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今週のリフレクション【ゆるい職場(古屋星斗氏)】

今週は古屋星斗さん著「ゆるい職場」を振り返ります。ざっくり3点で要約すると・・

1.日本は世界有数の若年失業率が低い国。3年3割の離職率は変わらないが、大企業だけが上昇傾向。①若者雇用促進法による情報開示(残業時間等)、②働き方改革関連法による時間外労働の上限、③パワーハラスメント防止法により、ゆるい職場の登場。新入社員の労働時間や負荷感は逓減、職場環境は好転=リアリティショック縮小。一方、キャリア不安によりストレス実感は高止まり。不満型転職から、不安型転職に変化。社会的経験の多少で若手は二極化。

2.若手は、ありのまま働きたい×なにものかに早くなりたい。情報の量×行動の量で4タイプ。小さな越境行動=①やりたいことをアウトプット、②背中を押し合う、③目的をもって探る、④試しにやってみる、⑤体験を自分のめのにする、のステップで変化する。社外活動をしている人は、他社との比較から自分の会社が好き。ただし、転職率は上がる。アルムナイやプロジェクトベースで自社に参画してもらう、ゆるやかなつながりでコミットメントシフトを促す。

3.難問が2つ。①関係負荷なく、質的負荷をどう上げるか→成果の見えやすいプロジェクト型業務を若手チームで担当し、横の関係で育てる。②自律的な姿勢のある若手ほど、離職率が高い→社内に外側の世界をつくり、応援して育てていく。若者が会社を使って育つ、という主語の転換。ゆるい職場で、複数本の関係性で生きていくハイパー・メンバーシップ型が機能する。ゆるい職場は余白が多く、あらゆる経験が活きる。ゆるい職場での自由は若者に新しい環境を提供していく。

会社への不満を感じる構造から、自身のキャリアへの不安を感じる構造に変化した、というのは大きなパラダイムシフトのように思います。“今”の不満が解消されることで、“未来”が不安になるという構造だと解釈しています。

不安とは「明確な対象を持たない怖れの感情」と定義されます。漠然とした怖れが不安なのであれば、“未来”はそもそも不安定なので、不安から逃れることができません。私も自分の今後のキャリアには今でも不安を感じています。

そんなタイミングでこそ、もう一度“今”に目を向けることが大切です。実は、今の自分の強みがわからずに“今”にも不安を感じているケースも多くあると思います。自分の強みは、ひとりで考えていてもなかなかわかりません。強みは、自分の中に「比較」をするためのモノサシを持つことで、初めてわかる相対的なものです。

だからこそ、書籍にもある通り社外活動のような「越境」が必要だと思います。普段とは違う場所で、普段と違う人と会い、普段と違うことをする。そんな中から自然と違いに触れ、結果的に自分の強みに出会い直せます。大袈裟なことではなく、ランチの場所を変えたり、久しぶりの人と会ってみたり、誰かの誘いを断らないだけで、「越境」です。

越境すると、今の職場の課題も見えますが、気付かなかった良いところも見えてきます。そして、今の職場が好きになることもよくあります。要は、職場が魅力的であれば、越境はプラスに働くはずです。外部と比較されることにフタをしてやりすごすのではなく、本質で勝負できるようになりたいですね。

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