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広島のブックフェスで買ったドヴォルザークの交響曲全集を聴きながら♪:チョコっとチェコ語講座⑦+広島野球小噺

広島市民球場跡地で開催されていたブックフェスに三度通って、衣笠祥雄さんの直筆サイン本【野球の夢一途に】とドイツグラモフォンのドヴォルザーク交響曲全集を買ってみました。野球本は日頃から、老舗のアカデミィ書店さんにお世話になっているので、またの機会に譲るとして、ベルリンフィル&チェコの伝説的指揮者、ラファエル・クーベリックのコンビでドイツグラモフォンのドヴォルザーク全集が1200円で叩き売られていたのには仰天でした。誠に有り難う御座いました。

ドヴォルザークの交響曲と云えば九番の【新世界より】もしくは”ドボパチ”などと呼ばれて親しまれる八番が有名で、よく演奏されていますが、一番から九番迄、まるで野球の打順の如く並ぶラインナップを順々に聴き比べて行くと、打順毎に個々の役割が与えられているように、タイトル毎の個性が光って実に面白いですな。当然、同じ作曲家の脳波が創り出した旋律ですから、一番から九番まで、広商野球の様なチームとして抜群に統制の取れた一体感と世界観が感じられるリズムを響かせていて、実に爽快な交響曲全集ですな◎

ベースボールはアメリカのタウンミーティングにルールを由来すると云われ、タウンミーティングでみんな平等に発言の機会が廻って来る様に、大砲ベーブ・ルースにも非力な9番打者にも公平に打順を回すようにしたわけですが、今や、当時のヤンキースならばルースとルー・ゲーリッグ、それにマリリン・モンローの元旦那様、ジョー・ディマジオくらいしか語られない現実同様に、ドヴォルザークの交響曲も前半のラインナップが公で演奏されることなんて、実に稀少です。

余談ですが、広島市民球場が完成する以前にカープがホームグラウンドとして使用していた西区の広島総合グラウンドには、1954年2月、そのジョー・ディマジオがワシらのカープの指導に訪れ、日傘を指した麗しの新妻、マリリン・モンローが微笑んで、その光景を見守るヒロシマメモリアルな昔日も存在しました。

さて、日本やアメリカではドボルザークと呼ばれるクラシック界の巨匠、実はAntonín Dvořákと書いて、アントニーン・ドヴォジャークさんとお読みするのが正式なお名前です。以前に書いたように、チェコ語には、この【ˇハーチェク】と長母音を表す【´チャールカ】及び【⚪︎クロウジェク】と云う3つの発音記号が存在し、一筋縄では読めないところが、また面白いんですな。そう云えば、隅田川のほとりの蔵前”どぢょう屋”さんの隠れ場で営業していたチェコ雑貨屋さんの店名が”チェドック雑貨ストア”から、其の”ハーチェク”さんに変わって、同じ台東区の路地裏でリオープンなさっていましたので、早速立ち寄ってみました。相変わらずセンスよい品揃えで、あれもこれも買いたくなりましたが、チェコのドラえもんとも云うべく国民的キャラクター、モグラのクルテクのイラスト皿を一枚買って帰り、広島の朝食を彩ってくれています。

【Krtekクルテク】は、そのまま”モグラ”の意味ですが、チェコ人は愛情を込めて【Krtečekクルテチェック】と呼びます。”モグラちゃん”って感じですな。ドヴォルザーク同様にクルテクにも発音記号ˇハーチェクが採用されてクルテチェックと可愛らしく化けるのです。

我が国で、ドヴォルザークと並んでチェコを代表する作曲家と云えば、交響詩【我が祖国】で有名なべドルジーハ・スメタナですが、Bedřích Smetanaと書いて、実は、ベドジーフ・スメタナさんとお読みします。スメタナって【生クリーム】と云う意味ですから、お店でケーキやスープを注文する度に店員に「スメタナ付ける?」なんて聴かれますぞ笑。

ドヴォジャークもスメタナもクーベリックも、スメタナが【我が祖国】中に編んだ【Vyšehrad; 高い城】に横たわる国民墓地に眠っています。Vyšehradはビシェフラッドと読みますが、プラハ市民のお散歩コースの1ルートであり、あんなに美しいビシェフラッドの高台を目指して、気軽に散歩に出れるだけでもプラハの民って幸せ者だな〜と思いますなぁ。写真の奥に聳える2塔建ての教会に見守られる眼下に国民墓地が在ります。写真中央を路面電車が走る道路が見えますが、Vyšehradとの交差点辺りにOstrčilovo náměsti(オストルチロヴォ ナームニェスチーと読む、笑笑)と云う電停が在るので、その辺りで降りて坂道を登って行き、ぐるりと高城の丘の上を散歩して、チェコの英雄達のお墓参りをしてから、写真奥からプラハ城を遠くに見やりながらヴルタヴァ河に向かって降りて行くのがワシのお薦め絶景コースです。



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