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今後、EVが主流となる自動車の世界において、ITとの親和性はどのように変化していくか


早ければ2030年初頭にもEV(電気自動車)が主流となる自動車の世界において、ITとの親和性は非常に重要な役割を果たすことが予想されます。自動車産業はこれまでにもITの進化によってインフォテインメント分野を中心に様々な変化を遂げてきましたが、EVの普及に伴ってその変化はより加速されるはずです。今回はそのEVとITの親和性の変化について触れていきたいと思います。


1.車両のデジタル化とコネクティビティの向上

EVは電動化の特性上、複雑な電子制御を必要とします。車両がよりデジタル化され、センサーやコンピューターによって制御されることで、運転の安全性や効率が向上します。特にトラクションコントロールや自動運転における障害物検知などの分解能は今後飛躍的に向上していき、特にこれまでの内燃機関搭載自動車では制御に限界のあったトラクション性能において、モーターとそれを制御するコンピューターの性能により、数千分の一秒という単位で非常に緻密な制御が可能です。それによる恩恵は凄まじく、雪道や悪路の走破性、加速性能、姿勢制御などなど多岐にわたる効果が期待されます。IT技術の導入と進化がこういった方面でもさらに進み、車両とドライバー、そして周囲のインフラとのコネクティビティも向上します。


2.自動運転技術の発展

自動運転技術は今後のEV普及に大きく貢献するはずです。EVは先ほど述べたように、電気モーターの緻密な制御ができる特性から、発進や停止がスムーズであり、データの解析と連携によって今後より高度な自動運転が可能になってまいります。ITの進化によりセンサーデータやマッピング情報の処理が飛躍的に向上し、自動運転車の普及が加速します。それに伴って、日本では特に、都心部近郊での渋滞の激しい週末などに自動運転が義務付けられる走行区間やエリアができるでしょう。EVの普及に伴って、社会的な環境変化が生じ、社会ルールの改修を伴う大きな国家的イベントに昇華していくはずです。こういった社会的レギュレーションが大きく変革する際に、やはりIT技術による制御というものが重要な役割を占めてくるのです。


3.人と車のインタラクションの進化

IT技術の進化により、ドライバーや乗員と車とのインタラクションが進化します。AI搭載のインタフェースが運転支援や情報提供に活用され、より快適で安全なドライビング体験が実現するでしょう。また、音声認識やジェスチャーコントロールなどの技術が進化し、車内のユーザーエクスペリエンスが向上します。さらには、車内広告の世界も大きく広がりを見せるはずです。目的地周辺の観光案内や飲食店の紹介を通じてそれに連動した駐車場への案内と充電設備の予約連携機能なども盛んになってくるはずです。

また、旅行工程の修正案・ホテルの追加予約、天気情報に連動した観光地情報のカスタマイズなどなど、これまでヒトが手動でおこなっていた部分をAIによる連携を通じたIT技術によって進化させるのです。


4.サービス提供の多様化

EVの普及により、車両の所有からシチュエーションに応じた”利用”への移行が進むことも予想されます。例えば、個人で所有する自動車はこれまでのガソリンモデルやクラシックカーで、日常的に利用するクルマは公道上を巡回しているEVシェアカーや自動運転タクシーなどになっていく世界も想像に難くありません。昨今の日本でもカーシェアリングサービスが浸透してきたように、カーシェアリング、ライドシェアリング、サブスクリプションサービスなど、さまざまなビジネスモデルがさらに台頭することになるでしょう。

これらのサービスもまた、IT技術によって実現され、ユーザーの利便性が向上します。

(株式会社AMELAグループ・株式会社SPONTOでは、過去に大手カーシェアサービスのシステム開発の受託実績がございます)

SPONTO, Inc.から抜粋


5.エネルギー管理とスマートグリッドへの連携

EVは電気エネルギーを利用するため、エネルギー管理が重要な要素となります。スマートグリッドとの連携により、充電の最適化や電力需要のバランスを取ることが可能になります。IT技術によってエネルギーの効率的な利用が促進され、持続可能な社会への移行が加速します。


6.車両のセキュリティとサイバーセキュリティへの対応

車両のデジタル化が進むことで、サイバーセキュリティの重要性が増します。EVは車両のコネクティビティが高まることから、ハッキングなどの脅威に対して適切な対策が必要となります。ITセキュリティの専門知識が必要な分野となります。


7.ビッグデータと解析の活用

EVの普及により、車両や運転に関する多くのデータが収集されるようになります。これらのいわゆるビッグデータを収集・解析することで、さらなる車両の性能向上や運転パターンの把握、交通インフラの改善施策の基礎データ構築などが可能になります。IT技術によってデータの有効活用が進み、自動車産業全体、さらには社会・経済システムの発展が期待されます。


以上のように、EVが主流となる自動車の世界においては、ITとの親和性がさらに強化されることが予想され、車両のデジタル化やコネクティビティの進化、自動運転技術の発展、サービス提供の多様化など、多くの領域でIT技術が重要な役割を果たし、より持続可能で快適な自動車社会の実現に向けて進展していくでしょう。しかし、新たなテクノロジーの導入に伴うセキュリティや倫理的な課題にも慎重に対応していく必要があります。



株式会社SPONTOは、AI/DXコンサルやデータ分析の業務域を得意としています。開発コストと時間はスリムに、お客様が得られる成果は大きく。

今回のようなEV分野ならびに今後のスマートEVなどの分野でのお仕事のお問い合わせ、ご相談もお待ちしております。

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