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『乃木坂46 真夏の全国ツアー2019』神宮野球場最終日(19/9/1)が最高でした

2019年の夏ツアー、毎年恒例となっている神宮野球場でのライブにして、ツアー最終日、しかも8年間キャプテンを務めた桜井玲香ちゃんが本日のライブ参加を以てグループ卒業!

観ないわけにはいかない!チケットが当たらない!一般も取れない!ということで、ライブビューイングのチケットをどうにか手に入れ、観て参りました。

(サムネは自分で撮ったものじゃなく、日本テレビプロデューサー・毛利さんのツイートから拝借しました)

(そのほか、すべての画像はTOKYO POP LINE さんから拝借しました)

そんな神宮最終日、ライブとしてすごく良くて。セトリも良い、パフォーマンスのレベルも高い、メンバーは可愛い、もちろん玲香ちゃんを贈る最後のブロックもとても素晴らしい。

なので、思い付くさま書いていきたい。全体の流れは大まかにツアー中の毎公演近いらしいが、自分は今回が最終日にして初見なので、その点ご了承願いたい。

0.OVERTURE
1.ガールズルール
2.太陽ノック
3.夏のFree&Easy
4.裸足でSummer

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バナナマン日村さん含む在籍チューリップメンバーによる影ナレののち、夏曲4連発で幕を上げた神宮最終日。

これまでのライブでは、この中でも、ライブアンセム『ガールズルール』、タオルを掲げるのが恒例である『裸足でSummer』はライブ終盤に配される印象が強かったが、今回はやりつくすように一気に披露された。

この選曲は、まるで「ライブにおける盛り上がりをこの曲達に頼らなくていい」「熱い盛り上がり以上に見せたいものがある」そんな意志があるようだ。

前年の『シンクロニシティライブ』に対し、今回はまた「純粋に内容でこれまでの神宮ライブと違うものを見せる」という想いが現れているかのようなスタートを果たした。そしてそれは現実となる。

5.三番目の風
6.4番目の光
7.トキトキメキメキ
8.キスの手裏剣

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続くブロックは3,4期生達の楽曲、7曲目、8曲目は23人合同にて披露された。

特にインパクトがあったのは『三番目の風』。既に乃木坂46に加入して3年が経過した3期生達、曲の公開当時はその初々しさ、フレッシュさが力となった爽やかな風だったが、今の姿は既にそれとは異なる。

約3万5,000人を相手に堂々たるパフォーマンス、余裕を感じる笑み、激しめの振りもいっそう様になり、何より12人揃ったことの高まりが目に見えて現れていたようだった。この曲から合流する桃子自身も眩しい笑顔で跳ねる。彼女はやはりステージの人だ。

続く『4番目の光』での4期生は既にその場を愉しんでいるような安定したパフォーマンス、3期生が再登場し(シルエットがカッコいい!)、熱狂をピークに引き上げるネオアンセム『トキトキメキメキ』。

そして『キスの手裏剣』。12人と11人がそれぞれペアを組んでの披露だったが、それがまた印象的。高身長のお姉さん・まとめ役の梅澤&賀喜ペア、元ファン・現メンバーな向井&矢久保ペア、ツインテ―ルベイビー中村・掛橋ペア、身長差が可愛い与田&清宮ペアなど、意味や意図を感じる組み合わせとなっていた。

9.自由の彼方
10.他の星から
11.白米様
12.自分じゃない感じ

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続いてユニットコーナー、『乃木坂46ミュージアム』。いつもと違うメンバー・ダンスはいずれも圧巻の一言!

堀センターによる『自由の彼方』はシリアスな雰囲気を醸し、堀の鋭い目つきがより強固に世界観を構築する。参加メンバーは早川、北川の4期生2人が特に素晴らしい。ハードな振り付けの中で、全身に力が漲るようなダンスで存在感を放っていた。

続く『他の星から』は 飛鳥・遠藤ペアによる披露。ここでは踊り子・飛鳥の真価が余すことなく発揮されていた。美しく流線を描く液体のような彼女のダンスはもはや芸術の域。対して遠藤は、それに決して振り切られず追い駆けていく。1期生と4期生が組む意味を感じるペアだったように思う。

