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”何かになりきる”映像制作に明け暮れた結果、役員面接で”しくじり先生”になった話

先日開催した「#好きな番組」のお題投稿企画では、皆さんから集まった投稿を読み、番組は推しへの愛を深めたり、笑ったり、時として人生も変えるものだな、と実感しています。

今回の「#これを語って入社しました」では、かの有名な人気番組のオマージュで役員面接に臨んだという、入社3年目社員・Mさんのエピソードをご紹介します。



プレゼンは面白くなければ終わる?

“プレゼンは面白くなければ終わる”
そんな固定観念に囚われた状態で臨んだ、スカパーJSATの役員面接。ただその固定観念が、いい意味でスカパーJSATへの熱をアピールする材料となり、私は今スカパーJSATで働けています。

私は高校時代より漠然とメディア業界に進みたいと考えており、大学もメディアに特化した学科を選びました。大学3年生になり、いち早くメディア業界のインターンが始まった頃、自分はメディア業界の中でテレビの仕事に就きたいと思いました。ただテレビといっても、地上波テレビ局のような大衆的な番組制作ではなく、音楽やイベントのライブ中継(生もののコンテンツ)に関わりたいと思い、ライブ中継を多数扱う有料放送を調べる中で、スカパーJSAT株式会社という会社の存在を知りました。

当時 、役員面接の課題として「なぜスカパーJSATなのか?」を5分間自由な形式でプレゼンするというお題が出されました。
ただしPCでの投影はNG。パワーポイントで資料を作り、印刷して役員にお渡しするといった正攻法で問題なかったと思うのですが、この条件を見たときに、私は咄嗟に“ただのプレゼンでは落とされる”と考えたのです。
「他の就活生はどんなプレゼンをするだろう…。紙芝居?特技を披露しながら説明する?それともパワープレイで何も準備せずに熱弁する猛者もいるだろうか?」
ここまで戦略的に考えたのは、自分には取り柄がなかったからです。突出した特技もない、エントリーシートに書いたガクチカやエピソードもありきたり。だが、情熱だけはある。どんなに普通のエピソードしか持っていなくても、「こいつ、面白いやつだな」と思ってもらいたい一心でした。

"何かになりきる"映像制作の日々

そんな状況を助けてくれたのは、ゼミ活動で培った“何かになりきるプレゼン方法”でした。
大学2年生から学科を志望したきっかけの1つである映像制作ゼミに所属し 、最初の1年間は、ニュース番組/ドラマ/ミュージックビデオ/集大成課題(テレビ番組のオマージュ)というテーマが課され、ほぼ休みなく映像制作に明け暮れました。
このゼミとは私の通っていた高校にゼミの教授と生徒が訪問したことで出会いました。当時、又吉直樹さん原作の「火花」という小説をドラマ化されていて、その映像を観たとき、学生が制作したとは思えないクオリティとこだわりに衝撃を受け、私もこんな風に大学生活を映像制作にささげたいと思い、ゼミに入るために学科を志望しました。

そしてその課題と並行して、ゼミの教授から各チームにお題が与えられ、お題の歴史を調べてゼミ生全員の前でプレゼンするということも行われました。 例えば「恋愛」というテーマであれば、昔と現代の連絡ツールやデートの際の出会い方などの違いを説明し、昔も今も変わらない点や、現代だからこそ重要視される点などを発表しました。
ただプレゼン資料を配り、投影し、話すだけでは絶対に評価しない教授で、シチュエーション再現のために演技をしたり、コスプレをして登場したり、+αの工夫を求められました。

私のチームは「音楽ライブの歴史」というテーマで、DJ・アイドルといった謎の配役があって、アイドル役の女の子に自作ソングを歌わせ簡単なミュージックビデオも制作しました 。チーム員は皆真面目な性格で、当時キャラクターに全力でなりきることにかなりの抵抗があり、発表中も予想以上にウケが悪く、黒歴史として記憶から消したほど楽しかったといえない思い出です。なんてことをやらせているんだと思いますが、少なくともこのゼミで過ごしたことで”プレゼンは面白くなければ終わる”という固定観念が生まれました。当時はこのプレゼン地獄が、のちの就活を助けてくれるとは思っていませんでしたが…。

"しくじり先生"になって役員に講義

さて、役員面接のプレゼン方法に頭を悩ましている状況に戻ります。
プレゼン手法を出し尽くし、お手上げ状態となっている中、ふとゼミ活動で培った”何かになりきるプレゼン方法”が頭をよぎりました。もし役員と自分の立場が入れ替わったとしたら?例えば、先生と生徒のような…。そうだ!あの番組をオマージュすれば、ひと目でメディア志望だと分かってもらえる!

