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今週のリフレクション【理念経営2.0(佐宗邦威氏)】

今週は佐宗邦威さん著「理念経営2.0」を振り返ります。ザックリ3点で要約すると・・

1.株主中心主義からステークホルダー資本主義への移行をきっかけに、企業は利益を生み出す場から、意義を生み出す場へのシフト。①従業員(リモートワーク/自律的な働き方)、②株主(ESG投資/人的資本開示)、③パートナー企業(社会課題解決のための共創)、④ユーザー(応援消費)から、理念経営の要請がある。理念経営1.0(モノを生む組織)から、理念経営2.0(チエを創る組織)に変わり、企業理念は社長の誓いから、みんなの価値創造の物語を生むためのソースに変化。①理念の策定、②インナーブランディング、③人事施策への反映、④イノベーションによる体現、⑤アウターブランディング、⑥株主向けの開示、でエコシステムとして実装。

2.渡り鳥の比喩。①方向感覚(ビジョン):将来どんな景色を作り出したいか?高い目標ではなく、夢。バックキャストではなく、フォアキャスト。解像度(具体的)×広がり(社会)×時間軸(遠い未来)。②距離感覚(バリュー):こだわりたいことは何か?仲間と衝突しないための基準=多様性を束ねる共通の価値観。蓄積されると組織文化になる。③中心感覚(ミッション):何のために存在するか?ToBe型(パーパス)、Doing型(アイデンティティ)、Being型(フィロソフィー)。どんな人からどんな人に生まれ変わり、何を捨て何を新しく始めるのか。パーパスはミッションの延長線上にあり、企業にとって中年の危機から抜け出す北極星。

3.理念浸透では不十分。理念理解→理念共鳴→理念体現が必要。過去→未来→現在とつながるその人なりの語りがナラティブ。組織のナラティブに触発され→個人のナラティブが共創し→新たな組織のナラティブが生まれる。個人のナラティブと組織のナラティブを接続するには、内省と対話の場が必要。企業の歴史は重要な経営資源。歴史を定義し直して、新たな未来へのナラティブを生む。いかに、正史以外を取り込むか。カルチャーとは、行動のクセ。シンボル/ヒーロー/儀式/価値観から捉える。

企業理念は社長の誓いではなく、みんなの価値創造の物語を生むためのソース。だからこそ、理念に共鳴して体現していることが大切。そして、共鳴するためには個人のナラティブと組織のナラティブを接続することが必要。そんなメッセージを受け取りました。

そう考えると、まず、個人のナラティブを持っていることが前提になるのではないでしょうか?まずは仮置きでいいので個人としての未来のナラティブを描いてみること、定期的にピットインのように未来のナラティブを軌道修正すること、そんな機会を持つことが必要なのだと思います。

そして、個人のナラティブを描く場を企業主導で作る必要があるか?ここが分水嶺な気がします。私は、理念経営2.0(チエを創る組織)に舵を切るのであれば、セットで必要なことだと思っています。理念経営1.0(モノを生む組織)を志すのであれば、むしろノイズになるのかもしれません。

少なくとも私は、理念経営2.0の組織が好きだし、そこで働きたいと思います。でも、自社が理念経営1.0の組織である場合もあると思います。そんな場合、今の時代は副業として理念経営2.0の組織にジョインするという選択肢もあるように思います。

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