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『これなら語れるGP』久保ちゃんの「歌声が好き」コーナーをまんまやってみた

タイトルの通りなのでくどい説明は割愛。つまるところ、「自分もあの曲のあそこんところについて語りたい!」というものをまとめてみた次第です。

それぞれ、楽曲を流しながら確かめながら見ていただけると幸いです。

ひと夏の長さより

まずは番組でも紹介されていた『ひと夏の長さより』。あちらでは2サビの中盤<スイカみただった>の箇所がピックアップされていたが、今回注目して頂きたいのは2サビの少し前、Bメロの部分。2:13あたりから。

かき氷の溶けたこととか
金魚すくいの下手さも

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分かっていただけただろうか。<金魚すくいの下手さ>、ここの部分。へ・た・さ・もと楽譜に沿って単調に発語するのではなく、へ・た・さんもぉと「」の部分だけかかった発語感で、どこかけだるさがあり、いい情緒を生んでいる。

おそらくここは桜井玲香の声。彼女の歌い方は全体的にこの癖があり、独特な聴き心地が大変良い。

逃げ水

続いて同シングルから、表題曲の『逃げ水』。曲のアレンジといい、歌といい幻想的なイメージを思わせるこの楽曲だが、注目したいのは1Bメロの後半、1:12辺りから。

いつの日からか
僕は大人になって

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こちらは冒頭の<いつの日からか>の部分。上と同様、かんらかとかかった発語感が小気味良い。「けだるさ」というキーワードで言うとこちらの『逃げ水』の方がより楽曲のニュアンスを出すのに一役買っており、なおのこと良さが際立っている。

ちなみにこちらも玲香。同じ人の同じ歌い方について違う曲で語ってしまいました。

きっかけ

お次は2ndアルバムのリードトラック、『きっかけ』だ。王道なメロディ・アレンジ、その作者は杉山勝彦と申し分ない代表曲。そんな重要な作品から、注目は2番Aメロの前半、2:03辺り。

こんな風に心に
信号があればいい

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ここで見たいのは後半<信号があればいい>の頭。信号(しんごう)がの部分はを境に下がっていくメロディになっているのだが、それ故に音の取りやすさを優先したのだろう、しんごおがと発音されている。このしんごおがの脱力感が良い。

このパートはおそらく生駒、星野、飛鳥辺りのメンバーが一緒に歌っている。(<心に>とかは超みなみちゃんである。)しんごおで目立っているのは飛鳥か。

口約束

次も同じCDから、”女子高カルテット”ユニット曲『口約束』。全編ピアノが主体でありつつ打ち込みでリズムを刻む風変りな曲だが、歌に関しては少人数なおかげで誰がどこを歌っているかわかりやすい。この曲の注目ポイントは正直上げたらキリがないくらいところではあるが、今回は1番Bメロの若月パートから、0:33辺り。

何故か急によそよそしくなって
用事があるのと言い始めたら

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ここの<なって>が好きでたまらないのです。歌詞が小っちゃい「っ」、いわゆる促音になっている箇所で、やけにはっきりとしたスタッカートがなんだかすごく良い。なっで若干上ずることが余計にそう聞こえさせているのだが、若月の癖がいい塩梅に効いた結果の良いポイント。

Tender days

続いては少し遡って10th目カップリングの『Tender days』。MVもなくライブでも中々披露されない楽曲であるものの、ゆるやかなカントリー調が心地いい隠れた名曲。ダンスも易しめで結婚式の余興にもピッタリだ。そんなこの曲の注目ポイントはDメロ、2:55くらいから聞いていこう。

すれ違う学生たちを見て
気分はセンチメンタル

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<気分はセンチメンタ>。聞いたら一発でわかると思うが、このである。久保ちゃんが番組で語っていた「弧」に当たる歌い方がここで行われているが、からの移動がちょっとキツイらしく、の出し方が独特なメンバーがいることがわかる。

何人か重なっているが、おそらくこのの正体は真夏。発語からして、唇をうーっと突き出すような歌い方がなんとなく浮かぶ。

孤独兄弟

もうひとつ遡って『気づいたら片想い』より、白石・橋本ユニット曲の『孤独兄弟』。ロックチューンなようでアコギやストリングスが多く取り入れられた、結構不思議なアレンジのこの曲。ここで注目したいのは1サビ直前、0:50から。