生田率いる『Dear White rice』もとい『白米様』は歌うまメンバーを揃えたシュープリームス的なアレンジ(?)。そのぶっ飛び具合と、やたら高い歌唱力のバランスは、もはや色んな笑いを込み上げさせる。彼女を指す”天才”はディーヴァとしてのそれであると同時に、バカリズムや劇団ひとりに向けて言われるそれでもあったのだ。 

そして桜井センターによる『自分じゃない感じ』は80'sアメリカンな衣装に身を包んだヒップホップダンス。本気の人選も相まって、クールな笑顔もセクシーさもダンスの一部に取り込んださすがのステージングで、神宮球場をダンスフロアへと変貌させる。光るシューズを取り入れた光と影の演出もポップで最高!あと金川ちゃんのずば抜けたスタイル!

13.インフルエンサー
14.命は美しい
15.何度目の青空か?
16.シンクロニシティ

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ここからのブロックは、いよいよ乃木坂46のパフォーマンスの到達点を魅せ付ける。

ダンスは既に身体の細部にまで意志が宿るように繊細で、表情も世界観を彩るように憂いを帯び、メンバー誰を取り上げても申し分ないものだった。

とりわけ素晴らしいのはその曲順。『インフルエンサー』の遥かなる宇宙、『命は美しい』の死の世界、闇をも味方につけた極限状態の美しさをステージ上で完成させる。

『何度目の青空か?』でそのエネルギーを空に向けて放ち、優しく雲を晴らす。そして降り注ぐ陽の力は全体を包み込み、陽は朝へと、そして夜へと巡り、『シンクロニシティ』の旋律へと繋がる。愛は歌に、ダンスに乗せて解き放たれ、花弁が開くように広がっていく。

そんな風に、内なる力を最大限まで湧き上がらせて、それを人に伝えるポジティブへと変えて放出するように、拡散していくようにパフォーマンスに乗せる。一連のストーリーで繋がった、あるいは儀式や祭事のようでさえあった、強い意味を持つ曲順だったように思う。

何度も観て聴いた曲であるはずなのに、そのハイレベルさも相まって、今までとは異なるものに感じてしまうほどだった。

17.滑走路
18.日常

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充満した熱をそのままに、飄々と現れた寺田率いるメンバー達による『滑走路』。シティポップなサウンドや軽快なビートはそれまでの雰囲気を一変させる。会場の高まりを丸ごと自分達の方へと引き込むような、余裕ある、しかし隙は見せない上質なステージだ。

そしてペンライトの色を変えさせる演出からの、会場が青に染まると同時に始まる『日常』。紛れもなく本日最もボルテージが上がったパフォーマンスだろう。

北野のあの刺すような眼差し。あれは負の感情でも、怒りでも諦めでもない。酸いも甘いも巻き起こる現実を、いつまでも続いていく日常を、その身で受け止め乗りこなすことを決意した覚悟の宿る目だ。

それはその姿にも表れている。強い意志がメンバー達にも波及していくように、ステージ上の誰もが鬼気迫るダンスで身体を酷使していた。

ダブパートのダンスで目を惹かれたのは、髪も手も足も振り乱す向井、不敵な目線を武器に舞う山崎、当たり前のように全身を使いこなす阪口。特に印象が強かった3人だ。

19.あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
20.ここにいる理由
21.不等号

ここからは今回限定のメンバーによるアンダー楽曲の披露。『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』のセンターを生田が、『ここにいる理由』を寺田が、『不等号』を飛鳥が務めた。

すべてのメンバーがシャッフルされ、オリジナルとはまったく異なった面子によるパフォーマンスは、単に珍しいものを見せようということではない。

これまでの形式を打ち崩すようにして、今までの歴史をすべて一つに取り込み、そして再解釈した結果だ。前年も『制服のマネキン』を新たな衣装、振付で披露したが、その試みの系譜にあるものだろう。

『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』はかつて井上がセンターを務めて披露された『何度目の青空か?』に対する時を超えたアンサーのようであり、『ここにいる理由』のEDMサウンドは『自分じゃない感じ』とはまた違った形でフロアを熱狂の渦に巻きこみ諸手を挙げさせる(put your hands up!)。

また『不等号』で見せた飛鳥の色気あるアクションは、楽曲に新たなエッセンスを取り入れた再解釈としての一つの表現と言える。

22.僕のこと、知ってる?
23.そんなバカな・・・
24.ハウス!

