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SCFCだからこそ活かすべき『渋谷の強さ』【実践!スポーツビジネス道場#35】

←第34話

ポッドキャスト番組「実践!スポーツビジネス道場」の文字起こし記事です。
実践!スポーツビジネス道場」は一般社団法人スポーツビジネスアカデミ(SBA)の公式オンラインサロン「THE BASE」が毎週木曜日に配信しているポッドキャスト番組です。
スポーツビジネス界で奮闘する若手ビジネスパーソン、酒井翼さん(東京都社会人リーグ1部所属のサッカークラブ「SHIBUYA CITY FC」でスポンサー営業を担当)が日ごろの業務での葛藤や悩み、アイディアをスポーツビジネス界の第一線で活躍し、SBA代表理事を務める荒木重雄さんに壁打ちし、成長していく様子をお届けしています。

酒井)もう一つ今日お話ししたいなと思っていることが、またスポンサーシップの話になってしまうんですけれども、より具体的に今僕が交渉していることがあるので、それに対してざっくばらんにご意見がお伺いできればなと思います。

荒木)はい。

酒井)今僕が考えているのが、渋谷っていう街をスポンサーシップ目線でうまく使うということです。背景で言うとコロナ禍で飲食店が大変で、渋谷の街を歩いていても昼間でもシャッター閉めている店は結構多く、テナントさんオーナーさんが大変さが伺えます。そのままシャッター街になってしまうとテナントやオーナーさんが大変なだけでなく、街全体も盛り下がってしまうことを考えると、例えば商店街と連携をして僕らがシャッターを広告枠として買い取らせていただいて、僕らだけだとちょっと無理があるので、”頑張ろう渋谷”とか”コロナ禍後に渋谷にまた来てください”みたいなメッセージを出しつつそこに、SHIBUYA CITY FC×スポンサーという形でタイアップ広告を出すのはどうかな、と。僕らからするとスポンサーシップの収入も入るし、プラスアルファで広告枠を買わせてもらうことでオーナーさんに対してお支払いするみたいなことができないかなと思っていて。実際に商店街の人とも話をしていてテナントさん、オーナーさんを説得さえできれば是非やりたいよねっていう話までしているんです。しかしスキーム的に複雑なことがあったりだとか僕の中で見落としてる部分とか、よりスポンサーとしても売りやすくなる方法とか、ざっくばらんに荒木さんのご意見をいただければなと思っています。

荒木)なるほど、発想は面白いよね。ちなみにそれはどういう商店街なの?

酒井)センター街です。道玄坂とか。

荒木)まず市場の読みがあるよね。緊急事態宣言が2月7日(収録時)までで補助の関係で無理やり閉めてるところもあるので。あと時間軸だよね。今現在収録日は1月27日だけれども、緊急事態宣言下の残りの日数で、その後はどうするのかっていう問題もあるし。一般的にシャッターを閉めているのは人がいないのが理由で、人がいないところに広告を出しても意味がないじゃんっていうそもそも論をあるので。開いてる店と閉まっている店があってシャッターが閉まっている店が少ない場合に、そこに広告の価値ってどのぐらいあるだろうっていう。変な話、取り組みのどこでアピールするかだよね。その広告を見てもらわなかったらスポンサーメリットないわけで。スポンサーメリットあるって事はそこに人通りがなきゃいけないっていうわけで。人通りがあるならばお店開けた方がいいってわけで。それでも閉めてるって言うのは何らかの理由で全部閉まっている。
例えば”センター街がこんなになっちゃった”みたいな中でシャッタージャックをしてコマーシャルをしてそれが話題になって、”このシャッターをいつかみんなで開けようぜ!”みたいなムーブメントを起こして。それにスポンサーが協力をしてそれ自体を見に来る人もいれば、それ自体は何らかのムーブメントで、ネットコミュニティに出していくことにスポンサーシップがついてるとか。
あるいはそれこそバンクシーじゃないけどシャッターペインターを全国から募集して、そこで選ばれた人がセンター街のシャッターを埋めていくみたいな。それ自体をSHIBUYA CITY FC が主催してコンテストにしてスポンサーをつけて、そのシャッターのデザインはそのお店だけでグッズ展開して売るとか、お金を集める手段としてはクラウドファンディングとか使って、そのデザインのグッズを作ってみんなで応援しようぜみたいなムーブメントを作っていくっていう一連の流れがあるとなんとなくイメージがつくけれども。
1店1店口説いてそこに”頑張ろう渋谷”でスポンサーをつけても、テナントとかは OK を出したとしてもお店の人も多少なりともお金が入ればいいっていうのは当たり前の話だけど、スポンサーに何のメリットがあるかのかみたいなところが見えなかったかな。

