「老兵」 写真を組む015
そもそも組写真って?
組写真とは、何枚かの写真を組み合わせることです。組むことでドラマを表現するものであって、一枚のなかにドラマを詰め込む単写真とは撮り方も違ってきます。テキストをつけないとストーリーと呼べるほど複雑な状況を説明しづらいですが、写真を組むことで状況の「流れ」は創れます。
使い手の個性ではありません
平素からカメラやレンズを自慢げに見せびらかすことはしておりません。そのカメラが特異な性能を発揮するのだとしても、その成果を得られたのは偏に「カメラのおかげ」であります。カメラに頼った作品を見ると……
見事だな。しかし、自分の力で撮ったのではないぞ
そのデジタルカメラの性能のおかげだということを忘れるな!
みたいに思ってしまうわけです。新機軸を使いこなす若い人たちに対するやっかみですから、口にするのは憚られますけどね。
やっかみの対象は、新型の高性能機を持つ人には限りません。いま流行のオールドレンズを愛用する人に対しても心の奥底では、やっかみます。いうならば「撮り手の個性とはなにか」ということに繋がります。入手困難だといってもオールドレンズとて工業製品ですから、同じものが何千本あるいは何万本も生み出されております。よしんば、その個体が最後の一本だったとしても、その個性はレンズの個性であって、使い手の個性ではありません。
そんな私も、自慢したくなるオールドレンズを持っています。父の没後に戸棚の奥から出てきたレンズたちです。そのレンズを父が購入したであろう時期に、我が家の生活が楽ではなかったから、見つけて複雑な気分になったものでした。
1960年代の三本
さて、父の形見でもある秘蔵のレンズを組写真で御披露しましょう。
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