見出し画像

コスパとは

「コスパが良い」って言葉、よく聞くよな。
コストパフォーマンス。
端的に言えば、「かかった費用や作業量に対する成果」。
ようは、「リスクが低く無駄なく」ってこと。
これはこれで、素晴らしいよな。
だって世の中、無駄な事って沢山あるでしょ。
しなくていい報告とか、いるはずのない書類とか。
こんだけやったのに、意味あんの?っていうね。
そんなのバシバシとカットするべきだよな。
人生の時間は限られてるんだから、余計なカロリーをかけてる時間なんて無駄中の無駄。積極的にカットすべき。
でもさ、それって無駄?ってことまでカットしちゃったらさ、
人間が人間ではなくなるかもしれない(大袈裟だけど本当に思う)。
たとえ効率が悪くても、たとえ無駄でも、たとえリスクがあっても。
それをやるから得られるものがある、そんな無駄までカットしちゃったら、
それってそれこそ「コスパが良い」って事になるのかな。
そういう事をカットしちゃったがゆえに、
周り巡って自分の人生にとっては「コスパが悪かった」って事になるかもよ。



さて、今日は久しぶりに
ウチの前髪ぱっつん小学4年男子を
大いに褒め称える話をしたいと思う。
親バカと言われても結構。たまには俺も大馬鹿になるのだ。

あれは去年の終わり。

学校から帰った息子が衝撃の報告をしてきた。

「パパ、俺さ、明日、告白しようと思うんだけどさ」

!!

今、なんっつった!?
こくはく?!
告白ってのはあれかい!?
たっちゃんが、南にした、あれかい?

俺「お、おおお、お。。お。そうなの」

「うん、でさ、パパに質問があんだけど」

俺「な、なんでしょうか」

「もしさ、オッケーだったら、付き合うことになるよね?」

俺「でしょうね」

「そしたらさ、何すればいいの?」

ほほー
告白まで決心したのに、その先までは考えてなかったと。
まぁ小4だからな、しょうがないか。

!??
てか、こいつ、
もう成功するイメージが出来てやがるのか。
とんだ本田圭佑だ。

俺「そうだねぇ、普通はデートしたりさ」

「ほう、デート」

俺「うん、でもさ、おまえらまだ小4だろ?映画いったりも出来ないよね」

「まぁ。俺はいいけど」

(おまえはな、、)

俺「まぁまぁ。だから、なんだろね、一緒に帰ったり、遊んだりってことかな」

「それは今もしてるわ」

俺「そ、そうな。。」

そんなもん、抱きしめて、キスをして、愛を深めるんやで!なんて言えないわな・・・・

俺「ま、今よりも、もっと仲良くなるってことじゃない?」
(何それ・・・)

「ん〜まぁ、わかったわ!」

俺「あ、そう??ま、がんばれや」

「おう」

それでも、親としては、少しばかりの不安もあり、
保険としての助言も付け加えた。

俺「まぁフラれたとしてもよ、、」

「ま、それも逆に良い経験だしね」

おまえ、、まさか、本田圭佑だろ。



翌日。

息子が帰ってきた。

というか、ただいまの声で、結果はわかったのだ。

「たっだいまーん!!!」

はい、成功したのね。

俺「あの、念の為きくけど、、」

「大成功でーす!!」

あーよかったっすねー

「いやー緊張したわー!うれしー!」

!?あれ?緊張してたの?
そうだよな、昨日はあんな感じだったけど、
好きですなんて言うの、緊張するよな。

俺「おまえさ、すげーよ」

「?そう?」

俺「いや。マジで。よくやったよ!」

「そうかな?」

俺「いやいや!マジで!!!!」

そのあと帰ってきたママにも報告。
ママも俺とまったく同じ反応。

あのね、これね、凄くないですかね。

好きな子にね、告白するなんてね、
なんてコスパの悪い事かと、ね。
緊張だってするし。何て言うか考えなきゃならないし。
呼び出したり、段取り考えたり。
そこまでしても、フラれちゃうリスクもあるし。

告白はコスパ悪いんです。

たとえ告白が成功しても、
そのあとの冷やかしにあうかもしれない。
現に冷やかしてくる女子軍団がいたらしいけど、
「そんなやつらはモテない奴が僻んでるだけだから気にするな」
という最悪かつ最高のアドバイスを送ったのは私です。

「かかった費用や作業量に対する成果」としては、あまりにも
リスキーな行為。
それが、告白なんです。

そんな事をよくやろうと思ったな、と。
成功したか、フラれたか、なんてどうだっていいんです。

好きな子ができた。
そして、その子と付き合いたい。
だから、自分の気持ちを伝えたい。
そして、行動にうつした。

この一連が、なんと素晴らしいことか。

当たり前のことなんだけどね。
でもさ、フラれるかもしれないし、とか、
あとで冷やかされるのが嫌だ、とか、
なんか理由つけて言わないで終わっちゃうでしょ。

コスパ?クソだ!

人生は無駄だらけだ。
そしてその無駄の中に素晴らしい何かがあるはずなんだ。
無駄を一生懸命やったやつだけが手に入れる素晴らしい何か。

息子は自分自身で手に入れた、
彼女とのスクールライフを今は謳歌している。

もちろん、このあとどちらかがフラれるかもしれない。

でも、それはそれだろ。

息子(本田圭佑)に言わせれば、そんなもん

「ま、それも逆に良い経験だしね」

と、なる。

世の、中学男子、高校男子、大学生男子、いや、おっさんたちも。

小4にできて、俺たちにできないことはないぞ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?