2024開幕戦は悔しい敗戦

　2024明治安田J3リーグ開幕戦。ホーム・ロートフィールド奈良にＦＣ琉球を迎えた奈良クラブは、前半に2点を失う苦しい展開に。後半38分に右サイドでボールを受けた下川陽太がアーリークロスを入れると、ルーキー・百田真登が頭で合わせて、自身プロ初、クラブとしても今シーズン初となるゴールをあげるが、反撃はそこまで。奈良クラブ1－2琉球で悔しい敗戦となった。

　前半は琉球の5バック（3DF＋左右WBがさがる形）に両サイドが押し込まれ、苦し紛れに中央突破を挑むも、相手DF陣の網に引っかかっていた奈良クラブ。ハーフタイムには、両サイドから早めにクロスを放り込む形を増やす意図で、正確なクロスが持ち味の寺島はるひを左SBとして投入。左SBで先発していた下川陽太は右SBに回る形となった。その形通りの38分のゴールは、敗戦の中でも次に繋がるシーンといえるだろう。

PICK UP PLAYER 下川陽太

　今季松本山雅FCから加入し、開幕戦をフル出場した下川陽太。「昨年（松本で）なかなか目に見える結果が出ていなかったので、開幕戦からこのチームで数字をあげられたというのは大きい」と奈良クラブでの初アシストを喜んだが、一方で2失点の敗戦には、「失点を誰か一人のせいにはしたくない。しっかりと一人一人が修正していかないと勝てない」。DF陣の一角として反省を口にした。

　後半からはサイドを左へと変更。奈良クラブでは、2月17日のFC大阪とのトレーニングマッチでぶっつけ本番で挑んだというが、「どこでも与えられたところでやるだけです」と本人も話すように両利きを活かして左サイドと遜色ないプレーを披露した。

　奈良県生駒市で生まれ育っただけに、奈良クラブの一員として奈良でプレーすることは本人にとっても特別な経験となった。「もちろん松本ほどサポーターの人数はまだいないですけど、あの人数であの雰囲気を出してくれたのはありがたい」と応援を感慨深く振り返る。

「もっともっとやりますよ！」
両サイドもこなす鉄人SBが、地元の応援を背に、奈良の新たな翼となる。

画像提供：株式会社 奈良クラブ