酒井)イメージとしては今ちょっと話ができていなかったんですけれども、おっしゃっていた通り、そこに実際に人が通って見ることによる効果というよりは、そういった取り組みを通じてメディアとかに取り上げられたりだとか渋谷であるからこそ話題になるところがスポンサーのメリットになるかなと思っています。

荒木)そうだよね、やるなら簡単じゃないけれども”頑張ろう渋谷”的なことだと復興型の話になっちゃうので、確かに話題になる可能性はあるけど、話題になった時に、仮にテレビが取材に来たとしてもスポンサーの名前がちょこっと映りましたみたいな話だと、この露出だけでメリットがあるとは思えないよね。
あと1回の山しか無いのではなく、話題性が継続的にないといけないと思う。やるとしたらその話題が一過性のもので終わらずにやる前・やっている時、終わった後それぞれにストーリーがあって帯で考えることによってスポンサーメリットが出てくるんだろうなって。
それがもし面白ければ、閉めてないお店も閉店時間になったら閉めるわけなので、全部閉まるとひとつの物語が起こるみたいな。全店舗参加して、なおかつ"頑張ろう渋谷"っていうキャッチフレーズは活かしつつもデザイン画は全国から募集するとかにすると、毎年できるよねっていう。このアフターコロナにおいて毎年できるような演出をして”センター街の本番は夜の12時からだ”みたいな。夜の12時になるとライティングが始まって、そこにカメラがついて何かが始まるみたいな。それをみんな家で見てね、みたいなそんな新しいバーチャルナイトエコノミーみたいな先端を渋谷が作ったとなると継続的な帯の物語になって来年にも繋がるので、スポンサーを募って、話題を作って、グッズ展開してみたいな感じでやると面白いなって思うよね。簡単じゃないけどね。

酒井)おっしゃる通り、単発でやっていても全然意味がないですね。

荒木)スポンサーメリットがないよ、正直。自分がスポンサーだったらそこに一か八かでテレビ出るかもしれないってお金払わないでしょう。

酒井)それこそ帯の考え方で言うと、例えばシャッターを使用する案だと、飲食店だった場合、ビールメーカーをつけてそこの飲食店がコロナ前は A 社のビールを取り扱っていたけどもスポンサーになってくれたB社を仕入れるようになるとか、そういう店舗のその後と繋げるみたいなこともあると思っています。
色々なステークホルダーが絡んでいて複雑なところはあると思うんですけれども、おっしゃる通り結局は全体のストーリーと言うか、”頑張ろう渋谷”だけじゃないスポンサーから見た時の共感できるところを継続していく作っていくというのが一つ肝になるかなと思っています。

荒木)センター街なんて日本の代表の”THEショッピングストリート”と言うか”THE商店街”じゃない?渋谷だけでは”シャッターミュージアム”じゃないけど新しいムーブメントが起きて上手くライセンスとか権利とかをとって、シャッターミュージアム系のライセンスプロバイダーとして、渋谷発で全国の腐るほどあるシャッター商店街で日本を明るくする、とか。渋谷から始まってそれが点々といろんな地方都市のシャッター商店街に美しいアートが展開されるって言うようなムーブメントになったらいいよね。

酒井)そうですね。日本全体が元気になる、みたいな。

荒木)そしたら観光地になるかもしれないしどっかのアーティストがどっかの商店街をジャックしたみたいな、それをバーチャルでいろんな商店街のアーティストが見れてっていう。逆手に取った話だよね。シャッター商店街を美術館にするみたいなプロジェクトでそれがセンター街から始まって○○県の○○市○○町の○○商店街では誰々が何月から何月までミュージアム・美術展をやりますみたいな。それをビジネス特許になるのかな?それをやった本舗がSHIBUYA CITY FC とセンター街ですみたいな。そういうのは全然可能性あると思うよね、面白くて乗る人もいると思う。

