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タッチパネル券売機についての議論

スペースマーケットデザイン部ではリモート体制が主になって以降、週に一度30分程度時間をとって雑談をしています。「最近食べたおいしいお菓子」「おすすめの本」など他愛のない話題も多いのですが、時にはデザイン関連のテーマで話すこともあります。これまではこのような話題が取り上げられてきました。

そんな中、少し前に駅のタッチパネル券売機について話題になっていたこともあり今回はこのテーマで議論してみることにしました。

前提として我々デザイン部のメンバーは全員新幹線に乗る頻度が低く、券売機に馴染みがない という背景があります。

やりたいことと選択肢の乖離

上の画像を見て最初に感じたのはやはり「どこを押すか迷う」という課題です。このようなレイアウトではメイン導線はおそらく左上に配置されていると思うのですが、何より先に行うのが「指定席」か「自由席」の選択であることが不思議でした。

まず「〇〇へ行きたい」という目的がありその移動の手段として新幹線に乗ろうとするので、最初は行き先を選ぶ方が自然に感じられます。「指定席」「自由席」は座席の区分であり「〇〇行きの新幹線」の中にあるものなので、先に席から選ぶという想定は頭にありませんでした。

これを踏まえると「乗換案内から購入」がその操作に一番近いという期待がありますが、これも実は癖があるそうです。

おトクなきっぷとは

こちらもまた馴染みのない項目です。「指定席」「自由席」などと同様の大きさで並んでおり、同等な選択肢に思えます。
JR東日本のサイトによるとこれはフリーパスや往復きっぷ・回数券など通常と異なるタイプのきっぷを指す言葉のようです。

券売機の画面左上には「きっぷの種類をお選びください」の文字がありました。確かにその選択肢としては必要な項目と言えるかもしれません。
しかし、この前提には疑問があります。

「券」売機・「きっぷドリブン」であること

冒頭に感じた違和感はこれが理由です。

まず「いつ乗って・どこへ行きたいか」の選択がメインで行われるべき操作で、その後そこに種別(=自由席 or 指定席)があればオプション的に選択する という流れが自然に感じられます。
togetter でも言及が見られましたが、みどりの窓口では会話によってこのようなやりとりが行われていると思います。

目的の行き先・時間帯の新幹線で指定席が空いておらず自由席に変更するという行動は予想できますが、指定席が空いていないので行き先を変えるという行動はあまり考えられません。指定席か自由席かを先に選んで空きが無かった場合、そこから行き先の設定を保存した上で席の種別を変更できるのかも気になります。ちゃんと導線があるのかもしれませんが、そもそも目的として不変なものは最初に選択することで操作の重複は防げるのではないでしょうか。

今回このように「違和感の正体はきっぷ中心だから」という結論を出した後、上野学さんの「券」売機という名称に言及するツイートを見てさらに腑に落ちる感覚を得ました。

えきねっとは使いやすいか

皆どのようにきっぷを購入しているのか、を考えた際「今はネットで買っている人が多いかも」という意見が出たので確認してみます。
「えきねっと」のトップページを見てみると、行き先から検索できるフォームがすぐに目につきました。

乗車駅・降車駅を選び日時を入力するという操作はふだんの電車の乗換案内でも行う馴染み深いものです。さらに「片道」がデフォルトで選択されており、必要があれば「往復」のタブを選んで検索します。すると対象の新幹線の情報が表示され、そこには出発時刻の他に指定席・自由席・グリーン車の空き状況もありました。求めていた使い勝手です。
これは完全に憶測ですが、券売機の設計を見直しすべてをリニューアルするのには莫大なコストと時間がかかりリスクも大きいため、このようにWEBの改善が優先的になされているのかもしれません。

(余談)新幹線はなぜ切符が2枚必要なのか

この話題に関連して「特急券」の扱いについても話が及びました。新幹線に乗る時は「乗車券」と「特急券」の2枚が必要になりますが、これには明確な理由がありました。

料金体系が2分割されている理由は、基本料金と速達料金がサービス的に分けられているからである

https://takumick.com/joushaken-tokkyuuken#2

乗車券は電車に乗るために必要な券です。加えて特急券を買うことによって「速達料金」を支払い、新幹線の移動速度という価値を手に入れるということです。

新幹線も在来線の特急も、主要駅〜主要駅を結んで運行しています。しかし運賃はそれぞれ別々に扱われ距離や区間に応じて計算されるので、主要駅以外での発着を考えると特急券・乗車券という分かれ方をする必要があるとのこと。改札で特急券だけ回収されるのもこれが理由ということになります。

トレンドの話題について、自分たちで考えてみる

今回はたまたまTwitterで話題になっていたテーマを取り上げましたが、ただ傍観するのではなく自分たちで考えてみるという点で非常に良い試みだったと思います。ラフにでも人と話し合うことで客観的な意見も取り入れられ、新たな気づきも得られるのでこの時間はとても楽しいです。
今後も「なぜこうなのか」の理由を、素晴らしいデザインであれば良い点を、使いづらさであれば改善を、思考を止めることなく話し合っていきたいと思っています。

現在スペースマーケットではデザイナーの採用を行なっています。このような取り組みに興味のある方・デザインにまつわる色々を語り合いながら働きたい方、ぜひ一度気軽にお話しましょう。

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。