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「海外リーグ得点王」を引っさげ、徳田廉之介が「14人」入りを狙う

日本人選手史上3人目となる快挙を達成―。

昨シーズンからポーランド1部リーグのタルヌフでプレーする徳田廉之介(23歳)が、レギュラーシーズンを終えて通算160得点をあげ、得点王に輝いた。

日本人選手で外国リーグで得点王のタイトルを獲得したのは、2014-15シーズン・ハンガリー男子1部リーグの銘苅淳(ただし、レギュラーシーズンのみの成績。現・関学大男子部コーチ)と、5月にリーグが終了した今季のフェロー諸島女子リーグの儀間晴香に次ぐ3人目となる。男子としては2人目だ。

徳田は「気づいたら得点王になっていて、自分でもビックリ。昨年の11月くらいにランキング首位に立って以降、そういうタイトルを取ったことはこれまでになかったので意識はしてきたけど…」と、最終的に得点王になれたことに驚きつつも「シーズンを通してある程度安定して得点できたのがよかった。11月には3試合で32得点(11点、11点、10点)取れたことがあった。僕のハンドボール人生では1試合11得点が最高だったけど、それは市大会とかのレベル。だから、こうした高いレベルでそれだけ取れたことが自信になった。気持ちの面での慣れが大きいと思う。試合を重ねていくうちに落ち着いてプレーすることができるようになった」と話した。

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26試合で160得点、1試合平均6得点強は胸を張っていい成績だ。

技術的な面では「昨シーズンは点を取ろう、取ろうと力が入っていたけど、今シーズンの途中に監督から『落ち着いて、自分で行きすぎないように』と言われてから、力を抜くのも、周りへのパスもうまくなったと思う。力を抜いた状態で、スペースを見つけたら全力で行く、という緩急がつけられるようになった。

また、身体も強くなったと思う。シーズン中に6kg増やすことができて、それは(いっしょにトレーニングをするチームメイトの)吉田(守一)の影響もある。

あとはシュートバリエーションを意識していた。昨シーズンはDFを突破したあとに打つところがなく、6mのシュートを止められていた。その反省を活かして、今シーズンは跳んですぐ打つ(クイック)、ためてぎりぎりに打つなど、タイミングを変えたことでシュート率がアップしたと思う」と振り返る。

国内カップ戦では決勝まで勝ち上がった。

徳田は「決勝で戦ったキェルツェ(ポーランドNo.1のチーム)は最初から本気でビックリした。これが世界のトップかと驚いた。組み合わせがよかっただけ」と冷静に話したものの、リーグでも1部残留を果たせたのは、徳田とポストに定着した吉田の貢献が大きかったことだろう。

海外の1部リーグで得点王という結果を勲章に、めざすは東京オリンピックの日本代表だ。

「1月の世界選手権(エジプト)後、自分としては全然ダメで落ち込んでいたけど、タルヌフで監督から『悪くなかった。相手との距離感もよかった』と言ってもらったり、チームメイトも『日本はすごいじゃないか』と言ってくれたので気持ちを持ち直すことができた。

代表では右バックの一番手になりたい。そのためにも(新型コロナウイルス対策のために帰国後隔離期間があり、吉田とともに参加は22日からとなるが)今回の合宿でアピールしたい」と、同じポジションを渡部仁(トヨタ車体)、兄・新之介(豊田合成)ら強敵と争うことになるが、それでも「14」という狭き門をくぐるための準備はできていることは証明した。あとは残りの期間、全力でダグル・シグルドソン監督に、その力を見せるだけだ。

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