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そして「いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46」の主題歌『僕のこと、知ってる?』は、『設定温度』のように1,2,3,4期生が順に揃う演出。「1人の少女である乃木坂46」を歌ったようなこの曲を、全員で輪になり互いに顔を合わせて歌う様は、同じこのグループで出会えたことを祝福しあうようであった。

そんな流れで『そんなバカな・・・』『ハウス!』という、これまでもライブを盛り上げてきた定番のザ・アイドルソング。これは紛れもなく『僕のこと、知ってる?』を踏まえた流れだ。ここまで構築してきたライブにおける、完成した「アイドルとしての姿」をこちらに見せつけるクライマックス。笑顔も、手振りも、跳ねる姿もカメラへのサービスも、あの全てが彼女達の獲得した武器なのだ。

そんな「アイドル・乃木坂46」を、卒業メンバー達も関係者席で楽しんでおり、それに出くわした生田が思わず涙していた姿は印象的だった。

齋藤飛鳥によるドラムバトル
25.世界で一番孤独なlover
26.スカイダイビング
27.おいでシャンプー
28.ジコチューで行こう!
29.Sing Out!

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本編最後のブロックは、飛鳥のドラム演奏から始まる生バンドを背負った曲披露。プロを前にして見せた堂々たるドラム・パフォーマンスは、見るたびに上達を感じさせる。上半身がもう少し安定して一打一打の僅かなブレが無くなればもう完璧だと思う。

いずれも生演奏が映える選曲で、『スカイダイビング』『おいでシャンプー』は個人的に待望の生バンド。『スカイダイビング』の際には風が吹き抜けてメンバーの髪がなびき、より楽曲の質を底上げしているようだった。

そして『Sing Out!』。そう、このブロックのすべては『Sing Out!』のためにあった。バンドによる生演奏は『Sing Out!』のクラップと同じ意味を持つ。「人が自ら音を鳴らす」というその行為を通じて共有するもの、分け合うもの、広がるもの、それを乗せて飛ばすための音楽は、いずれもあの場所で誰かが鳴らす音でなくてはならなかった。

冒頭、ちょっとしたトラブルもあったようだが、そんな様子さえ『Sing Out!』のピースフルな空気を強調するもののようであったし、いっそう笑い合って楽曲を楽しめた。そんな偶然さえドラマとして勝ち取ってしまうのだ、彼女達は。

そして本編が幕を閉じ、アンコールがはじまる。

この日を以てグループから卒業する、キャプテン・桜井玲香が白いドレスに身を包み、1人で現れる。そして8年間の想い、特に2016年に活動を休業した際のエピソードを交え、グループやメンバー、そしてファンへの想いを柔らかな笑顔で語った。

とりわけ「私は私でこれからの乃木坂46を作り続けていく1人だと私は思っているので」という発言は印象的だ。彼女にとって、乃木坂46はもはや「在籍するグループ」ではなく、「人としての在り方」であるのだ。だからこそ、「守らなきゃ」という想いをさらに超えたからこそ、旅立つ決断をしたのではないだろうか。

そのスピーチは上リンクから。一度聴いた人も読んだ人も是非もう一度。

30.時々 思い出してください
31.夜明けまで強がらなくていい
32.ロマンティックいか焼き
33.僕だけの光

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そして、ソロ曲『時々 思い出してください』を披露する。彼女自身の想いを綴るような歌詞は、これからもみんなが彼女のことを、そして彼女がこれまでの日々を思い出してくれたら、という、そんな慎ましやかな願いのようだ。

スピーチでは笑顔を崩さなかった彼女も、曲を通じて色々と感じることがあったのだろう、途中堪え切れない様子で涙をこぼす。そのタイミングでメンバーが現れる演出がまたドラマチックだ。振り向けば、青春を共にした仲間達、これからを任せられる後輩達が桜井を支えるように立っている。それはあの日のステージだけじゃない、これからだってそうなのだ。

