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夢想したんだ、「ザンビプロジェクト新作・3グループ合同舞台『新参者』」を。

先日、3グループ合同企画『新参者 LIVE at THEATER MILANO-Za』が幕を閉じた。乃木坂46五期生、櫻坂46三期生、日向坂46四期生(以下、まとめて「新期生」と書きます)による各グループ単独公演。千秋楽はすべて生配信も行われた。

もう、「最高」という語彙のみである。

特に、櫻坂46は『3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE』が、日向坂46は『Happy Train Tour 2023』追加公演が『新参者ライブ』に前後して行われていた(観た)。

「新期生メンバー単独公演」と「グループ全体ライブ」を対比できたことも相まって、新期生メンバー達がいかに「凄い」かを実感できたし、既に無くてはならない存在だと心から思えた。乃木坂46は直近にこそ全体ライブはなかったが、加入から最も長いこともあって、もはや信頼感しかない。

千秋楽リピート配信の前に書いて少しでも視聴数増加に貢献する努力をすべきだったと後悔するくらいには、『新参者ライブ』について言いたい(褒めちぎりたい)ことはいくらでもあるのだが、今回はそこが本題ではないのでこれくらいにしておこう。

そして本noteのタイトルに戻ろう。

「ザンビプロジェクト新作・3グループ合同舞台『新参者』」を夢想してしまったのだ。

『新参者』企画の情報解禁時を覚えているだろうか。

いや、自分としても正直あまり細かく流れを覚えてはいないが、割と突然ティザー映像が公開されたように記憶している。

公開前の動きとしては、たしか何人かのメンバーが「今日の21時に、」と予告めいた発信をしていたのと、解禁直前の『のぎおび(阪口珠美ちゃん担当)』でも背景の壁にフライヤーが貼ってあるなど、楽しそうな匂わせが行われたりしていたくらいか。

ただ、いざ映像を観てみると、結局何をやるのか、何かをやるのかどうかさえもよくわからない絶妙な感じであった(ジャズいドラムソロが超格好良い)。

ともかく、「とりあえず新期生メンバーで何かをやるっぽいぞ」と、ひとまずポジティブな気持ちで受け止めるにとどまったものだ。

フタを開けてみたら持ち回りの単独ライブ企画だったわけであるが、そういった詳細がわかる一歩手前で、特定の界隈が「ザンビか…!?」とザワついたことを知っているか。

いや、おそらく正確には、んなワキャないとわかっていつつザンビの話で盛り上がるチャンスとばかりに喰い付いた、というところだろうが、ともかくその瞬間に全員が一回椅子から立ち上がったのだ。

題目の『新ザン者』という響き、3グループ合同企画である点、よく考えたらそれくらいしか要素はないが、盛り上がってしまった。

「3グループ合同企画」の数少ない前例として『ザンビ』はあった。だから"我々"としては、冷静に考えればんなワキャないとわかっていながら、一回は脳裏に浮かび上がってしまうのだ。『ザンビ』が。

「3グループ合同企画」=『ザンビ』という公式が!

何より、後に公開されたキービジュアルが大変に「ザンビ的」である。

https://www.tokyu-kabukicho-tower.jp/shinzanmono/

まばらに並び立ち、何か言いたげに、物憂げにも強い決意が宿るようにも取れる目線を"こちら"に送るメンバー達の姿。イメージを取りまとめるような印象的な色遣い、背景に浮かぶ「街」の様子。

そしてイイ感じに横に広がった11人の佇まい、それを縦に揃えたこの構図、これどう見ても「トリプルキャスト」。

どう見ても、舞台『ザンビ』じゃないか!

https://www.nelke.co.jp/stage/zambi/
https://www.nelke.co.jp/stage/zambi_2/

シリーズ再開を期待、とまではさすがにいかないが、ついつい結び付けて思い浮かべてしまうのはこれしょうがないでしょう。「いやいや、ザンビに限らずこういうキービジュアルよくあるじゃない」と言われてしまえばそれまでだが、ともかく思い浮かべてしまうのだ。

とりわけ『新参者』キービジュは、並び方が絶妙である。11人それぞれが良い感じに3グループ間の縦軸を捉えて並んでいる。

元の舞台『ザンビ』2種(以降、便宜的に『無印』『THEATER'S END』と言い分ける)は、グループの垣根を超えた混合チームを組む形でのダブルないしトリプルキャスト制であった。

それぞれ各グループごとに縦割りでの配役がなされ、同じキャラクターは同じグループのメンバーに充てられていた。『THEATER'S END』の場合「志乃しの」は3チームそれぞれの乃木坂46のメンバーが演じる、というように。

その点、舞台『新参者』(?)の場合は、グループ単位で1チームとしたトリプルキャストであるようだ。

キービジュが各グループごとに区切られている点はもちろん、中心にいる井上和ちゃん・谷口愛李ちゃん・正源司陽子ちゃん(これ以降は敬称略)をはじめ、11名がおよそズレなく綺麗に同じ縦位置に立っている。『無印』『THEATER'S END』ともに当てはまるように、キービジュにおいて同じキャラクターを演じるメンバーが同じ立ち位置になっているのだ。

