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アンヌ・ケフェレック:サティと仲間たち-ピアノ作品集

私スピンは、九州は霧島連山の山麓の山荘に、大切な相棒の猫と二人(二匹⁈)で暮らしております。
極めて人口密度の低い(約10人/1㎢!)山の中はとはいえ、新型コロナの感染という未曾有の事象は大事件で、外出するのにもおっかなビックリの始末であります。

長いStay Home期間中は、可能な限り心の波風を抑えたく、静かな音楽を
選んで聴いております。やはり、フランス印象派が多くなりますね。
 
本日は、フランスの至宝といわれるアンヌ・ケフェレックさんの演奏で、
サティを中心に20世紀初頭のフランス、パリに咲いた作曲家たちの珠玉の
名品集を。

00:00 サティ : グノシェンヌ 第1番
04:03 サティ : ピカデリー
05:44 サティ : ジムノペディ 第1番
08:42 セヴラック : 休暇の日々第1集より「古いオルゴールが聞こえるとき」
09:59 プーランク : ジャンヌの扇より「田園」
12:22 ドビュッシー : 夢
16:38 ラヴェル : ファンファーレ
18:35 サティ : ジムノペディ 第3番
20:53 ピエール=オクターヴ・フェルー : モンソー公園でより「のんびりと」
22:51 サティ : 風変わりな美女より「眼の中の意味ありげなキス」のワルツ
25:00 サティ : グノシェンヌ 第3番
28:00 アーン : 当惑したナイチンゲールより「長椅子の夢見る人」
30:45 サティ : グノシェンヌ 第4番
33:25 サティ : ジムノペディ 第2番
35:32 サティ : ひからびた胎児より「ナマコの胎児」
37:36 サティ : 風変わりな美女より「上流階級用のカンカン」
39:15 サティ : ジムノペディ 第2番
41:57 ラヴェル : シャブリエ風に
44:28 ドビュッシー : 小さな黒人
46:24 アーン : 口絵
49:56 デュポン : 憂鬱な時間より「日曜日の午後」
53:33 ドビュッシー : ベルガマスク組曲より「月の光」
58:41 サティ : グノシェンヌ 第6番
1:00:00 サティ : 梨の形をした3つの小品より 第1番
1:01:35 サティ : 梨の形をした3つの小品より 第2番
1:04:18 サティ : グノシェンヌ 第5番
1:08:03 ケクラン : 陸景と海景より「漁夫の歌」
1:09:25 アーン : 冬
1:13:52 フローラン・シュミット : 秘められた音楽 第2集より「グラス」


(実は)

恥ずかしいことに、スピンはずーっと、サティという音楽家は「女性」であると思い込んでいたのです。

有名な「ジムノペディ」や「ジュ・トゥ・ヴ(あなたが欲しい)」などを聴きながら、フランソワーズ・サガンやマルグリッド・デュラスの小説を思い出させる、得も言われぬやさしさや、パリィの下町にかすかに流れる 枯れたシャンソンのような、澄み渡った静寂感を感じていたからかもしれません。

ケルト-中世-フランス-印象派-とつながる音楽の旅の途中に、必然的に現れる「サティ」。

アンヌ・ケフェレックさんの演奏を、静かに聴き続けました。
緑濃い若葉に注ぐ静かな雨のような透明さが、穏やかに響いてきます。
頑張ろう!などという、気分を高揚させるものではなく、あくまでもさりげなく、そっと寄り添ってくれる静かな微笑み、とでも申しましょうか・・

いや、まさか男性だったとは。
とんでもない錯覚ですね。(冷や汗ものですが)


 ≪ エリック・サティの音楽をお聴きになったことがない方のために ≫

1866年5月17日生 - 1925年7月1日没。近代フランス音楽の先祖的なフランスの作曲家です。

ドビュッシーもラヴェルもサティに大きな影響を受け、印象主義の大作曲家たちはサティへの尊敬の念をずっと忘れることはなかったそうです。

主として酒場で演奏活動をしていたらしく、お客の邪魔にならない演奏、
壁に張り付いた家具のような存在としての音楽、と、ご自身でも表現されていたそうで、その意味では、現在のイージーリスニングのルーツのような
存在かも知れません。

1900年代の初めといえば、1914年7月の第一次世界大戦勃発、1917年3月のロシア革命、等に代表されますが、ヨーロッパ全土が戦乱と革命の激震に
見舞われ、大きく揺れ動いた時代。

明日も生きているか、を確信できる人など誰もいず、絶望と耽美と高揚が交錯する精神世界に、たゆとうていた時代です。

( この時代を下敷きにしたフランスの作家 ジョルジュ・シムノンの小説はお奨めです。)

ケフェレックさん の紡ぐ ピアノは、儚く、静かです。そしてときおり、
すぐそこにある深い闇を端整に描き出してくれます。

YouTubeのコメントにこんなのがありました。
「Escuchar a Anne Queffelec interpretar a Eric Satie es como leer un poema de Verlaine tumbado sobre la hierba, escuchando el sonido del agua del río deslizarse por entre las piedras en un atardecer de verano.
「アンヌ・ケフェレックが奏でるエリック・サティを聴くのは、
夏の夜、芝生の上に寝転がって、石の上を滑る川の水の音に耳を傾けながら、ヴェルレーヌの詩を読むようなものです。

”フランスの至宝”といわれる所以ですね。

本日のCD、ここで手に入ります。お気に召されましたらどうぞ (o^―^o)


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