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歌詞 水中花

枯れた花は種を残すという
美しいだけじゃ本当の花は咲かない

あなたの紡ぐ言葉をなぞって いくつもの線を引いた
人はたとい朽ち果てても 何にも残さないのね

秋口に開く金木犀のように
そこに在るだけで引き止められたら
こんな装いをするまでもないでしょう
あなたの方から手をのばすでしょう

花は生みの親の顔を知らずとも
生きる意味を知って咲いているようだ

母の父の皺が増えても ここに在る自分を疑う
あなたの手はいつも冷たく いっそ私を安らかにした

堕ちていく姿さえ美しく 唇から溢れる泡ひとつぶすら愛おしい

殺めることの罪深さに体は重くなって
沈んでいくあたしを見てあなたは何を思うた
愛おしさか 愚かしさか

目を眩ます曼珠沙華のように
歌うことであの世を見せられたなら
こんな深みに飛び込むこともないでしょう
流されながら目を閉じる

雪に落つる花椿のように
燃えるようにひと思いに死ぬことができたら
幸せを願う暇もなく過ぎたでしょう
決して交わらぬ赤と白

私はあなたの水中花
三途の川辺でまた会いましょ


太宰治と共に入水自殺を遂げた山崎富栄を描いた曲です。

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