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「虎に翼」放送直前!朝ドラ好き社員が好きな朝ドラ作品について語ってみた。【前編】

朝ドラ。
1961年に帯番組として始まったNHKの連続テレビ小説。

2024年4月からの第110作となる「虎に翼」放送開始に向けて、朝ドラ好き社員を集めてその魅力について語っていただいた。


参加者紹介・朝ドラを見始めたきっかけ

―普段の業務と朝ドラを見始めたきっかけについて教えてください。

参加者1:Kさん
Kさん「普段は配信事業とWEB・アプリ開発関連の業務を担当しています。小さい頃『ちゅらさん』(第64作) や『おひさま』(第84作)を学校に行く前に観ていて、朝ドラを見始めました。大学生になると朝にも少し余裕が出てきたので、そのタイミングで好きな作品はがっつり見始めて、社会人になってからは一度観なくなったんですけど、コロナで家に居る時間が増えたことをきっかけに、また見始めました。結構自由気ままに観ていますね(笑)」

―学校に行く前に観るの分かります(笑)

Kさん「朝タイミングが合えば観る感じ(笑)。母親が(朝ドラの後に放送している)『あさイチ』を観るために『NHK NEWSおはよう日本』からテレビが付いているんですよね」

参加者2:Sさん
Sさん「配信事業と自社のIPを海外へ売る営業業務を担当しています。3歳の頃に観た『ちゅらさん』(第64作)がきっかけです。一世を風靡した朝ドラとして今でも語られているかなと思うのですが、当時内容は分からないながらにすごく楽しんで見ていて(笑)。その後アメリカに渡って3年ほど空白の期間があったんですけど…日本に戻ってから、昼に再放送されていた『天花』(第70作)をおばあちゃんの家で毎日観ていました。毎日同じ時間に放送されるのに『12時45分から天花』ってメモを書くほど楽しんでいて。そこから私は朝ドラが好きだって自覚しました」

―3歳から楽しめていたなんて凄いですね。

Sさん「(主題歌だった)Kiroroさんの『Best Friend』も印象強くて、なんとなく良いドラマだったなあと」

参加者3:Mさん
Mさん「主にスポーツを中心に公式サイトを担当しています。おばあちゃんの家で観た『ファイト』(第72作)をきっかけに朝ドラにハマったのですが、ヒロインの本仮屋ユイカさんが好きで(笑)。当時小学1・2年生だったのですが、小学生ながらに『めっちゃ可愛いお姉さんだ!』と不純な動機で見始めました」

―朝ドラ女優さんは魅力的ですよね、間違いなく可愛い!

私のベスト朝ドラ

「まれ」(第92作)

―好きな朝ドラについて教えてください。

Kさん「最近だと『エール』(第102作)も『らんまん』(第108作)も好きだったし、『おちょやん』も好きだったから難しい(笑)。ただ個人的に思い入れがあるの『まれ』(第92作)かな。夢嫌いな少女・まれちゃん(土屋太鳳)が様々な人に出会うことで、挫折をしながらも夢に向かって進む作品で、方向転換しながらも前に進む姿が印象的な作品です。音楽もすごく良かったです!」

―歌手が歌った曲ではなく、皆で歌った曲でしたよね。

Kさん「そうそう。皆で大合唱したオープニング曲でしたね。そして実は、私は去年結婚式をしたんですけど、乾杯のときに『まれ』のサントラ使うくらい思い入れがあります。私は横浜出身で旦那が輪島・能登の出身なんですけど、まさに主人公のまれちゃんは横浜で修行してて、輪島塗職人を目指す紺谷圭太 (山崎賢人)は輪島出身で…ほかにも共通点があり勝手に自分を投影しながら観れて好きな作品です」

―素敵です!Kさんと旦那さん共に縁のある作品ですね。

Kさん「旦那と最初に出会って仲良くなる前の年に放送していたのが『まれ』で、『まれ』みたいだね~という話になって(笑)。その話もあって仲良くなりました!」

Sさん「すごい素敵、ドキドキしちゃう」

―「まれ」で特に印象に残っているシーンはありますか。

Kさん「輪島塗の職人さんが、『見えんところに魂が宿るがや。見えんところに…。楽をちゃせんと精魂込める。ものづくりへのこだわりが輪島塗の強さや』と言っていた言葉が印象的でした。 輪島塗って何層も重ねて塗るから、下の層で嘘をついても最後に綺麗にカバーしたらなんとかやり過ごすことができてしまうんですよね。だから嘘はつけるけど、ついてはいけない。私は今デザイナーもやっているんですけど、その考えは自分の仕事にも言えるなと思ってじーんとしました」