夜明けの空
星の行方を知って
よろしくロンリー

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ポイントは<よろしくロンリー>。橋本は比較的細めの声で割と可愛らしい歌声だが、この曲ではその楽曲イメージに合わせてかちょっとキメた感じで歌っている。結果、この箇所もロンリイィとグッと力を入れて抜く、という歌い方になっている。なんとなくこちらに流し目を向けて、その視線が外される、というビジョンが浮かんで良い。

三画の空き地

ここからは最近の曲に寄って、21枚目シングルアンダー曲の『三角の空き地』。名曲揃いの2018年アンダー曲の中でも特に耽美な大人っぽいこの曲で注目したいのは、0:25辺りからのパート。

君を送った夜は
いつもここでキスした

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ここは蘭世・みり愛・楓の歌割りだが、音源を聴くと特に蘭世の歌声が強く感じる。そして<いつここでキスした>。厳密に言うと、自体ではなくの直後。蘭世の割としっかりしている歌声がよく効いたフレーズだが、歌の切れ目にほんのちょっと吐息が漏れる。

これも『ひと夏の~』で書いたような、いつもーーここでと単調に発音しないようにリズムを取って、それをいつもーおここでともならないように声にならない程度に抑えていると思われる。そのことが何となく吐息から感じられるポイントである。

新しい世界

もひとつ2018年アンダー曲から、20thシングル収録の『新しい世界』。MVの雰囲気も相まって退廃的なイメージがあるこの曲は、生楽器の音が一層シリアスな印象を強くしているが、個人的にそのシリアスさが特に感じられるDメロ、2:55辺りに注目したい。

恋の形が違っただけ
僕は彼しか選べないよ
失望させてごめん

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ちょっと長めに取ってしまったが、ポイントは<僕は彼しか選べないよ>の全部。ある一箇所というより、この全体だ。特に能條の声がはっきりと感じられるこの箇所、彼女のハリのある歌声が曲の雰囲気とマッチしており、声には歌詞の感情がちゃんと乗り、この後の間奏への橋渡しとしてグッと盛り上げる役割を果たしている。

「適材適所」という言葉では足りないくらいに、能條の歌声が楽曲の要になっていると言いたい、とても良い部分。

雲になればいい

同じ『シンクロニシティ』収録曲から、生田・衛藤・桜井のユニット”藤桜梨”(ドンウォーリーというクレイジーな読みをするらしい)の楽曲『雲になればいい』。武骨なアコギと優しいエレピ主体で音数が少なく、複雑に交差する歌声が光るこの楽曲。歌唱力の高いメンバーが揃っているが、注目したいのは生田のパート、2番Bメロの1:37から。

全部キャンセルしてもそれで済んじゃうもんだ

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これはわかりやすい部分だと思われる、<全部キャンセルしても>のところ。このキャンの部分はフッと音が上がり、生田は若干上ずった感じの声を出している(1番の同じライン、<不平不を>で桜井は裏声を使っている)。

この曲では、生田は曲調に合わせて強めに声を出して歌っている印象だが、そだからこそこの瞬間の声の変化がなんだかグッとくる。

帰り道は遠回りしたくなる

最後に、シングル表題曲から『帰り道は遠回りしたくなる』。卒業シングルという立ち位置もあってか壮大で完成度の高い楽曲だが、こちらも歌の良さの比重が高い。今回はDメロの3:01から、上に引き続いて生田の声に注目したい。

もっともっと広い世界
知らなきゃいけない

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ここのポイントは<知らなきゃ>の部分。この楽曲の最高音になる箇所で、ここで生田は、おそらくで裏声、きゃでミックスボイス(地声と裏声を合わせたもの)を使っている。さすがミュージカル女優、その切り替えの境目を一切感じさせず、その美しい高音をしっかり聴かせる彼女の歌唱力が堪能できるポイントになっている。

ここグッと惹きつけるのをピークに、大サビを迎えるための<いつかきっと>に入ってじわじわ盛り立てていくその構成もまた、聴いていて気持ち良さがより引き立つポイントである。

まとめ

以上、羅列しただけなので特にまとめることなく終了したい。

乃木坂46の楽曲は、調べたところ全部で192曲(『Sing Out!』まで)。これだけあれば、まだまだ”良いポイント”は山ほどあると思うので、コレ!という曲があったら是非教えて下さい。


明日飲むコーヒーを少し良いやつにしたい。良かったら↓。