REVERSE - Bloody Mary and Grant Hart 7”について。

【Intro】

2018年11月28日。
REVERSEのNickから「久しぶり!新しくレコーディングしたから聴いてみて~」とリンクが送られてきた。
数年前に作ったというBloody Mary and Grant HartとNickが17歳の時に作ったというYou’re The Poison。
今作に収録されている2曲である。
新しく録音したということで、全く期待していなかったので、
Bloody Mary and Grant Hartははじめ10秒くらいは「はいはいー」と余裕かましてハナクソほじって聴いていたのも束の間、10秒後には全て持っていかれた。
あの頃のREVERSEのサウンド、まさにStoke-On-Trentサウンドがにそこにはあった。

この2曲はチャリティーオムニバスに収録するために作られたということだったがオムニバスに収録しておくだけではもったいないと感じた私は
即「これ、リリースしたいんだけど!!」と返事していた。


【フォーマットについて】

当初、今作はCDでリリースする予定だった。
DAMAGED GOODSの3部作の延長上という形で7インチでリリースしたい気持ちもあったが、どうしても価格の面で二の足を踏んでしまい、消去法と安易な考えでCDでのリリースを選んでいた。
その気持ちが傾くことになったのはジャケットの話を詰めていた2019年4月。
アルカシルカのアルバム「不条理不協和音」との出逢い。
音源自体はサブスクやフリーDL可能、フィジカルはとことん作り込むという姿勢。
それを目の当たりにし、本当は7インチで出したいと思っていたのに大した努力もしようとしないで安易にCDでいいやと思っていた自分自身が恥ずかしくなった。
アルカシルカに背中を押された形で、私はREVERSEに
「これ、やっぱり7インチでリリースしたい!!!」
と伝え、メンバーもそれを快諾し、7インチでのリリースとなった。


【7インチのデザインについて】

ジャケットのコンセプトは既に決まっていたので、あとはDAMAGED GOODSからの7インチ3部作の延長線上と位置付けているからにはとことんそこに近づけようとした。
表ジャケットの雰囲気、配置。
レーベル面のトレース。
そしてジャケットの質感。
DAMAGED GOODS3部作と同じにするためにコート紙110kgを選択、見事にDAMAGED GOODS3部作と同じ質感にすることに成功した。


【価格について】

2019年現在、7インチの販売価格は1000円を超えるものが多い。
それもそのはず、プレス代だけ見るとCDの2枚3倍は当たり前である。
値段について、他のレーベルなどの考え方をどうこう言うつもりは毛頭ない。
ただ、今回のリリースはDAMAGED GOODS3部作の延長線上。
そう、7インチが1枚800円だったあの頃をもう一度見たかった。
アルカシルカに背中を押してもらった私は、800円とかムリと頭ごなしに決めてしまうのではなく、全力で取り組んでそこを目指そうと決意した。
レーベルをやっていると、どんぶり勘定で収支を適当にやってしまいがち(私だけかも)。
本人も気付いてないけど、実は赤字だったとか。
レーベルの寿命を削らないためにも、赤字にはならないように、とことん追求して販売価格800円を目指した。
ジャケットや盤はもちろん、ビニール外袋など全ての資材に関しても全て売上原価に含め、削れるところは削り、会う人会う人にばら撒くような施策はせずサンプルの数量も予め決めた。
結果、800円は無理だった。今回のプレス数は300枚。
500枚プレスなら実現可能だったと思うが、販売価格のこだわりのために500枚プレスするのはそれこそ本末転倒である。
最終的に価格は900円(税抜)となった。消費税8%で972円。
またいつも取り扱ってくれてるレコード屋さん、ディストロにももっと利益を還元したいと考えていた。
7掛けではなく6掛けで。
しかしそれも叶わぬ夢であった。卸値は7掛け、630円(税抜)、680円(税込)となった。
卸値は原価とほぼ同じなので、送料も考えないといけない可能性もある。


【プレスについて】

今回プレスに使ったのはQratesという本来クラウドファンディングでプレスを行う代行業者。
クラウドファンディングではなく通常のプレスも可能。
プレスは世界随一のGZとなるので安心。
何よりもサポート体制が素晴らしい。チャット形式で先方のスタッフが色々連絡をくれ、データ入稿もチャット内でアップロード。
問題があった場合は、チャットで連絡が来て、修正して、チャットで再アップロード。
現在のステータスもわかりやすいので非常によかった。
支払いもクレジットカード(Stripe経由)で、注文時の全額決済のあとに、仕様変更などによるpartial refund(一部返金)なども即対応しているのでそこも安心感あり。
注文方法もめちゃくちゃわかりやすいので、オススメプレス業者。


【プレスの品質について】

今回は45回転2曲入り7インチ。これもDAMAGED GOODS3部作の延長線上というものを踏襲したもの。
今までは33回転4曲入りの7インチしか自分自身だけのプレスではリリースしてなかったので、今回がはじめての45回転7インチ。
今回、mastering for vinylをQratesの専属のスタジオに依頼。
2日ほどで仕上がってきたマスター音源はPCなどで普通に聴く限り何が変わったのかよくわからなかったが、実際にレコードで聴いたら明らかに音が良くて心底ビックリ。
45回転という安定感もあると思うが、専属だけあってプレス工場のクセに合ったマスタリングを施しているんだろうなと感心と感動。
針を落とした瞬間、本当にここでプレスして良かったと思った。
今までのSPのアナログリリースの中で音質はベスト。


【outro】

水面下で動く事半年以上。
遂に陽の目を見たREVERSEのニューシングル。
努力した甲斐あって達成感は非常にあります。
ただリリースすることだけが目標ではないので、
あとはさらに努力してよりたくさんの人に聴いてもらえるようにがんばります。
ただリリースして何もせずに売れないと嘆くんじゃなくて、
色々考えて、行動して、次のリリースのための資金を取り戻します。

今回、Bloody Mary and Grant Hart 7”と同時に売り切れになっていた初期コンプリート盤Glance Sideways CDも再発。
残っていたジャケットにリプレスした盤を付けた仕様で120枚限定。
ジャケットは表ジャケとWATERSLIDEカズさんによるバイオグラフィーの対訳、Snuffy SmileのOPP袋に入ったものでオリジナル盤とは仕様が異なります。

リリース日は2019年7月12日。
Saturday Night Karaokeが神戸の地でライブをする伝説の夜に合わせて。
心からレコードで聴いて欲しい作品です。
よろしくお願いします。


REVERSE - Bloody Mary & Grant Hart 7" 予約ページ(試聴あり)

http://sprecords.shop-pro.jp/?pid=144046488



REVERSE - Grance Sideways CD (リイシュー盤) 予約ページ

http://sprecords.shop-pro.jp/?pid=144046350




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