酒井)わりと渋谷の中で発想を閉じ込めていたので…。

荒木)もったいないよね、渋谷の使い方ってそういうことだと思っていて。全国に広げて最後に集結とか、渋谷から始まって全国に展開とか、そういうパワーがある街じゃない?渋谷って。だから渋谷の中で渋谷のコミュニティだけでやるっていう発想じゃなくて、せっかく渋谷なんだから”最後は渋谷だぜ”みたいな。全国で予選をした決勝戦が渋谷とか、なにか発表会を渋谷でとか、全く逆で渋谷でやったものを全国に広げていくとか。そういうところに目を付けた方がいいと思うよね。

酒井)”流行の発信地、渋谷”みたいな。

荒木)発信地であり集結地であり終着地である、みたいな。そんなブランドを持つ場所だと思うし。

酒井)クリエイター、アーティストに限らずミュージシャンとかかもしれないし、ちょっと今すぐ出てこないんですけれどもそういうことですよね。

荒木)ごめんね、なんか好き勝手に言ってるけど。

酒井)いやいや、そういう荒木さんの視点を頂きたく。例えばそういうアーティストが渋谷から始まって色々コラボレーションしてシャッターを染めて行くみたいな。これだいぶ踏み込んだ話になると思うんですけれども、こういう会社だったらスポンサーとして乗ってきそうだよね、みたいなのってありますか?

荒木)いやわかんない。パッと思いつくのは文化シャッターさんとか?わかんない(笑)

酒井)ハハハ、わかりやすいですね!toC向けで話題性があるものに対して親和性があるとか、そういう広告を出す会社さんということですね。

荒木)そうだよね。そこに地域貢献とか社会貢献プログラムと合わせてやるとかでだいぶスポンサーの広がりも出てくるかもしれないね。いやでも簡単じゃないのは重々承知なんだけれども、全国のシャッター通りを逆手にとって、それを美術館にしようみたいな発想って絶対メディアにも取り上げられる気がするけどね。

酒井)そうですよね、例えば A都市とB都市でそれぞれ物語が続いているとか、それこそ御朱印巡りみたいにシャッター街巡りみたいな。

荒木)まさに観光地として、好きなアーティストがどこってなったら行く人いると思うんだよね。ツーリズム造成もできそうだし。

酒井)むしろ個別で色々ご相談させていただきたいです(笑)ありがとうございます。

荒木)ありがとうございます。


≪第35話 終わり≫

■登場人物
➤荒木 重雄 Shigeo ARAKI

一般社団法人スポーツビジネスアカデミー(SBA)代表理事。
株式会社SPOLABo、株式会社スポカレ代表取締役。2005年に千葉ロッテ球団の執行役員・事業本部長、パシフィックリーグマーケティングの取締役執行役員を歴任。日本サッカー協会(JFA)の広報委員をはじめ、官公庁のスポーツ関連プロジェクトなどにも多数参画。
SBAオンラインサロン「THE BASE」公式サイトはコチラ

➤酒井 翼 Tsubasa SAKAI
2021シーズンから改称&昇格しJ1から数えて7部相当の、東京都社会人リーグ1部に所属するサッカークラブ「SHIBUYA CITY FC」(元TOKYO CITY FC)にてスポンサー営業などを担当。
スポーツクラブで働きながら、1000万円プレイヤーになることを目指し、日々奮闘中。
SHIBUYA CITY FC 公式サイトはコチラ


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日米英に拠点を置き、スポーツビジネス界の第一線で活躍する理事4人が世界の最新スポーツビジネストピックスを発信する「理事会」や、スポーツビジネスの各専門分野に長けたゲストをお招きし、担当理事とのトークディスカッションをお届けする「サロン」など、スポビズパーソン注目のコンテンツを定期的に発信しています。昨今のコロナ禍を経て、オンラインでのコンテンツを強化し、直近のサロンはほぼアーカイブにて配信中!(いつでも何度でもご視聴可能!)
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