#08 チケット販売について考える

クラブ、球団経営において、もっとも重要視されているのが、チケットの売り上げ。
一方、見る側の私たちにとっても、プロスポーツを観戦するにあたり、必ずとおる、チケット購入という行為。
今回は、このチケットに関して改めて考えてみます。皆んなが幸せになる、チケット販売方法があれば、プロスポーツがもっと楽しくなるはずです。


チケット争奪戦と、チームの価値

いま始まった話ではないのでしょうが、
広島東洋カープの人気たるや、凄まじいものがあるそうです。昨年のリーグ優勝で、さらに加速しているのでしょうか。

広島のチケット販売に関して、こんな記事を目にしました。

すごい人気。
私もこうしたチケット争奪戦に参戦したことがあります。
発売日前日より、チケットぴあの店頭にならび、店の前で夜をあかしました。

こうしたチケット争奪戦は、その時のチームの人気を一番わかりやすく現しているように思うのです。

要は需要がある、ということ。
観客動員数や、成績など、チームの現状をつたえる項目は沢山ありますが、
チケット争奪戦率、なんてものがあるとして、
チームの価値をはかるとしたら、それが一番リアルにわかりやすいのでは、と思います。

例えば、チケットゲッターが買い占めて、高額で転売、なんてこともあるわけで、
それは断固許されることではありません。
しかし、ゲッターもバカではないので、需要がなければそんなリスクはおわないでしょう。

つまり、需要がある、ということは、
現在、そのチームは価値が高い、ということ。

観客動員数は数値化された人気指数だと思いますが、チケット争奪戦がどれだけ加熱しているか、ということは、人気とかいうよりも、価値という感じがしますね、そのチームの価値。

結果、現在の広島カープの価値は、物凄いっていうことです。


売り上げのため、文化のため

先にも書いたように、チームにとって、チケットの売り上げは最大級な重要事項です。

よって、関係者の方々は、どうしたらもっと売れるか、を日々考えていると思います。

広島カープの販売方法にも色々な立場で見ると不満もあると思います。
それでも、ぶっちゃけ言ってしまえば、
売れれば問題はないわけです。
それは言い過ぎだとしても、売れないよりは、全然良い。
つまり、広島のような状況は嬉しい悲鳴だったりするし、羨ましがる球団もあるでしょう。

チケットを売る、売り切る、というのは、それだけ難しい。
チーズンチケットが売り切れる、ということは、先の見えるマーケティングができます。

一方で、売れればなんでもありなのかよ、という思いもあります。
もちろんチーム関係者の方々も、そんなふうには考えていないでしょう。
爆発的なチケット争奪戦は、永遠ではありません。チームの状況などで、サッと終わります。

そのあと、どれだけの人が残るか。

ライト層が、どれだけコア層になったか、
ということが、その瞬間に顕著にあらわれてしまいます。

そこで大事なのが、
いかに、文化にするため、という理念を持ったチケット販売、つまり集客をしていたか、否か、という差が出るように思います。

売り上げも大事にしながら、
文化にするための施策を織り交ぜたチケット販売。
口で言うのは簡単ですが、プロスポーツには、その二軸で理想を追い求めてほしいです。

でなければ、文化ではなく、ブームで終わる、
一番悲しい結末になってしまいますからね。


招待券を廃止すべき

では、文化にするためのチケット販売とはどんなことが考えられるでしょうか。

各チームは、それぞれが、様々な施策で、
一人でも多く(人数ではなく、様々な人たち)に来てもらえるよう工夫しています。
キッズシートもそうです。
親子ペアチケットとかも。
レディースデイもそうですね。

例えば、シルバーチケット。
それらが例え争奪戦になったとしても、
シルバーの方々で争奪戦になっていれば問題ないのかなと思いますね。
問題は、シルバーチケットを普通の人たちが買い占めてしまうこと。

やはりポイントは販売方法ですね。
タイミングをづらしたり、
あえて店頭販売のみにしたり。

せっかく用意した席が、
ちゃんと、ターゲットに届く方法を考えないといけないですね。
それがなんなのか、、
これは引き続きの宿題に、、。

ただ一つ、言いたいのは、意味のない招待券。
これは、本当に廃止してほしいです。

スポンサーメリットとしてのものは別です。
彼らにはそれを受ける権利がありますから。

そうではない、よくわからない招待券は、
絶対廃止にするべきです。
それで、何枚が一般発売にまわせることか。

あまり客の集まらないチームは、
ついつい商店街なんかで無料チケットを配って、一度でいいから、まず来てもらおうっていうことをしがちですが、
一般客の心理として、自分で金を払って買ったチケットと、無料でもらったチケットの価値は雲泥の差があります。
無料は気軽だし、行く理由にもなりますが、
その先、もう一回金を払っていくか、となると急にハードルが上がってしまいます。
タダだったから来た、というひとが文化として根付くのは難しい。

それよりも、売る事の努力をすべきです。

チケットを買って、プロスポーツを観戦する、
という行為にもっと価値をもてるようにしないといけないし、
そもそも意味もなく無料にする、という行為はプロスポーツではなくアマチュアです。
私はたとえ子供たちであったとしても、金はとるべき、と思います。
もちろん、親からでしょうけども。
金額設定は自由にやればいい。
でも無料はなしです。理由はプロスポーツだから。


思い出が文化へ

今回も答えらしい答えが見えませんでしたが、、。
チケット購入は、行こうかなと思ってから最初にする行為です。
実はその人の観戦は、そこからはじまっているんです。
どこの席にしようか、誰といこうか、なんて色々考えているその時間も観戦の思い出ですよね。
そして、その思い出が積み重なってシーズンチケットホルダーになったりするんですね。

お金と文化。
チケット販売を考える上でも、
やはり問題はこの二つのうまい融合にあるように思いました。

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