌められ
  た事を知る瞬間の、名優 ジェフェリー・ラッシュ の演技は絶賛もの。

*伏線の張り方やタイミング、観るものを欺くだけでなく考えさせるような
 シーン作りで、全てのシーンに意味があり、それらがしっかり、ピース
 としての役割を果たしています。

 最初は判らないのに、見終わったあと視聴者が伏線の意味を、ほぼ瞬間的
 に理解できるように張り巡らしているのがすごい処。

尚、余談ですが、ヴァージルが収集している、コレクションの中に
『ベアトリーチェ・チェンチの肖像』がありました!
ただし、一度しか出てきません!よーくご覧あれ!
この絵は本来、鑑定人のコレクションの中にあるレベルの芸術品ではない
ので、物語自体がフィクションであることを白状してしまっている、
一つのさりげない証拠です。

これを発見したときに、何故か不意にニコニコしてしまったスピンでした!


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