月刊_見聞録

1&2月見聞録 【映画編】 -2019-

 あーだこーだと悩んでいたら、すっかり1月分の映画編を更新できていなかった! ということで、2月とまとめてミニマムでお送りいたします。もう3月になっちゃったのね? 早すぎて認識できてなかったよ!(それはさすがに嘘だけど)

1月編

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』

 魔法ワールドにまたこうやって再会できるなんて……。小学生の時にハリー・ポッターからかけられた魔法は解けていなかったらしい。1作目を観ていなかったのに、1/1のファーストデイになんの気なにし観に行ったらめちゃくちゃハマってしまった。ただただニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)がタイプなだけでしょう? と聞かれたらそうなんですけど……(笑)。って、いや、それだけじゃなくて! ハリポタにハマった人ならわかる“ハリポタ小ネタ”がたくさん入っていて、魔法ワールドファンは思わず胸をくすぐられてしまうのです。

 ファンタビはかわいい魔法動物とのほのぼのはちゃめちゃストーリーなのかと思いきや、めちゃくちゃ闘っていてびっくり。ハリポタがハリー VS ヴォルデモート卿なら、ファンタビはニュート(ダンブルドア) VS グリンデルバルド。しかもダンブルドアとグリンデルバルドはかつての友人なので、この先どういう展開が待ち受けていることやら(とか言いつつ、ファンタビはハリポタの前日譚のようなものなので、結果はわかってるのですが)。2年スパンでの公開とのことなので、来年まで新作がお預けなんて……。早くまたニュートに会いたい(ちなみに若き日のダンブルドアをジュード・ロウが、グリンデルバルドをジョニー・デップが演じている。この配役の本気度、まじハリウッドだぜ)。


『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(Prime Video)

 観ていなくても支障はなかったけれど、細かい人間関係を把握しておきたくて、翌日Prime Videoで視聴。レンタルビデオショップに行かなくてもPCがあればすぐに映画が観れちゃうなんて、便利な世の中ですねぇ。平成ヒトケタ生まれは素直に感動してしまいます……。

 2作目と異なり、こちらは魔法動物(ビースト)たちとのふれあいが中心でドキドキワクワク(闘いもするけど)。人間とはうまくしゃべれないニュートですが、動物たちに注ぐまなざしや触れる手つきはすごくやさしくて、思わずきゅんとする。本当にかわいい。ニュートの不器用な恋愛にも要注目。私はラストの船のシーンで心を爆発させかけました。かわいすぎる。

 あまりにも魔法ワールド熱が加熱しすぎて、関連雑誌を買ったり、メルカリで1〜2作目の映画のパンフを買ったりもしました。こういう、『世界』に浸っている時がいちばんしあわせ。


『リリーのすべて』(Netflix)

 ファンタビでエディ・レッドメインにすっかり魅了され、登録していたNetflixで彼の出演作品を探して観た。詳細はこちらに(コンテンツ会議2月号に選出されてました。ありがとうございます!(嬉))。世界ではじめて性別適合手術を受けた画家のお話。愛とは、しあわせとは、を、なかなかに考えさせられる映画でした。エディ扮するアイナーがリリーという女性になっていく過程がとても繊細に描かれていて、胸がいっぱいになる。


『フォレスト・ガンプ/一期一会』(Netflix)

 スピッツのマサムネさんがおすすめしていた作品。観たいな〜観たいな〜と思いつづけ、ようやく10年越しに鑑賞(遅)。

 物語は、中年になった主人公のフォレスト・ガンプが、バス待ちの乗客たちにこれまでの人生を語っていく形式で進んでいきます。彼の知能指数は人より劣っていたけれど、走ることと誠実さには定評がありました。持ち前の純粋さで、目の前のことに一生懸命取り組み、彼は成功をおさめていきます(ただ、フォレストは成功することに興味はない)。でも、半生に渡って思いを寄せ続けるおさななじみのジェニーとは、互いの人生の岐路で何度か再会を果たすものの、同じ道を歩んでいくことができない。奔放な彼女は自分自身を持て余し、大切にすることができないでいた。フォレストはどんなに距離が離れていても、彼女のことを思いつづけながら日々を過ごしていく。

 映画の終盤で、フォレストがなぜバス停でバスを待っているのかがわかるのですが、そのあとがもう泣けてしょうがない。ずるいよこの演出。94年公開ですが古くささは感じないし、2時間22分もあるけれど長さも感じない、素晴らしい作品でした。落ち込んだ時にまた観たい。