私が辿り着いたのは「しくじり先生」風にプレゼンすることでした。
「しくじり先生 俺みたいになるな!!」とは、テレビ朝日での放送ならびにインターネットテレビABEMAで配信されている教養バラエティ番組です。「人生を盛大にしくじった人から『しくじりの回避法』を学ぼう!」を基本理念に、毎回芸能人の方が「自分の言動や行動の問題点と教訓」を番組オリジナルの教科書を使って授業形式で発表していきます。毎回一般人の生活の中では遭遇しない仰天エピソードが飛び出すのですが、最終的に一般人の自分にも通ずる教訓がもらえる点が魅力的です。
そんな「しくじり先生」のように、自分が先生となって一緒に教科書をめくっていくことで、役員の方を置いていくことなく自分が何者なのかアピールすることができると考えました。プレゼン資料を「しくじり先生」で使用している教科書風にし、表紙や中身のデザインをできるだけ本家に近づけられるようにしました。ゼミ活動の中で、AdobeのイラストレーターやPixelmatorというアプリを使っていたのですが、まさか就職活動で活きるとは思いもしませんでした。

ただメディア事業に携わっている役員の方と当たれるとは限りません。もしかしたら「しくじり先生」をオマージュしていることに気づいてもらえないかもしれません。そこで、役員面接の前に、当時のスカパーJSATの役員の方を全員インターネットで検索し、特にメディア事業部門の役員の方は顔と名前を一致させるようにしました。
当日、役員面接の会場に入室すると、役員2名のうち1名はメディア事業部門の方だとひと目で分かり、資料を配った瞬間に「しくじり先生だね!」と気づいてもらえました。一緒にページをめくっていくプレゼン方法は功を奏し、役員の方々はしっかり私の目を見て頷きながら発表を聞いていました。 メディア業界で働きたい、スカパーJSATだからこそ自分のやりたいことが叶えられるという熱量が伝わったと自身では思っています。
役員面接があったその日のうちに人事部の方から電話があり、最終の社長面接に進めることになりました。今でもあの下準備をして良かったと思っています。

見方を変えてー彼女の今

入社後は現在までサッカーコンテンツに携わるチームに所属しています。もともとはエンタメジャンルを希望していましたが、現在はJリーグで推しクラブができ、休日にスタジアムへ足を運んで試合観戦するほど、サッカーが好きになりました。

今年10月、サッカー日本代表戦を観に、新潟県のデンカビッグスワンスタジアムまで行きました!「ドイツ ブンデスリーガ」ボルシアMG所属の板倉滉選手のユニフォームを身につけ、推し活も楽しみました(笑)

自分には突出した特技や能力はありませんが、あの時少し見方を変えてみたことで、今このスカパーJSATという会社で働けています。もし私のように悩まれている方がいれば、ぜひこのエピソードが参考になれば嬉しいです。


取り柄がなかったから”何かになりきるプレゼン方法”を実践したと当時を振り返ったMさん。

就職活動中は、まわりにいる"凄い人"と自分を比べ、思い悩むこともあるかと思いますが、そんな時こそ、自分自身を見つめることが大切かもしれません。
エンタメ好きで「しくじり先生」を楽しみ、ゼミで"何かになりきる"経験をした彼女だからこそ思いついたプレゼンだったのではないでしょうか。

現在就職活動中で悩んでいる方も、プレゼン方法に悩んでいる方も、これまでの経験や好きなモノを振り返ることで、ふと道を切り開く方法が見つかるのではないでしょうか。

▼これまでの「#これを語って入社しました」はこちら


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