ウェザーニューズ スポーツ気象チーム

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ウェザーニューズ スポーツ気象チーム

(株)ウェザーニューズスポーツ気象チーム公式アカウントです。 天気は変えられませんが、予め把握することで最良の準備が行えます。 スポーツ選手が安全にスポーツをする、そして最高のパフォーマンスを発揮するための最良の準備を、我々は気象の観点からサポートしていきたいと考えています。

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  • スポーツ気象とは

    天気は変えられませんが、予め把握することで最良の準備が行えます。 プロ・アマ問わずスポーツ選手が安全にスポーツをする、そして最高のパフォーマンスを発揮するための最良の準備を、我々は気象の観点からサポートしていきたいと考えています。 スポーツ気象に込めた我々の想いを、少しでも知っていただけると幸いです。

  • 熱中症対策のまとめ

    熱中症は、正しい知識があれば、その発症リスクは軽減できます。 まず、熱中症の発生に対する一番の対策は、熱中症を知ることです。 “なぜ熱中症になるのか” をきちんと理解できれば、水分補給だけでなく他の対策も必要だということが分かります。 2020年の夏は例年と比べ、熱中症の発生が多くなる要素が揃っています。 熱中症対策について一度整理しておきましょう。

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天気を味方に!スポーツ気象ウェブサービス「MiCATA(ミカタ)」

突然ですがみなさん、『スポーツ』と『天気』と聞いてどんなことを想像しますか? 「雨の日は、ドロドロに汚れたユニフォームの洗濯が大変。。。」 「夏の晴れた日は、暑くて熱中症にならないか気になるなぁ」 「明日の試合は決行できるかできないか判断できるね!」 こんなことを考えますか? スポーツの試合や大会を、安全且つ円滑に準備して終えるために使うことは想像できると思いますが、イマドキはちょっと違います。 雨の日と晴れの日で体感が違うように、天気が違えば試合当日までの準備の仕方や

    • 今年の猛暑見解から考える、2021年の熱中症の発生

      ・今年の夏は猛暑という見解で、2018年と類似している。 ・2018年は熱中症の発生が過去13年間で最多 ・過去13年間の1日の搬送件数の最高人数は、2018年7月23日の東京で453人 先日、ウェザーニューズが猛暑見解2021を発表しました。(https://jp.weathernews.com/news/35949/) この見解では、梅雨明けが7月上旬となるところが多いことや、暑さのピークが7月下旬と8月下旬であることなどが予想されています。また、ラニーニャ現象*後であ

      • ビッグデータから熱中症を考える まとめ

        これまでこのコラムでは、過去10年分の熱中症の搬送件数を集計し、いくつかの視点から分析した結果を紹介してきました。 この解析を始めた1つのきっかけは、我が国における熱中症予防を目的としたガイドラインは、月や地域差は考慮されず画一的だけれども、気候が各月や地域で異なるように、熱中症の搬送件数も月や地域で異なるのではないかと考えたからです。 例えば6月は、熱中症(軽症)の搬送件数のピークが7月と8月と比べて低いところで出現していることを紹介しました。また、7、8月は重症や死亡

        • トップチームにおける気象情報の活用事例④

          実際にMiCATAを活用しているトップチームに「気象情報をどのように活用しているか」インタビューさせていただき、みなさまにご紹介させていただく「MiCATAの活用事例」が久々に更新しました! 今回も、非常に興味深く貴重なお話を伺うことができましたので、みなさまぜひご覧ください。 ・立教大学 サッカー部  コーチ 飛田さま インタビュー https://www.micata.site/service/case_studies/7 ・ルートイン BCリーグ  事務局・運営

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        • スポーツ気象とは
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        • 熱中症対策のまとめ
          32本

        記事

          ビッグデータから熱中症を考える③-7(重症・死亡)