『メアリーの総て』

 わずか18歳でゴシック小説の金字塔・『フランケンシュタイン』を書き上げた作家、メアリー・シェリーのお話。昔読んだ伊藤計劃の『屍者の帝国』で、そういえば作者が女性だって書いてあったなぁなどと、映画を観ながら思い出した(なんの映画なのか、観るまであんまり把握していませんでした。ただただベン・ハーディが観たくて行ったので、、、笑)。

 映画の中でメアリー(エル・ファニング)は、「孤独な“怪物”は私よ」と、作中でフランケンシュタインが生み出した怪物と自分を重ねる。なぜなら、彼女は壮絶な人生を送るからだ。

 メアリーは16歳で妻子持ちと駆け落ち(口説かれて燃え上がってしまった)。「自由恋愛」を標榜する、のちの夫で駆け落ち相手のパーシー・シェリー(ダグラス・ブース)は相当な放蕩グセの持ち主で、呆れた親は彼を勘当、親のお金で生きていたパーシーは破産。さらに生後まもない我が子の死やパーシーの裏切りがメアリーを襲う。彼女の周りに「人」はいたけれど、心に寄り添ってくれる人がいなくて、彼女はいつも「ひとり」だった。あまりの不幸の連続に、「もうやめてー!」と叫び出したい気分でした。劇中でクズ男のクズ加減に吐きそうになったなんてはじめて……(涙)。

 絶望の淵に立たされた彼女は、あるきっかけで小説を書きはじめ、それが『フランケンシュタイン』なのだけれど、やっと書き上げた小説も出版社はなかなか取り扱ってくれない。「若い娘の書いた怪物の物語を、誰が読みたい?」、「夫が書いたのでは?」、「夫の名前でなら出してもいい」などと、ひどい言葉を投げつけられる。ここではじめて、メアリーはブチギレます。「女だからって!」と。正直私はもっと前にちゃんとキレておいてほしかったなと思ってしまったけれど、そこまで追い詰められたからこそ、『フランケンシュタイン』は生まれたのかも。

 映画の中で、メアリーの母はフェミニズムの先駆者だったと言われていたけれど、この間読んだ本で出てきたメアリー・ウルストンクラフトこそが、彼女の母だった。意外なところでつながってびっくり。監督も編集もプロデューサーもすべてが女性だという本作は、ウルストンクラフトやメアリーから受け継いだフェミニズムを描いて、現代の女性をも勇気づけたかったのかもしれない。

 ちなみにベン・ハーディはめちゃくちゃ脇役でした。それでもかっこよかったし、トンデモ男性ばっかり出てきた本作では唯一の癒しでした。エル・ファニングの演技力には脱帽。撮影時は17歳だったそう。そしてめちゃくちゃかわいい……。2つ目の動画観て……。本当にかわいい。



2月編

『チワワちゃん』

 感想はすでにここに書いてある通り。映画のあとに原作を読んだら、『チワワちゃん』は短編集の中の1編だと知って驚く。しかも、劇中で印象に残ったセリフのほとんどが漫画に出てきており(『チワワちゃん』以外の物語に出てきたセリフも)、岡崎京子のつむぐ言葉の深度ってすごいんだなぁと心から思った。

 そういえば、映画の撮影現場では二宮監督がメガホンを持って「はい、踊る!」、「はい、チューする!」などと結構フランクに指示をしていたそうだけど、成田凌はそれにイライラしていたらしい(笑)。「キスシーンは緊張するのに!」だそう。イケメンでも緊張するんですね……。

 あと、今回の主たる俳優陣の中で門脇麦は最年長だったらしく(26歳で!?)、結構周りのことを気にかけて積極的に声がけしていたそうだ。すばらしい先輩だ……。門脇麦を見習おう。


『21世紀の女の子』

 感想はこちら。『溺れるナイフ』などの監督・山戸結希がプロデュースしたオムニバス短編集。前に書いたnoteでは、東佳苗監督や山中瑶子監督の作品が好きだったと書いたし、それに嘘はないんだけれど、最後を締めくくる山戸監督の作品は本当に圧倒的だった。『21世紀の女の子』がなぜ生まれたのか? それを総括する大事な1編。鳥肌が総立ちでした。女の子の、女性の底力を見せつけられて、私も書かなきゃと思った。だからnoteに感想を書いた。もっともっと、いろんな人の目に焼きつけられるべき作品だと思います。


 ふぉー、やっとまとまりました。1月、2月もおつかれさまでした。3月もすでにいろいろと見聞していて、毎日忙しいです。あぁ、たのしい。

 関係ないのだけれど、今年の花粉の多さに粘膜がすっかり悲鳴をあげ収集がつかなくなってしまったので、プラズマクラスターを導入しました(今日届いた)。QOLが上がればいいなぁ。花粉症のみなさん、がんばりましょうね……!!!

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