悩むことは　よくないことだと思っていた

悩む自分は　変えていきたいと思っていた

ロジカルシンキングや
プレゼンテーションを
学ぶ場では

悩むこと　と　考えること　は
対比されたりする

悩むことは　
避けるべき　悪者だ

答えのないことに　悩むことをやめ　

答えを出すべきことを　考えることを勧める

悩んでいることは
答えのない問いを　考え続けることは
避けるべきこと　よくないこと

だから　

悩みは
解消しなければならないと
ずっと　思っていた

てっちゃんは　
そのままでいいんじゃない

え　

相談をした　友人の発言に　
耳を疑った

たったいま　
『悩んでいる』っていう
話をしたばかりなのに

そのままでいいって　
どういうこと　なのか

友人は　続けた

悩むことって　
てっちゃんらしいよね

らしい　か

確かに
よく考える人だよね　とか　言われると
誇らしい気持ちになった

いま　大切なことを考えている
そう思っていた

でも　悩むことは　違う

考えなくてよいことに　時間を使う　
よくないことだと　信じきっていた

でも
ほんとうに　そうなのだろうか

悩むことは　
ほんとうに　よくないことなのだろうか

ゆっくりと　視点が変わった

オセロがパタンと
黒から白に変わるように

そういえば　大学院時代の友人からも
悩み続けることができる人だよね　と
伝えられたことがある

悩んだままで　いいんだ

そうか　いや　むしろ

この悩みが
この悩むことが　あるからこそ

僕は　僕らしくあるんだ

あぁ　そうだったのか

悩みは　悪者じゃなかったんだ
悩みは　僕そのものだったんだ

よく考える人　とか　

思慮深い人　とか

問いかける人　とか

そういう　
耳障りのよい言葉ではないんだ
僕は　悩む人なんだ

ごめんね

何度も何度も何度も何度も
避け　距離を取ろうとしたのに

それでも　それでも　それでも
また来てくれて　ありがとう

ようやく　わかった

悩んでいる僕を
無かったことにしては　いけない

悩んでいる僕を
まるっと含めて　僕なんだ

そのことを　両手で
しっかりと　受け止めた

そうだ

僕は　悩む人
悩むことができる人

人が一瞬で決めれる事を
時間をかけて　悩むことができる人

すぐに忘れればいいことを
何度も反芻して　悩むことができる人

ようやく　わかった
やっと　気付いた

これこそが　僕なんだ