          過去10年間の熱中症搬送時における傷病程度とWBGTとの関係、その7 はじめに前回は、軽症や中等症とは異なり、重症・死亡の発生が31℃を越えてもなお増加していることを紹介しました。今回は、重症・死亡の月別傾向を紹介します。 6月の重症・死亡の発生は二峰性を示す! 図1は重症を、図2は死亡の発生件数を月別に表したグラフです。 両傷病程度のグラフとも、7月から9月は一峰性(ピークが一つ)を示しているのに対し、6月だけ二峰性(ピークが二つ)を示していることがわかります。 それぞれ

          ビッグデータから熱中症を考える③-7(重症・死亡)

          ビッグデータから熱中症を考える③-6(重症・死亡)

          過去10年間の熱中症搬送時における傷病程度とWBGTとの関係、その6 はじめに前回までは中等症の搬送件数ついて紹介してきました。今回からは、重症・死亡の発生傾向について紹介します。 搬送件数全体のうち、重症は約2.5%、死亡は約0.2%を占めている 重症は、傷病程度が3週間の入院加療を必要とするもの、死亡は初診時において死亡が確認されたものと定義されています。 当然のことながら上記の区分に該当する件数は全体の搬送件数に占める割合は少ないのが現状ですが、それでも、重症が2.5

          ビッグデータから熱中症を考える③-6(重症・死亡)

          ビッグデータから熱中症を考える③-5(中等症)

          過去10年間の熱中症搬送時における傷病程度とWBGTとの関係、その5 はじめに前回から中等症の発生傾向について紹介しています。今回は月別の中等症の発生についてお話しします。 6月は他の月と比較して、中等症の発生のピークがWBGTの低い段階で出現する中等症の発生件数を見ると、6月はそのピークが東北地方以外の地域でおおよそ28℃付近に見られるのに対し、東北地方は25℃付近にそのピークがきています。軽症は6月における発症のピークが25℃付近でしたが、中等症になるとより高いWBGT

          ビッグデータから熱中症を考える③-5(中等症)

          ビッグデータから熱中症を考える③-4(中等症)

          過去10年間の熱中症搬送時における傷病程度とWBGTとの関係、その4 はじめに前回までは軽症の搬送件数ついて紹介してきました。今回からは、中等症の発生傾向について紹介します。 中等症は、熱中症における傷病程度の約3割程度を占めている中等症は傷病程度が重症または軽症以外のものと定義されています。従って、入院加療が必要という意味において軽症と区別されます*。 傷病程度全体のうち、中等症が占める割合を地域別で見ると、九州沖縄地方が最も高く39%となっており、最も低い関西地方の2

          ビッグデータから熱中症を考える③-4(中等症)

          ビッグデータから熱中症を考える③-3

          過去10年間の熱中症搬送時における傷病程度とWBGTとの関係 その3 はじめに前回は、6月が他の月と比較して、WBGTが低い段階で熱中症の発生件数(軽症)が増加することを紹介しました。今回は軽症の地域別特徴について紹介します。 6月は他の月と比較して、WBGTが低い段階から熱中症の発生件数(軽症)が増加する 軽症の発生件数を地域別で見ると、どの地域も7月、8月、9月はWBGTが25℃より高い所で搬送件数のピークが来ていることがわかります。 一方6月は、関西、関東、九州沖縄

          ビッグデータから熱中症を考える③-3

          ビッグデータから熱中症を考える③-2

          過去10年間の熱中症搬送時における傷病程度とWBGTとの関係 その2はじめに 前回は、熱中症搬送件数のデータを症例別に検討した全体像を紹介しました。今回は“軽症“に着目して集計した結果を紹介します。 6月は他の月と比較して、WBGTが低い段階から熱中症の発生件数(軽症)が増加する 前回ご紹介したように、軽症とは“傷病程度が入院加療を必要としないもの”と定義されています。 軽症での搬送件数を月別でみると、7月、8月と比較して6月は搬送件数のピークがより低いWBGTで現れていま

