テレビ朝日がフジテレビを追い抜いた要因は、アジアカップ?〜本当のスポーツビジネスのROI〜

アジアカップ2019。UAEで開催され、決勝の相手はカタール、イングランド・プレミアリーグ・サウスハンプトンのキャプテン吉田やベルギーのクラブに所属する冨安などが活躍している。グローバルコンテンツ。LEDアドボードには、KDDIやNIKON、マキタ、朝日新聞など多くの日本企業が、スポンサーシップを、アジア中に露出している。

このコンテンツが、テレビ朝日が、フジテレビを追い抜いた要因の一つであり、スポーツビジネス投資の大きなROIを勝ち得ている。

テレビ朝日が世帯平均視聴率で、フジテレビを追い抜いたのは、下記の資料(下の方の折れ線グラフ)だと 2012年ごろ。現在だと、バラエティー、ドラマ、報道も含めて、フジテレビを引き離している。20年前なら考えられない順位。なぜ、テレビ朝日は躍進したのか?その要因の一つがアジアカップ?本当のスポーツのROI?

テレビ朝日は、2000年に上場している。上場して得た調達資金の重要な投資としてスポーツ、特に、AFC(アジアサッカー連盟)の放送権に投資した。当時では巨額な投資。社内では、なぜそんな投資をするのかと、賛否があったと聞く。1998年フランスワールドカップの出場権を得た「ジョホールバルの歓喜」の試合は、フジテレビの放送。50%近くの視聴率。その次の2002年は日本ホーム開催なので、アジア最終予選はなかった。そして、ドイツワールドカップのアジア最終予選の民放での国内独占放送権を、テレビ朝日は投資で獲得。絶対に負けられない戦いというコピーとサラブライトマンのクエスチョンオブオーナーで、ブランディングし、編成を超えて、キラーコンテンツ化していく。そのAFC放送に含まれているのが、アジアカップ。

万年視聴率4位で、ドラえもん、ニュースステーション(当時)、新日本プロレスがコンテンツの目玉だった当時のテレビ朝日が、40%や30%と視聴率を稼ぐ、FIFAワールドカップアジア最終予選、アジアカップなどのサッカーコンテンツで、勢いが出て、社内も活気が湧く。もともと強かった報道ステーションに加え、バラエティも若手の積極的な登用、そして、東映に依存していたドラマ枠も、ヒット番組が多く出てきた。今や、ドラマのテレ朝でもある。それらの起爆剤になったのは、サッカーコンテンツの高視聴率経験とも言える。

アジアカップは、世界最大人口のアジアでの、最も人気のあるスポーツ・サッカーの国単位の戦い。日本代表は、まさに、2000年以降、同じく、優勝や上位へ実績を積み重ねている。スポーツへの巨額の投資とリターン。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?