その並びを基に配役ごとのメンバーを見てみると、絶妙にしっくりくるバランスでもある。メンバー個々人のパーソナリティなり何なりは当然異なるが、なんだか「同じキャラクター演じてそう」感が強い配置ばかりであるように思えないか。それぞれの縦軸を同じくするメンバーが同じ役柄ですよ、という説得力が宿った配置である。

主役であろう井上・谷口・正源司は言わずもがな、例えば、クールな存在感を放ちそうな中西アルノ・中嶋優月・小西夏菜実ライン、個性的で独創的な感じがする池田瑛紗・村山美羽・平岡海月ライン、可愛い末っ子ポジションらしき小川彩・遠藤理子・藤嶌果歩ライン(日向の最年少・渡辺莉奈ちゃんがこのポジションでないのが大変ニクい)など、各縦軸で「同じキャラクター演じてそう」感が凄い。

この妙な説得力、その背景としての整えられた縦並び具合、そういう点から尚更「これ、絶対、トリプルキャスト舞台じゃん」「ザンビじゃん」となってしまうじゃないか。

お察しの通り、『ザンビ』といっても今のところ舞台版の話しかしていない。

『ザンビ』シリーズの本筋は、基本的にはドラマ『ザンビ』とアプリゲーム『乙女神楽 ~ザンビへの鎮魂歌レクイエム~』=『ザンビ THE GAME』で描かれた「山室やまむろかえで(演:齋藤飛鳥ちゃん)」を中心人物としたストーリーを指す、とは言い切ってしまって問題ないだろう。

ザンビ現象の発生とその発祥、パンデミックに至るまでを、『リング』や『呪怨』系のジャパニーズホラーの質感で描いたドラマ版。

蔓延するザンビ禍に立ち向かう様を、『アイ・アム・レジェンド』に魔法少女ものを掛け合わせた上でラノベないしノベルゲーっぽく味付けして描いたアプリ版(※個人の見解である)(※マジ最高だった)。

時系列も登場人物も繋がっているこれが「ザンビのメインストーリー」であるはずだ。

これらに対し、舞台版は「外伝」に近い。

『無印』も『THEATER'S END』も「既にザンビ現象が蔓延し、人々は避難生活を余儀なくされている」状況が描かれており、ドラマ版においての「ザンビ現象を持ち帰って広めてしまった」後の時系列であることは間違いない。

しかし登場人物など一致している部分は少なく、上記した「ザンビのメインストーリー」と直結していない、とは言わないが、独立した物語として完結していた。

なんなら、設定面においても多少の食い違いや独自の要素、解釈があったりと、舞台版は本筋に対しての自由度の高さがたびたび見られた。(全てを統一のスタッフで制作してはいないと思われるので、やむをえない部分でもあり、愛すべき点でもある。)

そして、だからこそ出来る。

「ザンビプロジェクト新作・舞台『新参者』」は!

要は、「多少設定に揺らぎがあっても、とりあえず『ザンビ』という看板を立ててしまう事は全然アリ」と言ってしまいたいのだ。

『ザンビ』ファンのくせによりによって一番身も蓋もないことを、と我ながら思うが、いやそれくらいの裾野の広さが『ザンビ』にはあるし、そういうところを愛していたのだという自負もある。

それこそ、詳細は割愛するが、舞台版のキャラクター達がアプリ版に参戦した際、ダブルキャスト・トリプルキャストの扱いを「マルチバース&もう一人のボク」的な設定で乗り切った時には感動したものだ。

だからこそ「やる」という結論ありきで話を始めてしまっても、それは『ザンビ』シリーズの1つとして成立しうる。

もちろん誰かとそう議論したわけでもない、個人的な見解であるが、少なくとも「そういう受け入れ態勢が俺にはある」とは言い切れる。

そうした受け入れ態勢が、『新参者』の初報を聞いた時「ザンビか…!?」となってしまった大きな要因というわけだ。

既存のストーリーや設定に準じたとしても、続編をやる余地はいくらでもあると思っている。

最新の時間軸であったアプリ版『乙女神楽 ~ザンビへの鎮魂歌レクイエム~』=『ザンビ THE GAME』は、ザンビを人間に戻す力に目覚めた山室やまむろかえで達「乙女神楽団」の活躍が描かれたが、メインストーリーの結末は「ザンビ現象の完全なる終息」ではない。

2部に渡った壮大なストーリーは、中盤でザンビ現象を悪用する者の存在が明らかになり、またそれはプレイヤーキャラクターである「主人公」のバックボーンにも関わり、その対決と決着までが描かれたところで幕引きとなった。