正規メンバーでの披露はこの日が最初で最後となる新曲『夜明けまで強がらなくてもいい』。桜井から語られた、卒業することが決まっていながら選抜に入った経緯も「乃木坂46らしさ」のように思う。

そして何より、グループをけん引し続けた桜井と、これからのグループを担う4期生・遠藤さくらとが手を取り合う振付は、今日のこの日に交わされるためのものだったのでは、とすら感じる大切な瞬間だった。

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そして桜井自身のセレクトであるらしい『ロマンティックいか焼き』『僕だけの光』。彼女による、ちょっとコント入った感じでの曲振りは彼女自身が「ポンコツキャプテン」であることを楽しんでいるような陽気さだった。

『ロマいか』の極上の歌い出しは、こちらの求めているものをよく理解していることがわかる、ある意味この日ベストのパフォーマンス。ああいうものこそ「ファンとアイドルが通じ合った瞬間」と言い切ってしまいたい。

『僕だけの光』は彼女自身が好きな曲(特に歌詞)だそうで、披露中は歌い手としても聴き手としても存分に堪能していたように思う。

加えて、歌詞のメッセージがまた心を打つ。トロッコから降りた桜井の肩を抱く新内が、顔を抑えて涙を流す。プライベートを含め特に仲良くしていた桜井の存在が、新内にとってどういうものであったかよくわかる瞬間だったように思う。

さらには、怪我でライブ出演を休業していた井上もここでサプライズ登場。桜井のためにこの場に駆け付けた、その事実が何より素敵だ。

34.乃木坂の詩

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キャプテンを引き継ぐ秋元からの手紙があり、最後の曲『乃木坂の詩』。ライブの最後を彩る大切な曲であると同時に、桜井自身がこの曲に何度も支えられてきたという。

<夢ならここにある>という言葉の意味は8年間で少しずつ広がっていったように思うが、とりわけ彼女がそれを噛み締める瞬間だったのではないだろうか。その瞬間を目撃できたこともまた柱になるはずだ。

35.会いたかったかもしれない

そしてWアンコールでは、乃木坂46にとって本当に最初の曲である『会いたかったかもしれない』が披露される。桜井にとってはじまりとおわりを繋ぐその選曲は、つまりは新たなるはじまりをも意味する。意外なチョイスのようで、他には考えられないラストと言えるだろう。

そして最後、「みんなの近くに行っちゃおうかな」という気さくな言葉と共に桜井はステージから降り、アリーナをぐるりと一周する。

流れる音楽は『雲になればいい』『Rewind あの日』『無口なライオン』『他の星から』と、既にグループを離れた仲間達と共に残した桜井の足跡をたどるような選曲で、それは彼女もそちら側へ、という暗示でもある。

「ありがとう」という言葉を何度も言いながら、会場のファン達に手を振り笑顔を向け歩き続ける。

個人的に、桜井のキャプテン像は「先頭で引っ張る」でもなく、「後ろから支える」でもなく、そのどれでもあるような、「メンバー達の間を駆け回る」ものだったように思っている。

大勢のメンバー達が不揃いに歩いて行く中、時には先頭で頼もしい背中を見せ、時には後ろで塞ぎ込んでいるメンバーの元へと駆け寄り、時にはだらーっと気の置けない仲間に体を預ける。そんなキャプテンだった。

そして今回観客席を前から後ろまで一周するその姿は、そんなキャプテン像とリンクしたものだったように感じ、彼女にとって必然の感謝を伝える形だったのではないだろうか。

しかし中盤、卒業メンバー・若月が花束を持って現れた際には、緊張の糸が切れたように涙を流しており、彼女が乃木坂46のキャプテンであるだけでなく、一人の少女であることがわかった瞬間だった。

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ステージに戻った桜井のことを、三度現れたメンバー達が迎え入れる。最後に行われたのは定番であるあの円陣。これは単なるパフォーマンスではない。

これは、明日からの乃木坂46を始めるための円陣だ。それを乃木坂46のメンバー達と、そしてこれからも「乃木坂46」として在り続ける桜井が、共に始めるための円陣だ。

「努力、感謝、笑顔、うちらは乃木坂上り坂46」

これは、桜井が円陣を組むことがなくなってからも、いつまでも胸の内に秘め続ける言葉であるはずだ。

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