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#04 試合とイベントの関係を考える

試合前、試合中、そして、試合後。

クラブや、リーグは、これら、さまざまな場面で、さまざまなイベントを行い、集客アップを目指しています。
試合と、イベント。
今回はこの二つの関係を考えてみます。
もっとも良好な関係とは、どんなものなのでしょうか。


本当にアイドルは必要なのか

試合前にアイドル歌手が登場し、
歌を歌い、「両チームとも、頑張ってください〜!」とエールをおくる。
こんな試合に、わたしも何度か、でくわしました。

例えば、その昔、大宮vs浦和のさいたまダービーでは、当時、スカパー!Jリーグのオフィシャルサポーターに就任していた乃木坂46が試合前に登場。
公式応援ソングを披露しました。
この時、浦和サポーターからブーイングが起きた事が記事になっていました。

結論からいうと、わたしは、この手のイベントには反対です。

なぜか。
「中途半端だから」です。

なにが、中途半端か。
それは、試合との関連性とでもいうべきでしょうか。

この試合は大宮のホーム試合でした。
そこに、「スカパー!Jリーグのオフィシャルサポーター」という広範囲すぎる存在の彼女たちが登場し、これまた、公式応援歌を歌われても、目的がよくわかりません。

例えば、彼女たちが歌った歌が、大宮の応援歌だったとしたら。

当然、浦和サポーターは大ブーイングだったでしょう。しかし、ここは大宮のホームなわけで、それは別に不思議ではない。
そして、「大宮頑張って〜」と大声で言うべきです。これまた、浦和から大ブーイングでしょう。しかし、そのムードこそ、スタジアムの雰囲気を盛り上げる効果につながると思うのですが。

ただし、そんな事をさせるには、有名アイドルだから良い、では、すまないのです。
ホームタウン出身とか、昔から応援している、とか、クラブとなんらかの繋がりがなければ、意味がない。そうなれば、選ぶのも大変でしょうが、本当はそういうことなんじゃないかって思うのです。

メインはあくまで、試合であって、その他のイベントは、試合がより魅力的に刺激的に変わる効果があるものでなければならないと思うんですよね。

例えば乃木坂46見たさに来る客も期待して、ってことで、このイベントが企画されたならば、それは危ない考え方です。
そんな客は、高い確率で次は来ないでしょう。

これが、オールスター戦とか、お祭要素のある試合だったら良かったのです。
こうなるとアテンドされたアイドルも可哀想だし、企画する方がそこは、TPOにあわせて企画しなければならないと思います。
さいたまダービーと、オールスターは全然違いますからね。


意図のある意外性

一方、試合とは一見、なんの関連性がないようなイベントでも、成功している例もあります。

最近、意外性のある企画で話題を呼んでいるのが、川崎フロンターレ。

宇宙飛行士とリアルタイム交信する企画など、一見、サッカーとなんの関係があるの?というイベントでも、観客動員数を年々伸ばしています。
こちらの記事に企画意図など掲載されていますが、やはり、ただ楽しそう、とか、話題になりそう、ではダメなんだな、というのがよくわかります。
それだけでは、デパートの屋上とかわらない。

企画側が、ちゃんと意図をもっていれば、例えサッカーと直接関係なくても、結果は出せるということを川崎が教えてくれています。

意図なきイベントは意味がないどころか、逆効果を生む可能性もある。
見る側、やる側、双方にとって不幸です。
ならば、余計な事はせず、試合というメインコンテンツで勝負すべきです。


ポテトはメインには、ならない

試合とイベントの関係。
試合とは本当に食べたかったものであって、
イベントとは、「ご一緒にポテトもいかがですか?」的な存在。
わたしの中では、こんな感じです。
イベントとは、乱暴な言い方をすれば、あってもなくても、どっちでも良いもの。

しかし、時として、そのポテトが思いのほか美味しくて得した気分になる事だってあるかもしれない。

でも忘れてはいけないのは、客はポテトを食いに来るわけではない、ということです。
あくまでメインは、試合。
どんなイベントをしようが、試合に魅力がなければ、なんの意味もない。
川崎の観客動員数が伸びているのは最近のチーム成績など、やはり試合に魅力があるからです。
そこに、意外性があって、意図のしっかりしたイベントが加わる事で、理想的な相乗効果を生んでいると思うのです。
こどもから大人まで、みんなが楽しめる空間がそこにはあります。


プロが必要

そう思うと、これからは、そうした企画側の人間のスキルアップが重要な気がしますね。
スポーツ界のプロ、というより、イベントのプロが企画しないといけないかもしれません。

欲をいえば、スポーツも知っている、
イベントのプロ。

いきなり、そんな人材を見つけるのが難しくても、たとえばJリーグの場合だと、今年はかなり予算が増えますよね。
その予算でクラブの企画担当者を研修に行かせるとか。アメリカのスーパーボウルのように商業的な成功を収めている試合や、はたまた、フジロックなど。
競技どころか、ジャンルもこえて良い部分を取り入れる努力と柔軟性が必要だと思います。

まぁ、勝手なことを言っていますが、
とにかくは、よくわからないイベントが、
一つでも減ることを願っております。

軽い考えの中途半端なイベントが、
なくなりますように。

そして、
どうか、スポーツの価値を下げぬよう。

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