―たしかに。心に留めておきたい言葉ですね。

▽第92作『まれ』

「芋たこなんきん」(第75作)

Sさん「うーん、どうしても絞ることができないので2作品紹介させてください!1作品目は『芋たこなんきん』(第75作)です!」

―2006年の作品ですね。

Sさん「はい。この作品は本当に朝ドラの集大成ぐらいに思っていて…。田辺聖子さんという作家の半生をモデルに主人公・花岡町子を藤山直美さんが演じた作品で、徳永健次郎(國村隼)という妻に先立たれたお医者様との関係性に焦点を置いて描かれています。出会った当初は口論から始まるのですが、一緒にいると楽しいから頻繁に会う関係が続いて再婚することとなって。この時のプロポーズの仕方も本当に好きなんです」

―気になる!どんなプロポーズだったんですか。

Sさん「(町子は)仕事をしたいけど(健次郎の連れの)子供がたくさんいるから面倒を見なくてはいけないし、家事もしなくてはならないという状況で中途半端になってしまうことを不安に思っていたんですけど、『中途半端と中途半端が2つ寄ってトータルしたら、人生満タンや』 って、その言葉に惹かれて結婚するんですよね。結婚って、自分が固い信念がある中で相手とどれだけ合うかとか、譲れるかとか、そういうものだなと思わせられました」

―すごく心が楽になる言葉。この一言で登場人物の性格が分かる気がします。

Sさん「そうなんです。そして何よりも、素人がこんなこと言うのおこがましいのですが、キャストの演技が本当にうまくて。基本的に朝ドラってオーディションでヒロインが決まるイメージなのですが、本作のヒロインの藤山さんはプロデューサーの方からのお声がけで決まったはずで。決まったものの藤山さんは舞台がメインの方なので、通常必要な期間よりも短くヒロインの撮影スケジュールを組む必要があったそうです。藤山さんが撮影に出られない期間は子役による回想シーンを入れてうまく調整をして、そうしてまで藤山さんに朝ドラのヒロインをやってもらいたいという思いもあって作り上げられた作品なんです。
実際に観ると、プロデューサーの気持ちが分かるくらい藤山さんの演技が上手くて、最近再放送で観た時も『ドラマってこうだよね』と思わせられるような作品で、15分で感情移入して何度泣いたか分からないです。NHKの本気を観ました」

―作り手の「届けたい」という意思が明確にある作品ですね。今のお話を聞いたら観たくなりました!

Sさん「掛け合いも面白く小気味良くて、重い話になりがちなところをあえてさらっと描いたり、でも押さえるべきところはきちんと押さえたり、全体のバランスが最高の作品だと思います」

Kさん「分かる!朝ドラだからこその雰囲気や、すべての人間関係も含めた朝ドラのオーラみたいなのが好きとかあるよね」

Sさん「おっしゃるとおりです。好きすぎて藤山さんの舞台も観に行きました。お父様で有名な喜劇役者の藤山寛美さんの血を受け継いだレジェンドって感じがしました…」

▽第75作「芋たこなんきん」

▽藤山直美さん出演の舞台

「あまちゃん」(第88作)

Sさん「2作品目は『あまちゃん』(第88作)です!」

一同「あまちゃんは良いよね!」

Sさん「のんちゃんが衝撃的でした。当初は有名ではなかったんですけど、なんて可愛い子なんだろうって。下手したらわざとらしくなりうる役なのに全然感じさせない純粋さがあって」

Kさん「自分のこと可愛いって気づいてないんじゃないかっていうのんちゃんの可愛さがすごく可愛い!」

Sさん「まさに無自覚の可愛さ。えっ、わたし可愛いの?みたいな(笑)。
ヒロイン・天野アキがおばあちゃんが倒れたという連絡をきっかけに、お母さんと一緒に東京から岩手の北三陸に帰ったところその生活に馴染んで、おばあちゃんもやっていた海女さんになって生活をしていくというところから始まる話でしたね。最初は東京に帰る予定だったんですけど、やっぱり私は北三陸にいたいと北三陸に残ったり、でもその後いろいろあってアイドル目指すって言って東京に行ったり」

