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【奈良クラブ通信】「今の現状ではまだまだ満足できない。しっかりとチームの中心選手になれるように努力したい」神垣陸 3/20試合後コメント

GAME REVIEW

 2024明治安田J3リーグ第5節。4試合を終えて、2分2敗と勝ち星をあげられていない奈良クラブ。アウェイ二連戦を終えて、2週間半ぶりのホーム(ロートフィールド奈良)での試合は、強風に雪もちらつく荒天の中でのゲームとなった。前節から中3日ということもあり、スタメンは4名を変更。寺島はるひ神垣陸嫁阪翔太の3人が今季初スタメンとなった。

 得点が動いたのは後半37分。左サイドでボールを持った岡田優希が切り返して右足でクロス。PA内で嫁阪が胸トラップで落としたボールを、途中出場のパトリック・グスタフソンがそのまま蹴り込んだ。その後は八戸の攻勢に晒されるも、キャプテン・鈴木大誠を中心に守り切り、1-0で今シーズン初勝利をあげた。

 前半、風上に立った奈良クラブは、ボールを左右に大きく動かす展開で、八戸守備陣を翻弄。DF陣もここ数試合同様、高いライン設定を保ちながらも、スピードのある相手FWには澤田雄大が素早いチェックで封じ込めるなど臨機応変の戦いを見せた。ハーフタイムにはフリアン監督より「時にはボランチを経由せずに大きなサイドチェンジから攻撃を組み立てよう」という指示が出ると、風下の中でも前半以上にダイナミックな展開が増え、得点シーンへの伏線となった。アウェイ二連戦を経て、試合の随所で奈良クラブver.2024が見えつつある中で、ようやく目に見える結果が出た。この勢いをそのまま次節以降にも生かしていきたい。

PICK UP PLAYER 神垣陸

 ダイナミックなサイドチェンジを活かしながら、八戸ゴールを脅かした奈良クラブ攻撃陣において、豊富な運動量を活かして広範囲に顔を出し、長短のパスで組み立てにリズムをもたらしたのが、左インサイドハーフ(IH)で今季初スタメン出場を果たした神垣陸だ。

 「久々にスタメンで試合ができたので、楽しもうという思いでプレーしていました」というダイナモは、中盤での組み立て方について「前半からサイドチェンジというのがキーとなっていた。後半、ボールを持ちながら自分たちの時間を多く作れたのはポジティブなことだと思う」と、振り返った。

 奈良クラブの中盤のポジションは、両IHとアンカー(守備的MF)の3枚。特にIHは、チームの司令塔を担う中島賢星、高卒ルーキーでドリブル突破も出来る國武勇斗、上背があり起点になれる山本宗太朗ら多士済済なメンバーが揃い、熾烈なポジション争いを繰り広げている。今季からチームに加わった神垣にとっては、特に守備面でこなすべきタスクが多く、最初は戦術理解に戸惑ったというが、「(このチームの)中盤は求められることも多いが、チームの心臓でもある。慣れない部分も多かったが、今日スタメンで使ってもらえたというのは少しは信頼を得られているのかなと」と、手ごたえを口にした。指揮官も「選手が変わっても良いプレーが出来ると証明できた」と、神垣をはじめ、初先発となった3人を褒めたたえた。

 初スタメンで今季初勝利と、最高の結果を手にしたが、笑顔を見せたのは少しだけ。神垣はすぐに顔を引き締めると、「チームとしては勝ち点3を拾えたので、次は連勝したい。個人的には今の現状ではまだまだ満足できない。しっかりとチームの中心選手になれるように練習から努力していきたい」と、次節以降を見据えた。

 4月のミッドウィークにはルヴァンカップが開催されるなど、控えも含めたチームの総合力が試される日程が続く。必ずめぐってくるチャンスをものにして、文字通りチームの中心選手へ。神垣の挑戦は始まったばかりだ。

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画像提供:株式会社 奈良クラブ


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