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「自分のことは自分で決められる」

スポーツキャリアは決断の連続

スポーツにおいて、「自分のことは自分で決められる」ことはとても大切です。

いわゆる指示待ち人間が敬遠されるのは、スポーツ以外の世界でも共通していると思います。
しかし、スポーツの世界は一般の世界と、日々の決断の数が比較にならないくらい多いため、「自分のことは自分で決められる」は大切な要素です。

サッカーで考えると、どのようにボールをもらって、どのようにボールを運んで、どのようにボールを出して、どのように動いて、またどのようにボールをもらって…と瞬時に考えて決断して行動に起こす必要があります。

プレー以外の決断でも、今日の自主練は何をしようか、卒業したらどのチームに行こうか、いつまで競技を続けようかと、実に決断の連続であり、また求められるスピード感も違います。

スポーツキャリアは決断の連続です。

決められる選手が勝つ世界

状況によっては、取りうるアクションが限られていて、決断が容易なことがあります。また、誰かが決断を助けてくれることもあります。
しかし、選択肢が限られたとしても、誰かが助けてくれたとしても、最後は自分で決断をする必要があります。そこはアスリートである以上、子どもも大人も関係ありません。

競技によっては、20代は既にキャリア終盤で、キャリアのピークが10代のスポーツもあります。フィギュアスケートは、特にそのイメージがあるかもしれません。サッカーでも野球でも、10代でトップ選手がいます。

彼らは、10代であっても無数の決断をしています。言い換えると、10代で様々な決断ができない選手は、上に行けないとも言えます。

決断は日々の積み重ねです。小さい決断であっても、自分で決めることを日頃から繰り返していると、必然と決断力が身に付きます。

「自分のことは自分で決められる」
そのようなアスリートを、この「スポーツ特化のキャリアデザイン」では育てたいと考えています。

決断できない3つの原因

決断ができない時、そこには大きく3つの原因があります。

1. 失敗を恐れている

最初は考え方の話です。

決断には責任が伴います
もし自ら決断をして、行動を起こして、その結果が良いものでなかった場合は、誰のせいにもできません。全てを自分で受け止めるしかありません。

そうなると、決断を下すのが怖くなり、「悪い方へ悪い方へ」と考えてしまい、もっと決断を下すのが怖くなり…と負のスパイラルにはまります。

でも、「結果(未来)」が「決断(現在)」の前に見えている事は、スポーツキャリアにおいては100%ありません

例えば、サッカーの試合中での細かい決断にしても、最高だと思って出したパスが、相手にカットされることもあります。
相手にカットされずに安堵しても、その先の見方がミスをすることもあります。

有名指導者を慕って進学したにも関わらず、その指導者が急に辞めることもあります。
上を目指して移籍したクラブで確固たる地位を築き、日本代表にも選ばれて、「あの決断は正解だった!」と思っていたら、ある日突然、同じポジションにイニエスタやメッシが来ることもあります。

何が言いたいかと言うと、「未来のことは誰にもわからない」という当たり前のことです。
だからこそ、「決断をしたら、その決断を信じて、その決断が正解となるように努力をする」しかないのです。これはスポーツに限らない話だと思いますが、自分を信じて愚直に努力をする事はとても大切なことです。

2. 決められるだけの情報がない

情報不足は、自分で情報を集めることが難しい子ども年代ではよく見られます。

「情報」を辞書で調べると、一番目に

ある物事の事情についての知らせ

とあります。

「情報」とは自分の事ではなく、周囲にある物事を指します。
「情報に囲まれる」という表現があるように、自分を取り囲んでいる物事の事情が「情報」です。

情報は、本人の中から自然発生的に生まれてくるものではありません。だからこそ、親や周りの大人がサポートできる部分も多くあります。
直接情報を与えることもできますし、情報の探し方を教えることもできます。

子どもの場合は特に、小さい頃から情報を集められる環境作りを、周りの大人が意識して作りましょう。

3. 自分のことを知らない

前項で挙げた「情報」は周囲の事でした。
今度は周囲ではなく中心部、つまり「自分」についてです。

周りに良質な情報があっても、結局決断をするのは自分です。情報に加えて、判断基準がなければ何も決めることができません。

「生きるためには軸が必要だ」

のような言葉もそのことを表しています。

・自分は何が好きで何が嫌いか、なぜそれが好きでそれが嫌いになったか
・自分は何が得意で何が不得意か、なぜ得意だと思うようになって不得意だと思うようになったか

・今嫌いなことは、将来好きになれそうか
・今不得意なことは、将来得意になれそうか

挙げ始めたらキリがありません。

自分のことを知っていれば、より正確な決断ができるようになります。また、自分のことを自分が一番知っていることを証明できれば、周りからの情報に納得しない時に突っぱねることもできます。親の考え、指導者の考えと、自分の考えが異なれば、自分の言葉でそれを説明すればいいのです。

周囲からの情報を活かすためにも、自分が自分らしく生きるためにも、自分のことは自分が一番知っておきましょう。

まとめ : 「自分を知る」ことから全てが始まる

「自分のことは自分で決められるアスリート」が目指す先です。

その為のポイントをいくつか挙げましたが、やはり一番は「自分を知る」ことに尽きます。

自分のことなのに、誰かに聞かれたら答えに困ることは実際よくあります。自分に関することは無限にあるので、全てをスラスラ答えることは難しいですが、それでも限りなく全てについて、誰よりも答えられなければなりません。だって自分のことなのですから。

このnoteでは、皆さんが「自分のことは自分で決める」ために、まず「自分を知る」ことの手助けをしていけたらと思います。

長田 康太郎(Kotaro Nagata)
・スポーツエージェント(Footrans / フットランス)

 対象:サッカー・野球・ラグビーなど球技を中心にスポーツ全般
   FIFA(国際サッカー連盟)フットボールエージェント
   公益財団法人日本ラグビーフットボール協会登録代理人
   海外野球代理人
・国家資格キャリアコンサルタント
・SCSCアスリートキャリアコーディネーター

・スポーツ人材向けTOEICコーチ
現役のスポーツエージェントとして、Jリーガーをはじめとする様々なスポーツ選手の競技生活をサポート。またキャリアコンサルタントとして、プロアスリートだけではなく、学生アスリートや競技者以外のスポーツ人材のキャリアサポートも行う。
日本5都市(福岡・岡山・愛知・大阪・東京)、海外3カ国(カナダ・オランダ・ドイツ)での生活の中で、会社員(日系・外資系・海外現地法人)、個人事業主(日本・海外)、ワーキングホリデー留学と従来のスポーツエージェント・キャリアコンサルタントには無い、経験の幅を強みとしている。

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