目下の問題はひとまずの解決を迎え、かえでは相棒と共に、ザンビ現象の終焉を迎えるための活動にこれからも全力を注いでいく……といったラストだ。

続きをやるのが野暮になってしまうような完全なる終幕というよりは、世界が開けたままで、様々な未来が思い描けそうな終わり方だったと言える。

かつ、外伝やサイドストーリーに近い派生形の物語に展開するパターンも、既に舞台版という前例がある。

だから続編をやる余地はいくらでもあるのだ。

既に出演メンバーの大半がグループ卒業しているためそのまま続編をやることは限りなく不可能だが、それこそ未来だったりサイドストーリーだったり、乃木坂46五期生、櫻坂46三期生、日向坂46四期生を軸にした新たな展開でも一切違和感なくできるのが『ザンビ』である

上記した「乙女神楽団」の現役世代を描いてみたり、あるいはザンビ現象が終息した後の「アフターザンビ」な社会を物語の舞台にしてみたり、または舞台版「無印」での黒幕の、意識も外見もそのままにザンビの能力だけを発揮できる状態を再活用してみたり、設定的にも広がりはまだまだ無限大。

『ザンビ』というタイトルはまさに不死、限りない持続可能性を有している状態にあると言ってもいいはずだ。

というようなことを考えて、「じゃあ俺が舞台『新参者』を作ろう」と試みたものの、ガワだけあってもお話づくりがうまくいくかというとそんなことは全然ないので、あっさり断念したのである。

乃木坂46五期生、櫻坂46三期生、日向坂46四期生各11人のトリプルキャストであることの意味付けとして「トリプルキャストと言いながら実はグループごとに結末が違う」というギミックだけ思い付いて、それっきりである。

各11人と言いつつ、日向坂46四期生は本当は12人だ。

だからその点を取り込んで、『11人いる!』ならぬ『もう1人いる!』という感じの展開をお話の中にも設け、しかしそれは日向坂46四期生以外がやっては意味がないと思い、じゃあそれぞれ違うことをしなくちゃあいけないじゃないか、となったわけだ。

残念ながら、本当に残念ながら、12人目の当人である岸帆夏ちゃんは活動辞退という結論を出してしまったが、だからこそ自分の中に残すために形にしようかと思いつつ、やるとしてもまだまだ時間がかかってしまうので、こういうことを考えましたよという一旦のメモとして本noteを書いたという側面もある。

いずれにしても、『新参者ライブ』はめちゃくちゃ良かったことは間違いないが、当初期待した「合同」感は特になかったので、久しぶりに3グループ混合企画があったら良いなあと思い馳せ、"我々"の中で『ザンビ』に白羽の矢が立った、という次第だ(勝手に言ってるだけ)。

今回で言う「新期生」だけでなく、合同オーディション組もせっかく横の繋がりがあるわけだから、舞台でなくてもいいので、そういう絡みがもっと見られたら良いなと零しておこう(『さくさんぽ』と『てん旅』のコラボは最高でした)。

個人的には、もう『坂道合同カウントダウンフェスティバル』とかやればいいんじゃないかなと思っているが、いよいよ関係ない話なのでここまでとする。

途中、書いたけど流れ的に外した文章を、一番下にそのまま残しておくので、鳴沢摩耶に一家言ある方はぜひスクロールして読んでください。

以上。







なんなら、舞台版の登場人物たちは、アプリ版が『ザンビ THE GAME』としてリニューアルされた頃に追加キャラクターとして登場したが、その際の扱いも非常に独特なものであった。

ダブルキャスト・トリプルキャストであった以上、同一人物を複数のメンバーで演じており、じゃあ誰がどれをやるんだという話になりそうなものだが、これをある種の「多重人格」として設定した。

もっと言えば、人格が変わる際に顔も身体も変化するという、あまり前例のない形であった。『無印』の登場人物「かつら雪穂ゆきほ」は、それぞれREDで演じた土生瑞穂ちゃん、BLUEで演じた菅井友香ちゃんの姿形と人格を入れ替えながら1人の存在として活躍した……というわけである。

乃木坂46のメンバーは、ドラマ版から続くキャラクターとして登場しているため、彼女達が舞台版で演じていたいずれのキャラクターもアプリ版に登場することはなかった。

その代わり、「顔や身体的特徴が全く同じの別人」として、時には混乱を招いたり、時には分かったうえでその影を重ねたり、という場面が度々描かれた。

『無印』TEAM REDの登場人物「かつら雪穂ゆきほ(演:土生瑞穂ちゃん)」と「一色いっしき彩菜あやな(演:小林由依ちゃん)」の2人が、ドラマ版の登場人物「甲斐かいひじり(演:与田祐希ちゃん)」の元気な様子を遠巻きに見ながら「嬉しいね、別人だってわかってても」と零す場面がある。

このやり取りがいかにエモいか……!

摩耶……!

明日飲むコーヒーを少し良いやつにしたい。良かったら↓。