―いろいろありすぎましたね(笑)

Sさん「ありすぎる!クドカン(宮藤官九郎)節の脚本なんですけど、ストーリーにスッと入り込めるところも本当に魅力だなと思っています。主人公に対して、海女さんになるの?アイドルになるの?と驚きもするんですけど、一つ一つに説得力を持たせていて、いろいろな伏線をきちんと回収していく描き方がすごかったです」

ー長い話数ある朝ドラでもちゃんと伏線回収されていると気持ちが良いですよね。

Sさん「そうなんです。あと宮藤さんはのんちゃんとかぴったりの役者さんを連れてくるのが本当にうまくて、こちらも絶妙なキャスティングでした!お母さん役が小泉今日子さんなんですけど、小泉さんにしか出来ない役だし、主人公ものんちゃんにしかできないし、親友役も橋本愛ちゃんぴったりでした。最初は全く化粧気の無い高校生だけど、誰もが振り返っちゃうような目を引く可愛さで、橋本愛ちゃんだからこその説得力を感じました。
アイドル好きの宮藤さんが、セリフに当時の曲や作品のワンフレーズや設定のオマージュを散りばめている、という楽しさもありましたね」

―いろいろな角度で楽しめますね!

Sさん「マネージャー役の松田龍平さんのぶっきらぼうな感じも良かったですね」

Kさん「懐かしい!すごく良かったよね」

Sさん「業界かじっている人ってこういう人いるよね、みたいな(笑)。
あと、大女優役の薬師丸ひろ子さんとおばあちゃん役の宮本信子さんが出会うシーンでは、演技力の爆発が起きている感じがしました(笑) 」

一同「(笑)」

Sさん「楽曲も本当に良くて、去年十周年だったのでコンサートにも行きました。そういう楽しみ方もあって良いですね」

―最近もコンサートがあったのですね。あまちゃんは普段朝ドラを観ていなくても知っている作品でしたね!

Kさん「社会現象だったね!紅白も出てたしね」

Sさん「出てました!いまだに録画残っています(笑)」

Mさん「自分も一番印象に残っている作品が『あまちゃん』ですね。Sさんと被っているので、すでにいろいろ言っていただきました(笑)」

Sさん「ごめんなさい(笑)」

Mさん「朝ドラを観ていて初めてウケる・笑えるというか…やっぱり脚本が宮藤官九郎さんということもあって面白い作品が朝ドラで見れるっていうのは衝撃でした。印象に残ったシーンでいうと、主人公・アキがウニを取れたシーンですね。海女さんは海に潜ってウニをいっぱい取ってくるんですけど、アキは最初のウニがかなり長い間取れなくて、色々悩んでいるなかで最終的に1個のウニを取れた時のシーンがすごく感動的で印象に残っています。最近あまちゃんの再放送がBSで放送していて、全部録画して観ていたんですけど、その回だけは消せずに残してあります(笑)」

Sさん「ウルっとくるシーンですよね」

Mさん「はい!あと自分は朝ドラの音楽が結構好きで、『あまちゃん』だとアキがアイドル活動をやってる時の曲とか、ドラマの中だけで使われているような曲が好きで、音楽も含めて『あまちゃん』が好きです!」

―音楽も良いですね!一番好きな曲は何ですか?

Mさん「『暦の上ではディセンバー』が好きですね」

Sさん「踊れます踊れます!(笑)。まさに去年のコンサートでも聴きました」

Kさん「本当?すごい!主題歌でいうと『エール』も良かったですね。GReeeeNの『星影のエール』。もともと作曲家さんの物語だったよね?たしか…」

Mさん「『栄光は君に輝く』ですかね、あれも結構好きでした!」

一同「そうそれ!」

▽第88作「あまちゃん」


毎日の朝を彩り観る人を元気づける朝ドラ。
皆で語ることで魅力はもちろん、作り手のこだわりが感じられる気がして、また見返したくなります。

明日掲載する後編では、衝撃シーンや好きなヒロイン、そして4月1日から放送開始する「虎に翼」への期待について語っていただいています。

ぜひお楽しみに。

(取材・文 ヤマ)


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