          ビッグデータから熱中症を考える③-2

          ビッグデータから熱中症を考える③-1

          過去10年間の熱中症搬送時における傷病程度とWBGTとの関係、その1はじめに前回までは、熱中症の搬送件数を年齢別に解析した結果を紹介しました。今回からは搬送時における傷病程度に着目した解析結果を紹介します。 熱中症の傷病程度は、死亡、重症、中等症、軽症、その他に分類されている熱中症搬送件数のデータには、下記の表で分類された傷病程度が記載されています(表1)。 熱中症を傷病程度別に集計すると、その多くが軽症であり、いずれの年においても、全体の約6割程度を示していることがわかり

          ビッグデータから熱中症を考える③-1

          ビッグデータから熱中症を考える②-4(少年)

          はじめに前回は、成人を対象とした解析を紹介しました。今回は、同様の視点から少年の傾向を紹介します。 少年の搬送件数には、地域差による傾向は見られない!少年の搬送件数は、成人と同様にWBGTが28℃の時に、1℃前の27℃と比較して有意に搬送件数が増加します(図1)。 地域毎で検討すると、高齢者や成人とは異なり、全ての地域でWBGTが29℃の時に、前のWBGTと比較して有意に搬送件数が増加しています。 少年の搬送件数が何故、成人や高齢者と異なり、地域差がみられないのか?その要

          ビッグデータから熱中症を考える②-4(少年)

          実況データを活用するということ②

          「選手が突然の失速! これは低体温症でしょうか」 「海に出た瞬間に選手がつらそうですね。向かい風が急に強まってきてますね」 マラソン競技の中継などで、このような実況をお聞きする機会もあるかと思います。 以前より、気象状況によるパフォーマンスへの影響や実況データの活用方法などを掲載してきましたが、今回はこの気象の観測実況データについての深堀りと活用のポイントをご紹介します。 気象の観測実況データにはどのようなものがあるか一般によくテレビなどでも見ることができるデータは、気温

          実況データを活用するということ②

          実況データを活用するということ

          天気 “予報” をチェックして入念な準備をしていても、 いざ試合会場に行ってみると気象コンディションが予報と異なっていることがあります。 これはもちろん予報自体が外れる・ズレる場合もありますが、予報自体は当たっていても実際のコンディションが異なっていることがあるのです。 それは、競技場や周辺の建物の形状等の影響を受ける場合です。 例えば、競技場周辺は予報通り5mの南風が吹いているのですが、競技場の中は風が巻いて北風になり、風速は3mと弱まっている、といったようなことです。

          実況データを活用するということ

          ビッグデータから熱中症を考える②-3(成人)

          はじめに前回は、高齢者が成人・少年よりもWBGTが低い段階で1℃前のWBGTより有意に搬送件数が増加することや、1℃前の温度と比較して搬送件数が多くなる温度に地域差があることを紹介しました。 今回は、成人を対象として同様の解析を行った結果を紹介します。 中国地方は、他の地域と比較して最も低いWBGT(27℃)で、1℃前の温度と比較した際の搬送件数が有意に増加する成人の搬送件数は、高齢者とは異なり、WBGTが28℃の時に、1℃前の27℃と比較して有意に搬送件数が増加します(図

          ビッグデータから熱中症を考える②-3(成人)

          ビッグデータから熱中症を考える②-2

          過去10年間の熱中症の年齢別搬送件数とWBGTとの関係、その2はじめに 前回は、高齢者の搬送件数が搬送件数全体の約半数を占めることや、WBGTが30℃を越えたときに見られる搬送件数の減少は、WBGTの高い日が減少していることと関係があることを紹介しました。 今回は少し違った視点から、年齢別の搬送件数を見てみます。 高齢者は成人、少年よりWBGTが低い段階で搬送件数が有意に増加する! 過去10年間の熱中症搬送件数を示す折れ線グラフ(図1)を見ると、各地域でWBGTが上昇すると

          ビッグデータから熱中症を考える②-2